1985年7月12日・8月10日・9月10日・10月10日初版

 SAGBの第一作。S・ジャクソンの有名なシリーズ作品であり、一時期『ソーサリー』派と『ドルアーガ』派の2つに日本のゲームブックファンが分裂し、論争を繰り広げた。一方向進行型の代表であり、後に多くの模作が世に現れた。
 特に有名なのが魔法のシステムであり、プレイする前に48種類の魔法を覚えねばならないという過酷なルールが設定されていたが、果たして真面目に呪文を覚えた人が何人いるかは定かではない。



 同じく創元推理文庫から発売されたジャクソンの作品に『ファイティング・ファンタジー』があるが、これは『ソーサリー』シリーズのシステムを使ってテーブルトークを楽しむことをコンセプトにしたシナリオ集であり、ゲームブックではない。
 大小2つのシナリオが収録されているが、どちらも非常に魅力的な地下迷宮が舞台になっている。後には魔法システムなどを加えた『アドバンスト・ファイティング・ファンタジー(ダンジョニアRPG)』が文庫型テーブルトークとして教養文庫より発売されることになる。


1990年12月30日初版

 巨匠S・ジャクソン最後のゲームブック。常に新たなる領域に挑戦し続けた作者のラストを飾るに相応しい傑作である。知性を持たぬモンスターである主人公が、徐々に自分の意志と記憶を取り戻していくシナリオと、その過程を巧みに表現しつつもゲームとしてのバランスを失うことはない手腕は流石である。
 また、これまで作者が作り上げてきた背景世界の総決算でもあり、緻密かつ重厚な設定に支えられたストーリーには強い説得力がある。
 この作品を最後に「ファイティングファンタジー」シリーズから手を引いたジャクソンは小説に力を入れ始める。

どうでもいいことだが、教養文庫から発売されているゲームブック『サソリ沼の迷路』の作者もS・ジャクソンだが、これは同名異人である。
これを忘れて大恥をかいてしまったことがあるので皆様もご注意あれ(ウォーロックで安田さんも指摘していたのに・・・)。