●●● Ryu's Milk Bar ●●●

 

 2×2 チャンネル 

収録作品

  2×2チャンネル
  きみいる場所
  大天使まにお願い
  恋愛コンレックス
  月美人
  愛き客人


◆ 2bai 2 Channeru ◆

俺、大林克巳は、中学2年の弟 郁巳との二人兄弟。俺には若月ひかるという恋人がいて、郁巳には川上達也という恋人がいる。こう言っちゃ何だが、俺たちは兄弟そろって……ホモ(汗)。郁巳は小学生とも見まちがう未発達野郎だが、えっちの方だけは、かの恋人とやりたい放題。それにひきかえ俺の場合、ひかるが無類の恥ずかしがり屋で、不本意な「純愛」状態継続中。だが、俺だって……。そんな、ある日、両親が旅行で家を開けることになった。チャンス到来! ところが、その日、うちに来たのは ひかるだけではなかった。郁巳は、俺の欲求不満を解決してやろうと、ひかるの前で川上達也とえっちのしまくり。ひかるはあまりの刺激に、とうとう卒倒してしまう。……俺たち、どうなってしまうんだろう?

作者自身『下品』がテーマというだけあって、えっちしまくりの作品である。けれども、あっけらかんとした作風ゆえ、すけべな感じはしない。可愛くて・ノーテンキで・えっちな郁巳は、なかなか私の好みである(笑)。

2×チャンネル

◆ Kimi no iru Basyo ◆

僕(秋場)は告白した。そして彼女が来てくれるのを待った。……3時間。彼女にフラれたことに、僕がやっと気づいたその時、彼が僕の前に立っていた。それが彼、瑞希との出会いだった。冬の公園のベンチで3時間も座っている僕に、彼は同情したんだろう。彼のさし出したコーヒーは、僕を心のそこから温めてくれた。彼は、病気で倒れた父親の跡を継いで、ひとりで喫茶店を切り盛りしている十六才。けなげで一生懸命な彼に惹かれ、僕は喫茶『ペコ』の常連となる。ある事件がきっかけとなって僕たちは急接近。ところが、そんな時に限って……。僕をふった彼女からの使者が、僕を迎えにやってきた。あの日、いけなかったのは彼女自身が急病で倒れて入院してしまったから。その後は、僕に嫌われたのではないかって、怖くて連絡がとれなかったというのだ。そして、それでも諦めきれなかった、つきあってほしい……と。

まさしく純愛の正統派ラブ・ストーリーである。ラストで、瑞希を抱き締めながら、ふと漏らす秋場のつぶやきが胸にしみる「まいったなあ。……本気で男の子を愛してしまった」。

きみのる場所

◆ Daitensisama ni Onegai ◆

俺は小林高志、高校2年。大きな声では言えないが、俺は男の子にひと目惚れしてしまった。相手は中学生。毎朝登校途中に出会うかわいい子。髪はプラチナブロンドで、目は澄んだブルー。肌は肌理細やかな白。留学生かハーフか……。とにかくびっくりするくらいキレイな子なのだ。そして、告白「恋人になってください!」……し、しまった。まずは「友だちになってください」だろ(泣)。ところが「はい。僕でよろしければ」。そしていきなり初デート。でも、彼は自分を天使だと思っているようで、ちょっと様子はおかしいけれど、まあいいか? 「ちょっと目をつむってください」……彼の指示にしたがい、やがて目を開けると、そこはなぜかホテルの部屋! どうなってるんだ!? 「恋人同士はホテルに行って、快楽を得るものだと聞きました。僕に快楽というものを教えてくれませんか?」。そう言って服を脱いだ彼の背中には、一双の白い翼が……。彼は人間界に興味を持ち、天界では禁じられている「快楽」を知るために、大天使さまにナイショで下界へ下りてきた本物の天使だった。そして「快楽」を知れば、すぐに天界へ帰らなければならないのだとも。つまり、彼を抱けば、俺たちは1日だけの恋人。でも、俺はそれでも幸せだと思った。俺の天使の望みをかなえてやろう……。

それにしても、なんと調子のいい話なんだろう。しかもラストは、当然のごとくハッピーエンド。勝手にしやがれって感じですな(努)。

大天使さにお願い

◆ Renai Konpurekkusu ◆

私はいわゆる女子高生。だけど、おじさんたちが「キャピキャピの」と形容する類いのそれではない。そう。私は子供の頃から図体ばかりデカかった。それだけならまだしも、男顔負けの肩幅、直毛の硬い髪の毛、顔ももちろん男顔。子供の頃から「やーい、英(はなぶさ)のオカマー! !」なんて言われるのは日常茶飯だった。そういうやつには思い知らせてやった。その結果 、不良たちからもマークされ、ケンカをふっかけられて、生傷のたえない私だった。そんな私が生まれて初めて告白された。相手は、そこいらの女よりずっと可愛い美少年 長谷川逹基だった。達基は私に「女の子なんだからケンカなんかしちゃダメだよ。でも、いざという時は僕が英ちゃんを守ってあげるからね」なんて可愛いことを言ってくれる(泣)。可愛い達基。でも、彼の正体は……。

と勿体をつけてみたが、じつは達基ってめちゃめちゃ強いのだ。で、陰で本当に彼女を守ってたわけである。達基が強いのは、それもそのはず。彼は「ゆがんだ恋物語」(『受難な日々』所収)の長谷川裕基の兄だったのでした(裏設定)。見た目が「ホモ・カップル」の変則的な(?)お話でした。

恋愛コンプックス

◆ Gekko Bijin ◆

まだ私が幼い少女だった頃、満月の夜になると決まって家の前の空き地野原に現れる金髪で金の瞳を持つ少年と、私は友だちになった。少年は狼男の血をひいているのだと言う。私が勝手に「金ちゃん」と名づけた、その少年はとてもとても美しかった。たとえ狼男の末裔だと言われても、私は全然平気だった。私は少年を、満月の夜にだけ咲く「月下美人」のようだと思った。でも、少年はいつか現れなくなり、いつしか私は高校生になっていた。私は今でも、その少年のことが忘れられない。幼馴染みの徹くんが、私のことを好いてくれているらしいのだけれど、私にはその気持ちに応えることができなかった。そして家の前の空き野原にいよいよマンションが建つというその前の満月の夜、突然、金ちゃんが帰ってきた! そして金ちゃんは「僕のような当てにならないやつじゃなくて、君を本当に幸せにしてくれる人は、君のそばにいるはずだよ」……。

美少年は出てくるものの、ホモッ気は一切なしの、幼馴染みものである。金ちゃんと徹くんが同一人物なのかも、という含みを持たせたラストがなかなか面 白い。あっ、……この評価、妙に冷静(汗)。

月光

◆ Itosiki Marebito ◆

俺の名は鴻。修行中の忍者だ。山奥で独りで修行中、俺はうっかりケガをして動けなくなってしまった。そんな俺を助けてくれたのが、やつだった。名乗りもせずに立ち去った、やつ。やつは男なのに、とても美しかった。そして俺は、やつに惚れてしまったらしい。それ以来、やつのことが頭を離れず、修行にも身がはいらない。そんな俺の思いが天に通 じたのか、俺はやつと再び会うことが出来た。俺は無我夢中でやつに「好きだ!」と言った。が、気持ち悪がられただけだった。ところで、やつはなぜだかぜんぜん飯を喰ってなくて、猛烈に腹を空かせているらしい。そこで俺は、飯をたらふく喰わせてやるかわりに、修行のパートナーになれと、交換条件を出してみた。そしたらやつは「俺は抜け忍だ。おまえの身の安全は保証できないが、それでもいいのか?」と言った。無論、俺に否やはない。ただただ、これからが楽しみなだけである(喜)。

既刊4冊の収録作品のなかで、もっとも古い作品。作者自身「時代もの」は苦手と言っており、十代の作品のためか、たしかに作りに無理はある。絵柄も今の「可愛さ」重視より「カッコよさ」重視で、作者の出自を感じさせるものがある。だが、個人的には「子供」っぽさのないキャラ同士では、やっぱり不満(勝手)。

愛し客人

 


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