ムクの家建築日誌

29.建築中の火災保険


 上棟から2週間以上経った2001年4月5日、H田さんに火災保険に入っているかと尋ねられた。
 完成後は住宅金融公庫の特約火災保険に入るつもりでいるが、建築中は施工者のほうで掛けるものではなかったのか。「工事中は業者のほうで入るんですよね」と聞いてみたが、H田さんは入っていないとのこと。私たちで掛けてほしいような口ぶりだった。「今まで何軒も建築してるけど、火事になることなんてめったにない。経費もかかるし、保険なんて入らへん」と言われた。保険というものは、めったにないことが起こったときのために入るものだと思うのだが。

 後で確認してみると、やはり建築中の火災保険は施工者が入るもののようだ。万一火災が起きた場合、当然施工者が負担して建て直すことになる。保険に入っていない場合、施工者側が資金不足なら建て直してもらえないわけで、最終的に困るのは施主なのだ。

 A木さんに話をすると、「最初の打ち合わせのときに、工事中の保険はH田さんが掛けるということを確認したはずなんですが」と当惑されていた。そういえば、設計打ち合わせの最中に保険の話をされていたような記憶がある。
 A木さんからH田さんに「保険には入らないといけない」と指導していただいたこともあり、H田さんのほうで火災保険に入ってもらえることになった。

 知り合いの保険屋さんに聞いたところ、建築中の火災保険も扱っているということなので、H田さんに申し込んでもらった。
 ところが、上棟後の申し込みなので、事故が起こった場合、どの時点で起こった事故かがはっきりしないという理由で、申し込みは却下されてしまったのだ。基礎だけの段階なら入れたらしい。保険屋さんがほかの会社にも当たってくれたが、どこも同じということだった。

 仕方がないので、公庫の特約火災保険の申し込みを早めることで対処することにした。
 この問題が発覚したときに公庫に確認していたので、中間検査を受けた後なら建築中でも火災保険に加入できることはわかっていた。しかも、早目に入ったからといって、保険料がふえるわけではないそうだ。

 あとは、中間検査まで何事も起こらないのを祈るしかない。

 個人経営の大工さんや小規模工務店に依頼する場合は、火災保険の加入について、しっかり契約書に盛り込んだほうがいいかもしれない。小規模なところでは、火災保険に入っていないということも、実際かなりあるらしいのだ。


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