■Ultra Micro Nikkor 28mm F1.8

Ultra-Micro-Nikkor 28mm F1.8 and Nikon F2 Titan Camera, KAKI fruit JAPAN

ウルトラマイクロニッコール28mm F1.8。

日本の果物は柿

柿にはウルトラマイクロニッコール28mm F1.8がよくにあう。
むかしからよく言われていることだ。

このレンズを語るには、まだ早いかもしれない。
いま現在、ウルトラマイクロニッコールというと、一般的にはこのレンズを指す。
それだけ数は多い。
数は多いといっても、希少種であることには違いないが。

私は、いまのところ28mm F1.8を4本所有している。
いまのところと書いたのは、最後期型を捕獲していないため、 いずれは来ていただかないといけないと考えるからだ。

ピントきりりの極超鮮鋭度

のんびりした柿の木の下で、日本の秋を見つめている。
ニコンF2TにL-Fアダプタを介して取り付けてある。
ウルトラマイクロニッコール28mm F1.8はライカスクリューマウントのため、 アダプタさえ用意できればどんなカメラにもセット可能だ。

この写真はWeb掲載用の姿写真であって、このセット方法では、 写真を撮影することはできない。
ピントが出ないのだ。
ベローズ装置に付けて、長く伸ばしてもピントは出ない。
そのため、運良くこのレンズを入手しても手放す人が多い。
ピントの出ないレンズ、写真撮影のできないレンズは持っていてもしょうがない。

ネットの情報を見ても、ピントが出ないレンズと紹介されているのを見たことがある。
これは、大きな、誤りだ。

きっちり、キリリとピントは出る。
もちろん普通の一眼レフ(ニコンF)に取り付けてだ。
その方法については"Ultra Micro Nikkor Operation"で説明しているので参照してほしい。

おおらかな初期型の存在感

ウルトラマイクロニッコール28mm F1.8を生態系ごとに分類すると、 かなりの数になるのではないか。
アバウトにいっても、初期型、前期型、後期型、そして最後期型がある。
ここに写っているのは、初期型だ。
ほかの型は、レンズボデイを横から見るとストンと茶筒のような形状だが、 初期型は先がいくぶん細く仕上げてあるので比べるとすぐわかる。
コーテングは、瀬戸内海ブルーで、 いちばんさっぱりとしたコーテングの仕上げのようだ。
カメラレンズとは趣が異なり、涼しげな透明感があるのは、さすがである。

4本のウルトラマイクロニッコール28mm F1.8のうち3本は、 ウイーン、ニューヨク、ヨーロッパの海外から帰国した。 この初期型だけは、日本のネットオークションで入手した。
もっとも、出品者のお父さんが海外から買ってきたそうで、 だれも使い方がわからないし、カメラ店に聞いても何のレンズかわからなかったという。
長い間使わないでいたために、分かる人へ譲りたいとの出品だった。

やはり、レンズとの出会いは縁だ。

修羅場を越えて

時代遅れとなった半導体製造装置に取り付けられていた、 ウルトラマイクロニッコール28mm F1.8。
そのほとんどが、日本では廃棄処分になっている。
研究開発目的であればなおさら、廃棄、ハンマーで砕かれる運命にあった。
税制のためかは知らないが、昭和が生んだ伝説の極超高解像度レンズは修羅場を見た。

インターネットが世界中でごくあたりまえのインフラになったメリットは大きい。
海外では、まだまだウルトラマイクロニッコールが温存されている。
破壊から逃れたウルトラマイクロニッコールが、まだ日本への帰国を望んで生きている。
手を差しのべる機会はまだ、ある。

望郷の夢

ウルトラマイクロニッコール28mm F1.8。
レンズ構成7群9枚。
基準倍率1/10倍。色収差補正は546mμ(e-line)。
歪曲収差はたったの-0.06%だ。
ウルトラパワーが引き出す解像力スペックは、あきれてしまう700本/mm!のスーパーハイエンド。

手になじんだカメラに付けてあげて、第二の人生をレンズにも。

望郷の夢をみるレンズが多いことを知ったのは、最近のことだつた。

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