私たちが出したゴミはどこに行くのでしょうか。
京都市を例に見てみましょう。
1 フロー
(1)総説
@家庭から出るゴミの流れ
京都市の家庭系のゴミは大きく次の3つに分けられています。
家庭ゴミ
大型ゴミ
資源ゴミ
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|||||
破砕
清掃工場(焼却)
中間処理施設
最終処分場(埋立)
リサイクル
A排出量
1年あたり(平成8年)
家庭ゴミ 資源ゴミ 大型ゴミ その他ゴミ
327,823t 9,259t 22,242t 3,417t
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市収集ゴミ
業者収集ゴミ
市民持込ゴミ
362,741t 255,957t
172,264t
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総排出量 1日あたり
2,167t
790,962t 1人あたり1.48kg
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焼却
719,456t
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埋立 資源回収
18,088t
13,633t
注)市収集ゴミは、家庭ゴミ・資源ゴミ・粗大ゴミに分けて収集されます。
業者収集ゴミは、飲食店や商店街などから排出される事業系一般廃棄物を業者が収集するものです。
市民持込ゴミは、建築物を解体したなどで清掃工場や埋立地などに市民が直接持ち込むものです。
以下では主に市収集ゴミについて取り上げます。
B清掃費(概算・平成9年度)
@>歳入
市税等一般財源 256億円
ゴミ処理手数料 23億円
国庫支出金
19億円
その他収入
31億円
市債 91億円
合計
420億円
A>歳出
一般管理費(人件費など)
200億円
ゴミ処理費(収集費・清掃工場運営費など) 70億円
し尿処理費
10億円
清掃施設整備費
140億円
清掃費合計
420億円
B>1人あたりのゴミ処理費用
家庭から出るゴミを1袋(約4kg)処理するのにかかる経費‥200円
1年1人当り‥約28000円
(3)家庭ゴミの行方
@種類
京都市では一般家庭から出るゴミを「家庭ゴミ」としており、週2回回収されています。必ずしも一般にいう可燃物ではないのですが、鉄分を除きほぼ焼却されています。
A焼却
各戸から収集された家庭ゴミは、京都市に5カ所あるクリーンセンター(清掃工場)に集められます。
左京区・北区・上京区・中京区・右京区は北部クリーンセンター(右京区)に。
山科区と伏見区の一部は東部クリーンセンター(伏見区)に。
西京区は西部クリーンセンター(西京区)に。
下京区・東山区・南区・伏見区は南部クリーンセンター−第一工場・第二工場(伏見区) に、それぞれ収集され焼却されます。
京都市は「全量焼却主義」をとり、家庭ゴミは全てを焼却処理しています。焼却処理には@ゴミの減量化、A病原菌なども分解してしまうため衛生的、
B分解速度が速いので、大量のゴミを処理するのに好都合、C副産物としての熱エネルギーの利用が可能というメリットがあると言われています。
現在、北部クリーンセンター(昭和43年5月竣工)が耐用年数に近づいており、新たに京都市東北部(左京区静市市原町向山)に清掃工場を建設しています。この清掃工場は平成12年の竣工を予定しています。
B埋立
焼却後に発生した残灰は埋め立てられます。
現在の埋立地は京都市伏見区の水垂処分場で、京都市の清掃工場から発生した焼却残灰はすべてここに埋め立てられています。
昭和50年に開設された水垂処分場は近く処理容量を超えるため、新たに京都市山科区東部の山間部に埋立処分場を建設しています。これは谷に高さ約68メートル・堤頂長 約192メートルのダムを作り、その谷をゴミで埋めていくというものです。この新たに建設している東部山間処分場も20年後には処分容量を超える予定であるということです。
(4)「資源ゴミ」の行方
@回収
京都市で「資源ゴミ」として回収されているのは、缶・ビン・ペットボトルの3種類です。
従来、京都市では全てのゴミを焼却していたのですが、昭和62年から平成4年9月までに全市で空き缶の分別収集を開始しました。さらに平成8年10月には空きビン回収を開始、平成9年10月からはペットボトルの分別収集を実施しています。
但し、この3種は収集段階では区別されることなく、「資源ゴミ」としてまとめて回収されます。しかも家庭ゴミと同じ、パッカー車で回収を行なうため、ビンなども砕かれて収集されています。
A中間処理
京都市では中間処理は「京都市横大路学園」という再資源化施設においてなされています。ただ収集量は横大路学園の処理能力を超えるため、一部は業者に委託されています。なお、新たに第2工場(平成11年竣工予定)を横大路学園の隣に建設中で、将来には現在の3倍の処理が可能になる予定です。
横大路学園では収集された缶・ビン・ペットボトルの分別作業・プレス加工などが行なわれています。
この処理施設は障害者の授産施設としても機能しています。「18歳以上で雇用されることが困難な者を入所させて、自活に必要な訓練を行なうとともに、職業を与えて自活させること」を目的としています。
Tストックヤードに搬入される。
Uコンベアーに乗せられる。
V破袋機・手作業によりゴミ袋が破られる。
W手作業によりペットボトルが選別される。
Xふるい機・磁選機によりスチール缶が選別される。
Yアルミ自動選別機によりアルミ缶が選別される。
Z手作業によりビンが白と茶とその他に選別される。
B再資源化
横大路学園や業者によって選別された缶・ビン・ペットボトルはそれぞれ業者に売却・引き取られます。
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スチール缶 |
1トンあたり 5,000円で売却 |
業者に売却・鉄骨材等に加工 |
|
アルミ缶 |
1トンあたり120,000円で売却 |
業者に売却・溶解される。→第2次加工業者で自動車や缶に加工 |
|
ビン |
0円で売却 |
業者に売却・カレット化 →ガラスビンなどに加工 |
|
ペットボトル |
1トンあたり100,000円の支払い |
よのペットボトル(指定法人)でペレット化→メーカーにより繊維製品や文房具などに加工 |
(5)「大型ゴミ」の行方
@収集
大型ゴミセンターが電話申し込みにより適宜回収を行なっています。平成9年10月からは区役所やスーパー・コンビニなどで手数料券を購入し、それを大型ゴミに貼付する方法で、有料で収集を行なっています。
A処理
パッカー車で破砕し、クリーンセンター(清掃工場)へ搬入され、焼却されます。残灰についての処理は家庭ゴミと同様です。
→冷蔵庫などの4種類については家電リサイクル法(平成12年施行)ができ、新たにリサ
イクルが法制化されました。
(6)産業廃棄物の行方
@収集
産業廃棄物は第一義的には排出事業者に処理の責任があり、事業者に委託された運搬業者が収集を行なっています。
A処理
一般廃棄物とあわせて処分することに支障のない産廃については、市が処分を引き受けています。紙くず・木くず・繊維くずについては南・東のクリーンセンター(清掃工場)に、ガラスくず・陶磁器くず・土砂・がれきについては水垂埋立立処分場で受け入れています。
それ以外の産業廃棄物は業者が中間処理・埋立などの処理をしています。なお、京都市内に存在する産業廃棄物処理施設は京都市が許可・立入検査を行なっています。
2 課題
(1)全量焼却主義
@有害物質の発生
イ)ダイオキシンの発生
塩素を含む製品を燃やすとダイオキシン類が発生します。
ダイオキシンは低温・酸素不足の時に発生すると言われています。特に300〜500℃で燃焼したときに発生するとされています。京都市では大型焼却炉を用いているため、800〜900℃で焼却しています。ただ、集塵機に集められたときには300℃程度となるのでダイオキシンが発生する恐れがあります。また、さまざまなゴミを1つの所で燃やすと不完全燃焼を起こしやすいと言われています。
参考)大都市での分別の方法比較(粗大ゴミ・有害ゴミを除く)
98年10月現在
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分別方法 |
プラスチックの処理 |
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札幌 |
燃やせるゴミ/燃やせないゴミ/資源ゴミ |
埋立 |
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仙台 |
家庭ゴミ/資源ゴミ |
焼却 |
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千葉 |
可燃ゴミ/不燃ゴミ/資源ゴミ |
焼却 |
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東京 |
可燃ゴミ/不燃ゴミ/資源ゴミ(一部地域) |
埋立 |
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川崎 |
普通ゴミ/資源ゴミ |
焼却 |
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横浜 |
家庭ゴミ/資源ゴミ |
焼却 |
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名古屋 |
可燃ゴミ/不燃ゴミ/資源ゴミ |
埋立 |
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京都 |
家庭ゴミ/資源ゴミ |
焼却 |
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大阪 |
普通ゴミ/資源ゴミ |
焼却 |
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神戸 |
家庭ゴミ/粗ゴミ(燃えないゴミ)/資源ゴミ |
埋立 |
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広島 |
燃やせるゴミ/燃やせないゴミ/資源ゴミ |
埋立 |
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北九州 |
一般ゴミ/資源ゴミ |
焼却 |
ロ)塩化水素の発生
但し、京都市のゴミ焼却場には塩化水素除去装置が設置されているため、京都市では問題とならないとされています。(日本の焼却施設の多くを占める小規模焼却施設の大半にはこの除去装置は設置されていません。)
ハ)二酸化炭素の排出
二酸化炭素の排出は地球温暖化に重要な影響を及ぼします。ダイオキシンとは逆に完全燃焼に近づければ近づけるほど二酸化炭素の発生量が増える、とされています。
ニ)その他有害物質の排出
乾電池や蛍光灯からは水銀が発生、その他プラスチックの着色材や安定剤として使用される各種の重金属(例えばカドニウム、クロム)も排出されます。
A資源の枯渇化
紙や石油を始めとして、地球の資源は限られており、再利用できるものは再利用する必要があります。全量焼却主義は資源をただ消費していくのみで、その点で問題があります。
Bゴミ減量への動きに対する逆行
燃やせばそれで事足りるとするのは、ゴミ減量への動きに妨げとなると思われます。京都市役所リサイクル推進課の人も「1つのゴミ焼却施設がいらなくなるまでゴミ減量をしないと意味がない」と明言していました。このように、現在のように焼却する余地があるとゴミ減量へのインセンティブは薄れると思います。
現在のゴミは市が回収を行なっている缶・ビン・ペットボトルを除いて、故紙、古布、トレイなどについてはリサイクルする余地があります。また、生ごみもコンポストなどを利用して堆肥化することができます。このような意識を育てるのに、現在の全量焼却主義は障礙となると思います。
(2)資源ゴミの回収に伴う問題点
@缶・ビン・ペットボトルを同じ袋で回収することの問題点
再資源化施設「横大路学園」はこの3種類を選別することにほとんどの作業が費やされています。これは缶・ビン・ペットボトルを同じ袋に入れることから生じる問題であると言えます。
また、袋で回収することの問題点もあります。つまり、「横大路学園」では搬入されたゴミ袋を破砕し除去することが最初に行なわれます。この袋は当然ゴミとなり、焼却処分にされます。このように資源ゴミを回収するときに必要のないゴミを産出している、ということができます。
Aパッカー車で回収することの問題点
現在のパッカー車での収集は、ビンを砕くことになります。これは選別作業の危険を意味します。
(3)最終処分地に関する問題
現在の最終処分地(埋立地)は伏見区水垂にありますが、515,000tの埋立地が近く容量を越えます。そのため現在、山科区に東部山間処分場を建設中です。これは処分地面積240,000tの処分場で、このままのペースでゴミが排出されると、20年後にはこれも処理容量を越えることになります。
最終処分地を作るには、自治体側からすると、用地の確保、地権者との交渉、周辺住民との合意、環境対策、財源などのさまざまな問題をクリアーしなくてはいけません。また住民の側からしても近くに埋立施設ができることは決してうれしいことではありません。
この最終処分地を少しでも延命させるためにはゴミの減量が必要不可欠となります。
3 排出量を減らすために
以上見てきたように、ゴミは焼却量を減らすこと、埋立量を減らすことが最終目標である と言えます。そのためにはどうすれば良いのでしょうか。
まず自治体として取り組むべきこととして (1)資源化 (2)分別
(3)ゴミの減量について、私たち自身が取り組むべきこととして (4)「消費者として」を取り上げます。
(1)有用資源の資源化
@資源化
現在、京都市は缶・ビン・ペットボトル以外は焼却処分しており、缶・ビン・ペットボトルはリサイクルしていますが、この建前上リサイクルしている3種以外にもリサイクルできるものはあります。
例えば、プラスチックはペレット化して再生容器に加工したり、減容固化して燃料として再利用することが可能です。実際に、各店舗で回収を行なっているトレイは再生容器に加工されていますし、燃料として再利用している自治体もあります。その他にも様々な再生方法が研究されており、プラスチックの資源化はいっそう進むと思われます。
また粗大ゴミも、現在は破砕・焼却処分されていますが、プラスチック類や金属類については資源化が可能です。紙類についても同様です。
資源化は焼却量や埋立量を減らすために有効な手段であると言え、また限りある資源の利用という面から見ても必要です。そのために自治体は分別収集することも含めて検討すべきだと思います。
A再生資源の経済的価値の低下
一言で資源化とは言っても、そこにはコストの問題が関係してきます。現在、再生資源は経済的な価値が低下してきており、リサイクルに取り組む産業が独立では運営できなくなっている分野(例えば一部地域の紙再生業者など)もでてきています。このまま資源化されないのであれば、いくら分別収集したところで意味がありません。
そこで、そのリサイクルにかかる費用を負担する必要があります。その負担する人として考えられるのが、消費者とメーカーです。
消費者に対してはゴミ処理料を支払うことや、製品価格に預かり金を上乗せして使用後に所定の場所に戻されたときにその預かり金を返金するというデポジット制度をとりいれて、負担させることが考えられます。
また、メーカーに対してはそのような製品を作ったこと、またはそのような製品を使うようなものを作ったことに関する費用を負担させることが可能です。その費用を国または自治体が回収し、リサイクル産業全体に補助金として支出すれば、コストの問題は解決し、リサイクルがいっそう進展すると思います。またバージン原料を使った製品に税金を多くかけるという方法も考えられます。
(2)ゴミの分別
ゴミの排出量を減らすためには分別回収が必要になります。これは (1)の再資源化のために必要となるのみならず、ゴミの排出量を減らすという住民の意識の向上につながると思います。また、ゴミの排出量を減らすことと直接には関係しませんが、『課題』に上げた有害物質の発生抑制のためにもゴミの分別は必要になってきます。
@住民の意識の向上
ゴミを処理する段階で埋立地・焼却場の確保や安全性などで様々な問題が起きているのに、私たち市民が日頃あまり意識せずにゴミを排出できてしまうのは、廃棄物処理が私たちに「見えない」ものとなっているからです。しかし、ゴミを細かく分別して出すことになると、市民の意識も変わると考えられます。分別することで、ゴミ処理の一端に関わることになります。また、何でも一つにまとめて出すのとは違い、手間をかけて分別するからには、その分別の意味やその行き先を自然と考えるようになるのではないでしょうか。すでに一部の地方の自治体では、分別を細かく規定して回収が行なわれていますが、細分別を開始した後では、ゴミの排出量に減少傾向が見られるようです。京都市も昨年から資源ゴミ回収を始めましたが、缶もビンもペットボトルも一緒にまとめて回収している現状では、意識の変化にまでは至らないでしょう。現在の資源ゴミに関し てもさらに細かく分別回収する必要があります。
A有害物質の発生抑制
地方の自治体ではゴミの処理の予算や焼却炉の容量・性能が都市部に比べ劣るなどという理由から、細分別をする必要がありました。逆に京都市は「焼却炉の性能が良く、なんでも燃やせるので、分別を細かくする必要があまりない」ために分別が徹底されていません。しかし、現在はダイオキシンなど焼却炉から排出される有害物質が社会問題となっている時代です。そのため今後は、「全量焼却主義」から「燃やしてよいものだけを燃やす」方針へと転換し、有害物質を出さない努力をすべきです。そのためには、回収する際の分別も必要となります。
B「資源ゴミ」について
何度も出てきているように京都市では(その他多くの自治体でも)缶・ビン・ペットボトルが同じ袋で回収されています。これには前述のような問題点がありました。
そこで、住民がステーションにゴミを出す段階で資源ゴミをスチール缶とアルミ缶、色別にビン、そしてペットボトルに、分別すべきだと思います。このことにより住民のリサイクルへの意識も高まり、再資源化施設の手間が減ると考えます。確かにスペースと回収の手間の問題がありますが、大都市でも名古屋市や仙台市、東京都の一部などではそのような回収が行なわれており、決して不可能ではなく、自治体の意識次第であると言えます。
また、分別排出する際に袋ではなくカゴで回収することも必要になります。これは袋というゴミを減らすということやトラックで回収することによってビンが砕けることが少なくなる、「ゴミ」としての感覚ではなく「資源」として、きれいにして排出するきっかけとなるなどのメリットがあると思います。
(3)ゴミ減量への取組み
@家庭系ゴミについて
ゴミの焼却量・埋立量を減らすためにはゴミを減量することも必要となってきます。 ゴミ減量については排出者の意識改善が第一義的に必要ですが、そのインセンティブとなる制度を自治体が作ることは有効であると言えます。
イ)ゴミの有料化・ゴミ袋の指定
例えばその制度としてあげられるのが、ゴミの有料化です。現在のところ、粗大ゴミを除く家庭系ゴミはすべて無料で回収されていますが、これを有料化すれば、ゴミの排出量が減る動機となると思われます。問題となるのは料金算定の基礎となるゴミの量の算出方法ですが、それはゴミ袋を指定し、さらに有料化することで解決できると思います。さらにゴミの有料化により不法投棄が増えるのではないかということが懸案として残ります。これは住民のモラルと住民間の監視に解決を委ねるほかないと思います。
またゴミ袋に関しては、現在京都市ではゴミ袋の指定はなされていませんが、透明のゴミ袋の指定を行なうべきだと思います。現在、ゴミ袋の色は決められておらず、中身が見えない袋もあるため、「家庭ゴミ」に缶・ビン・ペットボトルなどが混ぜられることや「資源ゴミ」に他のものが混ぜられることもあると思います。それを避けるためにも透明ゴミ袋の指定が必要となります。
ロ)排出者の責任の明確化
さらにゴミ減量のために排出者の名前を記載することを義務づけることが必要となると考えます。各人の責任を明確にし、ゴミ排出の意識を高めるためにも指定透明ゴミ袋の導入と氏名記載が検討されるべきです。
ハ)排出者へのチェック
このように自己責任の明確化が必要なのですが、排出者の名前の記載にはプライバシーの問題がかかってくるなど困難な問題があります。そのため排出者へのチェックとして、ゴミ置場に立会人を設けることが考えられます。住民が交代でその役を行なうことになります。その前提として、京都市では現在70%程度しか実施できていないステーション方式(定点方式)への切り替えを進める必要があります。
A事業者に対する指導の強化
現在京都市の一般廃棄物のうち3分の1は事業者が排出するゴミとなっています。この事業者が排出するゴミを減らすために京都市は「京都市廃棄物の減量及び適正処理等に関する条例」に基づいて事業者に対する指導を行なっています。
具体的には大規模事業者は年に1回「事業系廃棄物の減量に関する計画」を提出し、また報告書を提出することになっています。しかし減量計画が守れなくても罰則はなく、実際には報告書は自己申告に留まり、甚だ不徹底なものとなっています。
これを是正し、自治体は積極的に立入調査を行ない、悪質な事業者には課徴金を課すなどの厳然とした措置が必要になると思います。
(4)消費者として
それでは、私たちは消費者=ゴミの排出者としてどのようなことをしなくてはいけないのでしょうか。
@分別
まずは家庭系のゴミとして出す場合には各自治体の分別方法に依拠してゴミを出すことが最低条件です。京都市では「資源ゴミ」には缶・ビン・ペットボトルしか入れてはいけないのですが、注射針や布類なども運ばれてくることもあるようです。この点で、定期収集のゴミに出す場合は、その自治体のルールにしたがった分別方法で排出する必要があります。
自治体が回収するゴミで全ての分別ができればいいのですが、しかし残念ながら、例えば京都市では缶・ビン・ペットボトルしか分別収集されていません。そのためプラスチックなどを分別しても意味がないということになります。従って、牛乳パック、トレイなどはスーパーなどの店舗前に置いてある回収BOXへ、古新聞紙、古雑誌、布類などは廃品回収へ出すことが必要になります。また、庭のある人は生ごみはコンポストに入れて堆肥化することも一つの手です。他にも、ビールビンなどのリターナブルのビンを京都市の「資源ゴミ」として排出すると(自治体によって様々ですが)、リターナブルとしては使われず、砕かれて他のワンウェイのビンと同様に扱われることになります。そのためリターナブルビンは回収している店に持ち込むことが必要です。
このように自治体が分別収集することを待たずとも、各自で分別を行なうことでゴミの減量を行なうことが可能になります。
A使い捨て文化の見直し
現在のゴミ問題は、私たちが使い捨てを当然と思い、ゴミの処理は自治体の責任であると考えて自由にゴミを排出し続けてきた結果起こったものであると言えます。
この使い捨て文化を見直すためには私たち自身の意識の変革が必要とされます。
B例えば…。
とは言っても実行するのはなかなか難しい。
例えば、こんなことをしてはどうでしょうか。
1.分別
@で述べた通りです。市町村のルール通りの分別排出をする。それ以外のゴミは、古新聞紙・古雑誌・布類は廃品回収へ、牛乳パック・トレイはスーパーなどの回収BOXへ、ビールビンなどのリターナブルビンは購入した店へ、それぞれ出すことをすべきです。
2.包装の少ない商品を買う。
3.買い物袋を持参する。
塩素を含むビニール袋は燃やすとダイオキシンが発生します。買い物をしたときにはビニール袋を断ることを心がけてはどうでしょうか。
4.リサイクル商品を使う。−再生紙・エコマーク商品など
例えばあなたが大学生なら、コンビニのコピー機ではなく、生協の再生紙を使ったコピー機を使うようにしてみませんか。
5.ダイレクトメール・新聞折り込み広告の拒否
ダイレクトメールは送り返すことで、新聞折り込み広告は新聞販売店に断わることで拒否することができます。ゴミを減らすため、また紙資源の節約のために不要なダイレクトメール・広告は断ることも必要なのではないでしょうか。
6.計画通りの買い物
生ゴミは無計画の買い物から生まれることがあります。買ったはいいけど調理することなく捨てられる食材。これを避けるためには計画性のある買い物が必要になってきます。
7.飲料容器の選択−ペットボトルは買わない。
現在は飲料容器としては、アルミ缶・スチール缶・ビン・ペットボトルが使われています。どれを選ぶべきかは一概には言えないのですが、リサイクルということからすると、少なくとも現在のところペットボトルは使うべきではないと思います。
ペットボトルはリサイクル率は未だ10%程度にとどまっており、また再生原料も新品の原料より価格が高く、リサイクルルートが十分に確立しているとは言えません。これらの点が解決されるまではペットボトルは「ゴミ」として処分されるのみであり、ペットボトル使用の飲料は買うべきではないと思います。
4.最後に
21世紀がゴミに埋まった時代になるか、それともゴミを減らして資源をリサイクルする社会になるかは私たちの行動にかかっています。
自分たちのできることから始めてみませんか。