■ テレビを消そう ■

育児をする中で、「テレビ」 は避けて通れない問題のようですが、みなさんのお家ではテレビとどんな付き合い方をしていますか? 2004年に小児科学会から乳幼児のテレビ・ビデオの長時間視聴を控えるようにとの提言がされたことは、ご存知の方も多いかと思います。

最近の調査では、9割以上の幼児が「テレビを毎日見ている」、そしてその平均視聴時間は3時間にもなるというデータが出たそうです。子供番組などで見せている時間、そして親が見ている時間を含めると3時間以上1日の生活でテレビが付いていることになります。

また別の調査では、テレビやメディア(ゲームなど)に接する時間が多いお子さんほど、”学校が楽しくない”と答えたそうです。 ひと昔前は 「勉強が苦手だから」、「授業についていけないから」という理由が大半だったのに、今一番にあがってくる理由が、「人と付き合うのが面倒」 だそうです。 テレビやメディアとの付き合いが長いお子さんほど、学校が楽しくない。そしてその理由が「人付き合いが面倒」。 両者の間には密接な関係があるような気がして仕方がありません。

でもうちの子は楽しくテレビを見ているし、言葉や歌や踊りも番組で覚えたし、心配な面は見えてこないけど? アニメではなくて、教育的な番組ならいいのでしょう? という意見が聞こえてきそうですね。 

だけど、いつもは動き回っている子どもが、長い間身動き一つせずにじっとしていることは(一見リラックスしているように見えるが)とっても不自然なことだと思いませんか? 教育的な英語のビデオをずっと見せ続けて、じっと見続ける子供を、集中力がある、この子は英語が好きなんだと勘違いして見せ続けてしまう親御さんもいるそうですが、実はテレビは非常に刺激が強く、光と音の刺激に引きつけられ、子供は身動きがとれない状態になっているだけだそうです。

言葉なども確かにテレビやビデオで覚えるお子さんも多いでしょう。 でも「言葉」を発すればそれでいいのでしょうか? 言葉は何のためにあるでしょう? 自分の気持ちを伝えたり、受け取ったり、人とコミュニケーションをとるためのものですよね。 そのコミュニケーションは、言葉だけで成り立つのではなく、相手の視線、表情、口調、言い回し、身振り手振り・・・・など色々なものが合わさって、はじめて人は相手が何を言っているのかを理解するのだと思います。 そして、それは、生身の人間との間のやりとり、特に乳幼児はお母さん、お父さんなど身近な人とのやりとりから学んでいきます。 子どもが発した言葉や態度から、まわりがどんな反応を返してくるか、そういう繰り返しから学んでいくのだと思います。 ではテレビはどうでしょう? 子どもの言葉に誰か何か返してくれますか?一方的に流れてくるだけで、反応が返ってくることはありませんよね。 

小さいうちは、何も変化がないかもしれません。 でも上の調査のように小学生や中学生など、だんだん人付き合いが複雑になり、人は思い通りにはならず、色々な人がいる環境におかれると、「人との付き合いが面倒」だと感じるようになってしまうのではないでしょうか。

ニュースでも、今は耳をふさぎたくなるような事件の映像が流れています。 ニュースをつければ必ずといっていいほど出てくる 「殺害」、「殺人事件」などの言葉を小さいお子さんに聞かせたいですか?ニュースで電車の衝突事故の映像が何度も流れて、おもちゃの電車を衝突させるような遊びをし始めた男の子の話を聞きました。 ニュースであっても、子供の心には深い影響を与えてしまうものなのです。大人にとっては、ニュースは必要な情報ですが、子供にとっては必要がないと思います。 

テレビを見せると、確かに、親の立場からすればまとわりつかないし、ぐずることもありませんし、見せていればとても楽です。でも、テレビは一方通行で、頭を使う必要もなく、想像力も働かせる余地はありません。 これは、どんなに教育的な内容の番組でも同じです。 テレビを見ている時間は、子供が能動的に動いている時間ではなく、受動的に過ごしている時間です。 そしてほとんどのテレビは騒がしいものばかりです。 それが毎日積み重なれば、やはり子供に与える影響はとても大きいと思います。

テレビを見ているその時間で、おままごとをしたり、絵本を読んだりと、積木をしたりと、いろいろな創造的なことが出来るのに、もったいないと思いませんか? 普段刺激のあるテレビに慣れ切った生活をしていると、子供は、なかなか絵本の世界には入り込めません。 絵本を読む時は、親も何かをしながら片手間で読むことは出来ません。でも、子供と同じ時間を共有することで、得られることはとても大きいと思います。

テレビをほとんど見せていないことで、娘はとても音には敏感で、雨が降ってきた音などにすぐに気が付きます。 日常のちょっとしたことにも喜んでいたり、集中して遊べたりするのは、刺激の強いテレビを普段付けないで、静かな生活をしているからだと思います。

もちろん、テレビを付けないといっても、例えばオリンピックとかワールドカップといった特別な時には私も、テレビを付けます。 また、私の体調が悪いときにはテレビのお世話になることもあります。 動物のドキュメンタリーなどで、生き生きとした動物たちを見ることもたまにあります。(動物園の動物は寝てばかりですものね) でも、テレビを付けることが習慣となってはいませんし、テレビの害を知った上で少しテレビのお世話になることは、知らないで見せっぱなしとはまた違うと思ってます。

色々書いてきましたがテレビが習慣化しているお家では、テレビを消すなんて考えられないかもしれませんね。  またパパが、、、というお家の多いと思います。 それなら、せめて子どもが寝てからゆっくり楽しむのはどうでしょうか? 急にテレビを消したら、子どもが泣きわめく? そうなると思います。 でも数日の我慢です。 子どもは順応性が高いので、そのうちにテレビよりも楽しい事を見つけるはずです。

実は私も一時はテレビのお世話になっていた時期がありました。赤ちゃんが生まれたらテレビは見せないと断言していたのに、0歳のときに後追いがひどく食事の支度が全くできなかったので、その時間だけビデオを見せはじめてしまいました。 でも支度が終わったら消すはずが、つい娘がおとなしいのをいいことに、 あれこれ家事を片付けてしまい、気付くと1時間見せっぱなし・・ 「今日だけ」、「今だけ」・・そしてそれが習慣になりかけました。 でも普段は泣いて私にまとわりつく娘が、じっーとテレビの前で身動きもせずに 「母親」を忘れ、見続ける様子に怖くなりました。 それに1時間も娘に背を向けたまま、たまに「○○ちゃーん」と声をかける程度で、目を合わすこともなく、会話をすることもなく、 触れないことに私のほうが不安を感じ、思い切って一切テレビ断ちをしました。

思えば、テレビは娘を抱きしめてもくれないし、膝にのせてもくれません。 娘が笑いかけても、喜んでも、何も返してくれず、ただ音や映像が流れるだけ。もったいないですよね、せっかくの笑顔なのに。 子どもはテレビやビデオより、ママと遊ぶのが大好きです。

抱きしめてあげられるのは、笑顔に笑顔で返してあげられるのは、テレビではなく、ママやパパです。