■Ultra Micro Nikkor 50mm F1.8 h

Ultra-Micro-Nikkor 50mm F1.8 h, Nippon Kogaku Japan M=1/5 Red Point

ウルトラマイクロニッコール50mm F1.8 h。

伝説の

砲金製外装

武装した重量級鏡玉

9群12枚の性能限界

最高出力

800本/mm以上

技術者魂と職人技の極致

理想レンズの夢よ

Nippon Kogaku Japan Spirit

The Great Lens

Ultra-Micro-Nikkor 50mm F1.8 for h-line

is here

1969年登場

伝説のウルトラマイクロニッコールではあるが、 はっきりいってこれは超レアアイテムである。

もともとウルトラマイクロニッコールの最終世代、最後の時代に製造されたレンズだ。
1969年は、最後に咲いた満開の桜だつた。
この1969年に登場したウルトラマイクロニッコールは5本。
5本リリースというのは、この世界でも尋常な数ではない。
300mm F1.2h, 50mm F1.8e, 300mm F1.4g, 50mm F1.8hそして225mm F1.0gである。

限界性能レンズ

非常に高価なレンズだった。
高価な50mm F1.8eよりも、さらにg線とh線での撮影を可能にした50mm F1.8hは高価だった。
もっとも、一般個人がお金を出して購入するものではなかった。
1969年当時はまだ、デジタル電子計算機はICの時代だった。
将来のLSI化に向けて登場したのが、 波長404.7mμのh線による微細なパターン像焼付けを可能にしたh線対応レンズだ。
主にフォトリピーターに装着され、 逐次撮影法(Stop and Repeat Method) による集積回路のクロームマスク製作に使われた。

価格は二の次だった。
極限の性能が手にできれば、企業の最先端半導体製造部門、 大学の研究機関は価格を度外視して、限界性能レンズを手に入れた。
理想レンズの理想郷だったのか。

驚愕の800本/mmウルトラパワー

性能はどうだろうか。

ウルトラマイクロニッコール50mm F1.8 h。
レンズ構成9群12枚。
基準倍率1/5倍。色収差補正は435.8mμ(g-line)、404.7mμ(h-line)。
歪曲収差はたったの 0.002% だ。
超越したハイパーパワーが引き出す解像力スペックは、 なんと驚愕の800本/mm!の極超スーパーハイエンド。

マウントは52mm ピッチ1mmのネジマウント。
フィルター径は52mm ピッチ0.75。
つまり、ニコン一眼レフ用レンズの52ミリフィルター径と同じ規格だ。
直径58ミリ、長さ97ミリ。塗装のていねいな重い鏡胴。

M=1/5 h のレッドポイントが目印だ。
e線用のウルトラマイクロニッコール50mm F1.8 eはほぼ同じ外観であるが、 重量はやや重い760g。
ウルトラマイクロニッコール50mm F1.8 hは重量700g。
見た目よりも、かなり重い。
ガラスレンズが12枚も詰まっているからか。

重量砲金外装

外装は武骨だ。
スパルタンな印象を持つ。
黒い外装は3本の化粧ネジでかんたんに外れる。
中から出てくるのは、まるで兵器か武器だ。
とくにレンズの前玉部分、フィルター枠を構成する金属ブロックは、 砲金製なのか。
ドイツ製の精密なピストルを想わせるガンメタルの光沢。硬度。
ここまで頑丈に造る理由は、その精度維持なのかもしれない。 どこまでも深く、そしてすこしばかり不気味に赤いコーテング。
これが所有者をうならせるポイントだ。
ほかに例えるもの、比較するものがない。
存在することが存在である。

あぶない美しさ

このレンズは、希少種ではあるがほぼ新品の状態で捕獲できた。
1977年印刷の詳細のデータシートも添付されていた。
まだまだ、こういった夢のような、夢のレンズとの再会があるのだ。
まんざらこの世の中も、捨てたものではない。

ウルトラマイクロニッコール50mm F1.8 hの気配は、 日本刀そのものだ。
危険と美が併せ持つ、様式美に気が付く。
この美しさは、どこかあぶない。

あぶないものは美しいものだ。

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