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■TV-Nikkor 35mm F0.9 Big Fast Super Light
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TV-Nikkor 35mm F0.9 Big Fast Super Light
TV-NIKKOR
35mm F0.9 !!!
Big Fast
Super Light
Nippon Kogaku Japan
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ニッコールレンズ史上最速の高速レンズ
ニッコールレンズの中で、最も明るいレンズは何だろうか。
ニッコール35mm F0.9である。
刻印の間違いではなく、またフェイクでもなく、
正真正銘のニッコールレンズである。
F1.0よりもさらに明るい高速F0.9が実存するのだ。
1:0.9の刻印が美しいこのレンズを、ウエブサイトで紹介するのは世界で初めてだ。
TV-Nikkor 35mm F0.9 High Speed Nikkor Lens
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ニコン研究会の高島さん
工業用ニッコールレンズのセールスマニュアルに、
ごく小さい写真が掲載されていたのは記憶している。
後にも先にも、写真はこの1枚しか目にしたことがなかった。
モノクロのベタっとした写真で、デティールも質感も分からない優れた写真だった。
長年探していたが、情報はもちろん、現物を目にすることはないだろうと
「安心」していた。
いつもびしっと背広姿がダンデーな高島さんは、ニコン研究会の重鎮である。
ふだんでもニコンS2の黒塗り(もちろんオリジナル)を使っているすごい方なのだが、
あるとき、S型ニコンのレンズについて話をうかがっていたときのことだ。
話が工業用ニッコールレンズの話題にそれて、
何でそういった(工業用ニッコール)レンズを集めているのかと、
正しい思想の質問に答えていると、
「そういえば、私はF0.9のニッコールレンズを持っています」
と衝撃的なことを平然にお話されるものだから、私は驚いてしまった。
F0.9のニッコールレンズとは、小さい不鮮明な写真でしか見たことのない、
幻の高速レンズ、TV-Nikkor 35mm F0.9にほかならないからだ。
次の研究会の会合に持ってきていただいたのが、このレンズである。
事前に私が調査した性能緒元と、探し出したレンズ構成図の図面の上に
TV-Nikkor 35mm F0.9はしずかに置かれた。
なんでレンズ構成図の図面があるのかという話もあるが、
そこはこらえていただきたい。
なんとも、じつに美しい、超高速レンズを見ていただこう。
TV-Nikkor 35mm F0.9 Nippon Kogaku Tokyo No. 350222
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蛍光板撮影用ニッコールレンズ
絞りリングの彩色エナメル文字流し込みが美しい。
1本づつ面相筆
(中国北方生息のオスのイタチ毛で作られた最高級の極小面相筆かもしれない)
を使って、手書きで精緻に彩色されている。
鏡胴は高品質な漆黒の、お道具調の鏡玉に仕上げてある。
工業用ニッコールレンズにしては珍しく、
メートル表記とフィート表記の距離リングが付いている。
このレンズはなにものか。
TV-Nikkorというと、
一般には放送局などで使うプロ用ビデオカメラに搭載するズームレンズとして有名である。
しかし、このレンズは放送局用のレンズではない。
日本光学が分類・付与した名称は、「蛍光板撮影用ニッコール」だ。
レントゲン映像を撮影するための特殊用途レンズなのだ。
工業用ニッコールレンズのセールスマニュアルから、
説明を引用してみよう。
TV-Nikkor 35mm F0.9は、レントゲン写真の間接撮影用レンズで、
エックス線によって蛍光板上に造られた映像をフィルムまたは撮像管に結像するのに使用されます。
近年蛍光板上の像をイメージインテンシファイヤーと称する増幅管を用い、
電気的に明るくする事ができるようになりました。
この増幅管による像は小さいためレンズ系(第一次レンズと第二レンズよりなる)
を通し、テレビによって拡大して観察されたり、映画に記録されたりします。
このためには明るい撮影用レンズが必要となり、
現在のニッコールレンズでは、第二次レンズとしてTVニッコール35mm F0.9が、
第二次レンズがf=100mmの場合は16mm映画撮影用に、
f=75mmの場合はITV用に使用されています。
またこのレンズは、F1.0以上の明るさをもっているため、
暗い被写体や、明るくても極めて高速度で変化する現象の撮影等に好適です。
さらに近距離設計されていますので、
その倍率における接写や拡大撮影によい結像をうることができます。
TV-Nikkor 35mm F0.9 and L39 Screw Mount Thread
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美しき基本性能
7群8枚のゴージャスなレンズ・ガラスブロックが引き出すパワーは超高速のF0.9。
その基本性能を見てみよう。
なお、マウントはライカのスクリューマウントだ。
フィルター径は52mm/p=0.75と、ニコンFシステムと同じなのはうれしい。
−焦点距離: 36.0mm
−開放絞り: F0.9
−最小絞り: F16
−レンズ構成: 7群8枚
−画角: 20度
−色収差補正波長域: 400〜650nm
−画像サイズ: 12.6mmφ
−重量: 270g
しかし、なぜTV-NIKKORという名前にしたのだろうか。
ここは歴史的ニッコールレンズの1つである、レグノ・ニッコール(Regno Nikkor)
としてほしかった。
日本光学の高速レンズは、レグノ・ニッコールとむかしからきまっているのだから。
TV-Nikkor 35mm F0.9 out of Focus
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極稀少レンズはカメラを選ぶ
このレンズはライカスクリューマウントだ。
L-Fアダプタを介してそのまま装着可能であるが、
正方向のマウントでは四隅がけられてしまう。
前玉のフィルター径は52ミリ。
つまり、BR2リングあるいはBR2Aリングが使えるのだ。
BR2リングは片方が52mmのオスねじ、もう片方がオスのFマウントになっている。
BR2リングを前玉にねじ込み、レンズをリバースしてFマウントのカメラに装着完了。
四隅もけられることなく、美しい高速画像が目に入ってくるはずだ。
きわめて現存数の少ない、稀少なレンズである。
極稀少レンズはカメラを選ぶ。
どんなカメラで対応するか、一晩悩むのも、日々の暮らしのなかでもたいせつなことだ。
でも、最適な選択をしないほうがよいかもしれない。
そういうものなのです。
物理的な最適制御で安定して朽ちるよりも、
どこか足りないゆるんだ振動のほうがたのしいものです。
ああ、私の存在を、
生まれてきた価値を、
そしていまでもひそりと生きているのを認めてくれてありがとうと、
ニッコールレンズ史上最速の、
幻の高速レンズがつぶやいたのを高島さんと私はかくじつに聞いた。
Special Thanks to Mr. Takashima, Nikon Kekyukai Tokyo
TV-Nikkor 35mm F0.9 Meets the F2T Legacy Engine
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Copyright Akiyama Michio, Tokyo Japan 2004
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