ALSの家族からみた看護師によるソーシャルワーク

2007年度 日本難病看護学会シンポジウム企画 「看護と介護の共同」

2007年8月24日 青森県立保健大学


     家族の立場から

昨今、各種制度を利用した訪問看護と介護による在宅療養支援が着々と進められていますが、家族の事情に深く関与するようになれば、患者のみならず家族全体を俯瞰的に捉えた社会的サポートの必要が生じてきます。しかし、制度の隙間を埋めるそのような仕事は制度的根拠のない無償の仕事で、その評価方法も確立されていません。そこで、今ではお気楽に暮らせるようになったふたつの家族の歴史をご紹介し、過去を懐かしく振り返りつつ、患者と家族の多様なニーズに応えうる看護師によるソーシャルワークを中心に、今後の制度の在り方を検討してみます。

○ 事例:ALS4名のケースヒストリーから抽出された様々なケアニーズと導入された支援

I−A  

乳幼児の保育の紹介(保、

→→ 区の制度の利用(乳幼児の緊急保育) 

I−C 

ボランティア(友、看、介

→→ 夜間休日のケアの交代

I−D

家族の所得保障

→→ 母の年金、父親(夫)の収入

I−E

ヘルパーの相談指導(看、保

→→ 柔軟な支援体制、医療的ケアの指導

 

患者主体の療養(看、介、ケ

→→ ケアプラン作成、チームケア

U−A 

自立支援(介、障、

→→ 自薦ヘルパーシステム、自営事業所

U−B

意志伝達方法の指導(保、看

→→ 専門職の紹介(パソコンボランティア、OT、言語療法士他)、情報提供、

U−C 

児童の育成(PTA、看、介

→→ 一家の見守り、PTA行事への参加支援、

U−D

豊富な介護給付(障、行、

→→ 重度障害者に対する資源の再分配

V−A 

若い介護者への支援(友、看

→→ 人生の機会と自由の保障、就労支援

V−B 

介護相談(看、介、ピア

→→ 緊急時の対応、アドバイス、慰労

V−C 

定期的なレスパイト(保、

→→ 緊急入院先の確保、ヘルパーの付き添い

W−A 

進行の早い患者のケア(看、研、介、ピア、

→→ 専門的で強靭な精神による支援

W−C

政策アドボカシー(障、介、

→→ 協会、団体や研究者による情報提供

 

個別アドボカシー(医、看、介、ケアマネ、区議、ピア

→→ ケアカンファ、地元行政との交渉

 

政治参加(区議、障、ピア、

→→ 陳情、交渉、政策提言

保健所(保)、訪問看護(看)、ヘルパー(介)、研究者(研)、ピア(患者家族)、障害者団体(障)。本報告は、平成17年度「在宅重度障害者に対する効果的な支援の在り方に関する研究、在宅療養中の家族のケースヒストリー」p86-103の調査結果を基に分析したものです。