専門領域など
- 専門:社会学(犯罪社会学・医療社会学・ディスコース分析)
- テーマ:ドラッグ使用、ドラッグ政策、科学的知識、近代化等
- 方法論:ディスコース分析、シンボリック相互作用論等
ドラッグ使用とドラッグ政策
- ドラッグ使用については、その危険性が喧伝されるだけで実はあまりあきらかにされていなかったため、大学院時代よりドラッグ使用にかかわる人たちにインタビューなどをおこない、いくつかの論文を書いてきました。またそれと同時にドラッグをめぐる社会運動の調査もおこなってきました。
- 2006年春に出版した『覚醒剤の社会史−ドラッグ・ディスコース・統治技術』(東信堂)では、これまでのドラッグ政策の社会学について論じたのちに、ディスコース分析という方法を基礎に、覚醒剤の医学的研究、覚せい剤取締法制定の過程、覚醒剤使用者の告白などを分析しました。
- さらに、ドラッグ政策はそのはじめから国際協定とむすびついて成立しているため、国際協定成立のイニシアティブをとったアメリカ合衆国の政策をはじめ、英国やオランダのドラッグ政策などについて資料を調べるとともに政策担当者にインタビューをおこなうなどして、いくつかの論文を書いてきました。
- 2008年秋に出版した『ドラッグの社会学─向精神物質をめぐる作法と社会秩序』(世界思想社)は、大学院時代からおこなっていたインタビューとドラッグをめぐる社会運動の調査、さらにその後のアメリカ合衆国・イギリス・オランダのドラッグ政策の調査をもとに、「ドラッグについて考えることはどのように可能なのか」ということを論じたものです。基本的な視座はディスコース分析にあるのですが、それを背景化することでわりと分かりやすく仕上げられたと思います。
政策・近代化・科学的知識
- たとえばドラッグは、かつて一世を風靡した貿易品目のひとつでしたが、いまではとても危険なものとしてとらえられています。この間の経緯とその経緯にかかわる(科学的)知識の生産について考えることなどをとおして、一般的には近代化とよばれる現象について考えています。
- 『覚醒剤の社会史』の第三章・第四章は、そのちいさな断面について論じたものです。同様の考察は2007年度日本社会学会の大会シンポジウムでも報告いたしました。
- また、ドラッグ以外の犯罪についても、あるいは犯罪以外の現象についても、これと同様の観点から考えています。
ディスコース分析と質的分析研究
- ディスコース(言説)の研究というと、単なる「語り」の「語られ方」や「文章」の「書き方」の研究だと思われがちなのですが、実はそうではありません。私たちがなにかについて考えたり論じたりするとき、それは言葉によってなされるわけですから、その言葉について考えることが、そこで実際になにが起こっているのかについて考えるということになるわけです。
- これについても『覚醒剤の社会史』やいくつかの論文で論じています。また、ディスコース分析だけでなく、質的分析研究の方法については、シンボリック相互作用論をふくめていくつかの論文を書いています。