■MACRO Nikkor 35mm F4.5 in wind

MACRO Nikkor 35mm F4.5, RMS Microscope Thread Hight Resolution Lens

最小の超マクロ専用レンズ

おそらくニッコールレンズでも最小の部類に入るレンズではないか。

マクロニッコール35mm F4.5。
ごらんのように、きわめて小さい。
しかしこのレンズ、ニコンの大判カメラの専用レンズである。
4×5インチ判をかるくカバーする。
撮影倍率は、8倍から20倍だ。20倍。

Royal Microscopical Society

マウントはRMSマウント。
RMSマウントあるいはRMSスレッドというと、聞きなれない人がいると思う。
Royal Microscopical Societyの略で、 いわゆる顕微鏡の対物レンズのネジマウントである。

この対物レンズのネジマウントを持ったマクロレンス、拡大撮影用レンズは、 以前はたくさんの種類が各カメラメーカーから出ていた。
有名なところでは、ザイスのルミナー、ライツのレプロフォオタールおよび 普通のフォタールレンズ。
日本では、古くはトプコン、そしてオリンパスが出していた。
ミノルタも当時のライツとのかんけいからフォタールをラインナップしていた。
キヤノンはいまだカメラ店の片隅で新品を見つけることができる。
キヤノンマクロフォト35mm F2.8とマクロフォト20mm F3.5だ。

そしてニコンでは、マルチフォト装置用として2本のRMSスレッドをもった 35mm F4.5と19mm F2.8をリリースしていた。
残念ながら、数年前に製造販売が停止されてしまった。

現行品で生産販売されているのは、ライツのフォタールだけになってしまった。
あのザイスさえも、いつのまにカタログから姿を消した。

精緻の極限工作精度

しかしこのニコン製マクロニッコール35mm F4.5。
ものすごく造りがよいのだ。
ペイントの塗り、精緻な彫刻による刻印、きれいに流し込んであるエナメル、 真鍮のネジ加工。
そしてレンズには宝石のように美しいコーテング。
この小さな小さなレンズにも小さい小さい絞りがある。
ちゃんとしたアイリス虹彩絞りである。

夏の夏らしくすずしげな木陰に向けてレンズを取り付ければ、 どんな小さな昆虫も、花の種子から、ニュートリノでも撮影できる。

見つめる楽しさを知るレンズ

RMSスレッドをもったマウントアダプタは各社から出ている(出ていた)し、 ニコンの純正マウントリングだと、RMS-L39であるから、これさえあれば L39マウントリングでどんなカメラにも装着可能だ。
キヤノン、ミノルタ、京セラコンタックスからミランダ、アルパもOK。

夏の昼下がり、かき氷のイチゴ色を見つめるもよし、 つめたいビールでも飲みながら、その酵母の生育状況をジョッキの上から マクロニッコール35mm F4.5で見つめるのも楽しい。

みず色のラインが美しいエナメルで入っている。
こういう技にはまいる。
私はこのレンズ、はっきりいって、スゴイと思う。小さいけどデカい。

信州の夏にマクロニッコール35mm F4.5を指でつまみ、遠くに風を聞く。

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