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| 1.塗料すりかえ事件 | 2.それから | 3.寿命すりかえ事件 | 4.隠ぺいの森 | 副読本 | 資料 | 経緯 |
| 2009.2.28 | 隠ぺいの森 第12章 真夏の夜の夢 (6)ドイツ官僚恐るべし | あゆみ(更新履歴) |
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作成 2004.01.31
修正 2007.10.15
「詐欺をやる,誤魔化しをやる,ペテンに掛ける,滅茶苦茶なものであります.」 これは夏目漱石が『私の個人主義』の中で,外交について評した言葉です. 外交においては,もしだまされたならだまされた側の責任です.相手国の誠意のなさを責めても無駄です. だまされた側の政府,外交官はプロとして自らの無能を恥じなければなりません. 同じ論理を旭化成や官僚や専門家は消費者に対して適用します.だまされる方が悪いのです. 「だまされたら1度目は相手が悪い,2度目は自分が悪い」という英語の諺があるそうです. 1度もだまされたことのない,あるいはだまされていることに気づいていない知らぬが仏が,悪いわけでは無論なく,だました方が悪いのです. 『知らぬが仏』は次の4つから構成されています. 1.塗料すりかえ事件私は90年に旭化成ヘーベルハウスで家を建てました.8年半後,旭化成のリフォーム子会社に依頼して外壁を塗り替えた時,1の塗料すりかえ事件が起こりました.事件発覚後,「旭化成本体」は驚くべき対応をしました. 旭化成のリフォーム事業は,信用を売り物にしながら実は単なるピンハネ商売であるという矛盾を抱えていました.その矛盾が塗料すりかえ事件となって現われたのです.旭化成のリフォーム工事の契約がいかに詐欺的であるか,そしてそれが発覚した時,「旭化成本体」がいかに隠ぺいに走ったか,1の塗料すりかえ事件で詳しく述べました. 1の塗料すりかえ事件は,03年時点でまとめたものです.4年後に全体をまとめなおしたものが,4の隠ぺいの森の第9章国家的隠蔽と旭化成の詐欺隠蔽の中に「塗料すりかえ事件07年版」として登録してあります.2の「それから」には,旭化成の全面広告の話とか,防水シートの話とか,漱石の「坊ちゃん」の話などが入っています.「それから」は二つの事件の間の間奏曲のようなものです. 3の寿命すりかえ事件の最初の舞台は旭化成の全面広告でした.私は広告が詐欺的であることに気づきましたが,一冊の本にめぐりあい我が家の基礎に出ている白い粉の正体を知ったことから,広告の詐欺性が非常に深いところに根ざしていることがわかりました. 4の隠ぺいの森は,もともと寿命すりかえ事件のエピローグとして書いていたものです.しかしエピローグ執筆中に姉歯ショック(耐震偽装問題)という建築行政の根幹を揺るがす大事件が発生し,寿命すりかえ事件の枠に収めるのが無理になったため,独立させました. 寿命すりかえ事件のエピローグという意味では隠ぺいの森の第10章 「福田総理,200年住宅って何ですか?」がそれに当たります.3と4は,広告の文章から出発して,建設官僚,建設業界,御用学者が結託して全消費者を相手に仕掛けたペテンの存在に気づくまでの,紆余曲折の道のりを述べたものです. 半世紀前にチッソ(旭化成の親会社)が起こした水俣病事件で嘘をついて真実を隠し世間を欺いた構図がまた再現していることがわかります. このサイトの存在は早い段階から旭化成に通知しています.匿名子から「忠告」メールが数度来ましたが,旭化成から抗議を受けたことは一度もありません.抗議どころでないことはお読み頂ければわかります. <本文以外について> 上記本文以外に途中生産物がいくつかあります.「30年目問題」,「隠蔽文書」,「隠蔽工作」の3つは,事件の中間調査報告書のようなものです.「楔(くさび)」,「ブランド神話の崩壊」,「知らぬが仏(第一部)」,「知らぬが仏(第二部)」そして「雑」は,副読本のようなものです.気が向いたらお読み下さい. <その他のご注意> レイアウトはブラウザー(IE)のフォント小で最適化しています. ジャンプしてからの戻りにはブラウザーの「戻る」をご使用下さい. タイトル下のインデックスは必要に応じてご利用下さい. このまま下にスクロールすれば,1の塗料すりかえ事件に入ります. 大阪府 安東利彦(TA老・たろう・ぷうたろう)
(e-mail:andot@beige.plala.or.jp) |
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旭化成のイメージ確立戦略(CI)の主役をご存知ですか.イヒという奇妙な言葉です.(信じられない方はこれをどうぞ.) イヒは「旭化成の真ん中からはじまった」のです.化→イヒ,つまり旭化成の真ん中の化という文字を分解してできたのです.(02年元旦の日経掲載の全面広告より.左の写真はその一部) イヒとは「ひらめきの音」です.なにか思いついてイヒ!またなにか思いついてイヒ!という風に使います.(『あッひらめいた.イヒ!』) イヒは旭化成のシンボルです.イヒヒあるいはイッヒッヒの方がわかりやすいのですが,ちょっと露骨すぎるという欠点があります. 「イヒ!は英語でブレイクスルー!」だそうですが,これはまちがいなく誤訳です. |
作成 2002.12.17
修正 2003. 7.14
塗料すりかえ事件
1.ヘーベルハウス30周年
3月に販売開始し,契約・設計・施工後の秋に記念すべきヘーベルハウス1号棟が客に引き渡され,ここを起点に2002年秋が30周年です. 年表の他の個所では,右のように同じ月に発売されたものであっても製品名の後に発売と書かれています. ところが年表先頭のDシリーズには発売の2文字が見当たりません. もっとも目立つところでうっかりミスしたとは常識ではまず考えられません. 旭化成にとって発売の2文字がここに存在することは,絶対に,まずいのです.なぜでしょうか.
「30周年記念特別号」に1972年3月Dシリーズ発売と真実を書けば,この全面広告と辻褄が合わなくなるのです. なぜなら全面広告では,1971年7月完成のDシリーズそっくりのプレハブ住宅が,ヘーベルハウス(登録商品名)として登場し「顧客」とともに主役を務めているからです. Dシリーズはヘーベルハウスの顔とも言うべき存在です.もし1971年が販売開始の年なら,歴史が1971年から始まらなければならないことはもちろんです.旭化成は増築試験のための試験棟および試験協力者を持ち出して『30年目点検異常なし』と叫んだのです.白昼公然と全国の消費者相手にインチキしたのです.そして・・・このインチキは広告の中身が詐欺まがいであることの一つの表れにすぎませんでした. 家というものは手入れを怠らなければ長持ちすることは誰でも知っています.ヘーベルハウスを建て,「建てた後」も旭化成に任せれば,これこのとおり30年経っても顧客は大満足していると,旭化成は宣伝しました.広く一般消費者に対して旭化成がいかに信用できる会社であるかを宣伝したのです.インチキして.(詳細は『30年目問題』参照.) 『30年目点検異常なし』全面広告は旭化成が信用できない企業であることを証明しています.なぜこうなったのでしょうか.金のなる木のリフォーム事業が,インチキ事業だからです. 旭化成は1984年にリフォーム会社を設立しリフォーム活動を本格化しました.この時期は初期ヘーベリアンの外壁補修,防水シート補修の時期に重なります. 旭化成リフォーム事業の主たる収益源はこれらの外装リフォームです.内装リフォームではありません.内装は旭化成に頼まなくてもできると素人客にもわかるからです.旭化成は定期点検というアフターサービスを最大限活用しました.旭化成傘下の工事店はアフターサービスの名のもとに定期的に客の家に上がりこむことができます.これは営業上たいへんな強みです. 定期点検以外に客の方から旭化成に声をかけてくることもあります.我が家のケースはこちらです. 2.塗料すりかえ詐欺 そもそもの発端は我が家の2階軒下天井部に径十数センチの穴があいたことです.(経緯表参照.経緯表は別ウィンドウに表示されます.) 私は旭化成に修理を依頼しました.旭化成の上着を着た工事店社員が現場を見て補修費用を見積りました.旭化成社員二人の承認印付見積書の見積は20万でした.高すぎる事は素人の私にもわかりました. 工事店社員は外壁の塗り替えをすすめ(我が家は築8年でした),穴の修理はサービスにするといいました.この見積(1回目見積)の価格は166万(消費税別)で塗料は弾性タイルというものでした. 話にならないほど高いと私は感じました.工事店はどんな塗料を扱っているのか説明しませんでしたので,希望だけ出しました. こうして旭化成が選んでくれたおすすめ塗料・・・見本が間に合わないほど発表直後の新製品・・・が,2回目の見積書に姿を見せました.見本はありませんでした. 価格はどうなったでしょうか. 価格は1回目見積と同じでした.外回り付帯工事は工事店の無償サービス,つまりおまけだというのです. おまけは旭化成には内密にしてくれと工事店はいいました.実質値引きに応じたと私は思いました. 1回目見積はダミーのふっかけ見積で2回目見積が現実だと思ったのです. 私は注文書に署名捺印しました.新築時の契約と比べて実に簡単な契約だと思いました.注文書のコピーはありません.注文書は見積書と同一内容ですから見積書がそれに代わるものだと考えられます.そして後日旭化成から請書が返ってきました.見積書と同じ明細で旭化成の記名捺印があり印紙が貼ってあります. 注文書にサインした日は98年10月16日だと思われます.(これについては後述します.ちなみに見積書発行日付は10月13日,請書の発行日付は10月19日です.) 工事は旭化成の都合で遅れ,12月に行われました.(その間に小さな台風が来てその直前に軒天穴の修理が行われました.穴が開いたままでは風が吹き込んで危険だということでした.穴の修理がどのように行われるのかその時わかりました.) 年末に最後のガレージ塗装が終わりました.その時塗装職人の親方格の人がガレージではなく本体を見ながら言いました. 「あの塗料,在庫を探すのに苦労しました.ひさしぶりにあれでやらせてもらいました.あれはあれでいいものですね.」親方の一言は一瞬私の胸に黒い影を落としました. その日は土曜日で家でごろごろしていた私に妻がちょっと挨拶したらと強制したのが親方と会話したきっかけです.職人と会話したことはそれまでありません.疑いを持つということと疑いを口にするというのは別です.思い切って疑いを口にできる状況が生まれました. 年が明け2月11日に2階天井からかなりの雨漏りが発生しました.雨漏りは工事の際工事店が屋根の防水シートにつけた傷が原因であることがわかりました.「我が家で使われた塗料はなんですか」 旭化成社員は答えました. 「サラテックスです.メーカーは違うかもわかりませんがサラテックスです.」発表直後の新製品だと聞いていたリウォールWという塗料が使われていないことがわかりました.99年2月22日のことです.契約塗料と異なる塗料名を,旭化成社員が,口にしました.これは忘れてならない大切な点です. 工事店は客をだまして契約をとりました. おまけは旭化成に内緒だというのがうそでした.工事店は塗料を旧製品にすりかえて施工したのです. 見本は新製品ではないことがばれないように見せなかったのです. 客が保管している契約書の塗料はもちろん新製品です.工事店は旭化成におまけがどれだけかかるか報告しました.そして 工事店が旭化成に提出した契約書には<旧製品に変更>と書かれていました. 工事店は契約書を改ざんして旭化成に提出していたのです. 旭化成は不良在庫の旧製品塗料の使用を承認しました.もちろんおまけ工事に配慮したからです. 工事店はおまけをてこに客と旭化成の双方をだまし (新製品+おまけ)は(おまけ+旧製品)にすりかわりました.詐欺です. 新製品は10ヶ月前から販売されていました.発表直後ではなかったのです. 3.打合せ記録書という名の契約書 契約書は簡単に改ざんされました. 簡単に改ざんできるようでは契約書として失格であることは言うまでもありません. 旭化成の契約書は,なぜ,そうなっているのでしょうか? 旭化成の契約書は正規契約書[注文書・請書]と補足メモ[打合せ記録書]から構成されます. 客が見積に合意した時,見積書と同一内容の注文書に署名捺印して旭化成に提出します.後日旭化成から旭化成の記名捺印入りの請書が返ってきて契約成立です.見積書・注文書・請書はコンピュータ出力帳票が使用されます. 見積明細書は,見積書だけでなく,注文書・請書にもこのまま完全に同一内容で記載されています.これが旭化成の契約システムの基本仕様です.この基本仕様は客が見積に合意するまで,見積書を再発行するという前提に立っています.この当然の前提はしかし守られていませんでした. もう一方の打合せ記録書は手書きです. 打合せ記録書は,そのカーボンコピーが客に手渡された後,原紙が旭化成に提出されます.この原紙が改ざんされました.
<サラテックスに変更>と書かれていることはまちがいないと思われます. 客先から帰ってきた悪徳業者の営業担当が,2月22日旭化成社員はサラテックスだと答えました.サラテックスであることを隠すべきことと思っていなかったことを示しています. 契約書は客が合意した証(あかし)です.契約書に書いてあったからこそ,旭化成社員はサラテックスへの変更が顧客承知の上であると思い,サラテックスであることを隠さなかったのです. 塗料変更のパターンを整理しておきます.(契約書は打合せ記録書,RWはリウォールW,SXはサラテックスを各々指します.) 4.詐欺成立の三つの条件 旭化成は工事店が見積もったおまけ費用に配慮して,サラテックスへの変更を承認しました.おまけの代償として安物塗料使用を承認したのです. 客におまけは無償だと工事店が言っていることを旭化成は承知しています.無償だと信じる客は常識のない客であり,無償だとうそをつくことは旭化成にとって許容範囲内のセールストークです.さて旭化成は打合せ記録書コピーにも<サラテックスに変更>と書かれていると思いました.<サラテックスに変更>を客が変だと思っていないと,旭化成は考えていたことになります. 客が性能の良い塗料を希望し<発表直後のリウォールWという名の新製品で契約に応じた>ことを工事店が旭化成に報告していないことは明らかです.旭化成はサラテックスがリウォールWより数等安物であることを知っています.そしておまけは客には無償となっていることも知っています.つまり<サラテックスに変更>がおまけの代償として行われたと客は思っていないことを旭化成は知っています.にもかかわらず<サラテックスに変更>を客が承知したと旭化成は思いました.なぜか. サラテックスが安物であることを客は知らないと旭化成は考えているからです. 工事店はどんな塗料を扱い特徴が何であり価格がいくらかを自分から説明することはありません.客が質問した場合にだけ口頭でイエスかノーで答えます.(資料は使用しません.) 1回目の見積で目地コーキングが46万という法外価格になっているのは,軒天修理分が20万入っている為だと考えられます.(目地コーキング費用は,東京の旭化成に問合せたところ十数万です.) 軒天修理費は,外壁塗り替えを前提にするとボード半枚の材料費,そして二人で半日の工賃だけであることがわかりました.せいぜい数万です.それが20万に水増しされ,さらにそれが全然関係のない目地コーキング項目に組み込まれました. 素人は目地コーキングに実際いくらかかるのか知るまいと考えているからこそ,『開口部他養生及び目地コーキング』は46万と堂々と旭化成の印の入った見積書に出ているのです. 開口部養生というのは塗料がかからないように,窓にビニールシートを貼ることです.簡単な作業で費用はごみです.(金のかかった足場があることを忘れないで下さい.)<開口部他養生及び目地コーキング46万>も<サラテックスに変更>も心は同じです.一方はおまけの分水増しされ,もう一方はおまけの分塗料のグレードが下げられました.いずれも客が素人であることを前提にしているのです. 旭化成のおまけの扱いはこうして旭化成は打合せ記録書に<サラテックスに変更>と書いてあることに疑問を持ちませんでした.客は<サラテックスに変更>を承知していると旭化成は思いました.詐欺が成立する条件その1がこうして満たされました. 旭化成は契約を守っていました. 旭化成の業務慣習では,客の署名捺印の入った注文書より打合せ記録書が優先するのです. 塗料変更は価格に大きく影響する重大な変更であり当然見積からやりなおすべきです.しかしここは百歩譲ってこんなやり方もあると認めることにします.つまり注文書はそれだけでは意味がなく打合せ記録書とセットになってはじめて「真の注文」になるという考え方です.「真の注文」に対する請書を返すことは旭化成の当然の義務です.しかし旭化成の考えは違いました. 請書は記載された明細で工事を請負ったことを証明するものです. 左がその請書です.(クリックすると拡大されます.) 私は2回目の見積に合意し注文書に署名捺印しました.これはそれに対する請書です.塗料は新製品になっています. 打合せ記録書と違い,記名捺印があり,収入印紙が貼られいかにも契約書然としています. しかしそれは格好だけです. 打合せ記録書の日付は10月16日です.(注文書の日付も同日だと考えられます.)請書の発行日付は10月19日です.旭化成は打合せ記録書によって旧製品に変更されたことを知っています.にもかかわらず,請書は新製品で発行しました. 驚くべきことに,旭化成の請書は「真の注文」に対する請書ではないのです. このうさんくさい手順になった背景は,次のようなものだと推測されます.安物塗料サラテックスで166万という記名捺印入り請書は,旭化成にとって発行したくないものです.あくどい商売の証拠が紙として残るからです.一方工事店にとっては,サラテックスで請書を発行することは,絶対に避けなければならないことでした.こうして正しい請書を発行しない点に関して,旭化成と工事店の利害は完全に一致しているのです. 以上はイヒ流の話です.旭化成流つまり旭化成が工事店にだまされていない場合の請書はどうでしょうか. もし旭化成流の請書が旧製品だとすると旭化成は<場合によって>二種類の請書を使い分けしていることになります.旭化成は工事店の詐欺を知らない筈ですから,旭化成流とイヒ流で旭化成が異なる業務手順をとることはありえません.したがって旭化成流の場合も請書は新製品です. 旭化成では請書は常に注文書に対応するものを発行しているのです. 旭化成はこれまで一度も「真の注文」に対する請書を発行したことがないのです.旭化成は最重要仕様である塗料に関し,施工塗料ではない塗料で請書を発行しています.これは弁明の余地のない行為です. 旭化成の契約書の核心は,正規契約書ではなく打合せ記録書という手書き文書です.真実は手書き文書の中にだけ書かれています. これが詐欺成立の条件その2です. 旭化成と工事店は請書に関してうさんくさいことをしているという共犯意識を持っています.ところが旭化成にとって驚くべきことに,工事店はさらにうさんくさいこと,打合せ記録書改ざんまでしていたのです.相棒がそこまでやるとは夢にも思わなかったところが,追記という単純手口で詐欺が成功する盲点になったのです. 旭化成流は次のように重大な変更をうけます.正しい請書を発行するケースをまじめ流として追加しました. 詐欺成立にはもう一つ重要な条件があります. 工事店は,客にはこう言い旭化成にはああ言っています.工事店にとって客と旭化成が直接接触する機会があってはならず,客と旭化成を繋ぐものは契約書だけでなければならないのです. 旭化成のリフォーム業は,商談から検査まで実務一切が工事店に丸投げされます.旭化成社員は客の家に来ることはおろか,電話一本かけてこないシステムになっています.旭化成は,工事店の言うままに,見積書・請書に印を押すだけのお飾りの存在です.これが旭化成のリフォームコーディネーター(事件後はリフレッシュコーディネーターと改名?)制です. この驚くべき手抜き制度によって,工事店がやる気なら詐欺がまちがいなく成功する条件が整いました.旭化成は工事店に詐欺して下さいといわんばかりの環境を提供しているのです.詐欺は決死の思いで実行されたのではなく,工事店は安心して詐欺を働いたのです. 旭化成社員が詐欺を知らなかったのは本当かもしれません. 詐欺の舞台は整いました.あとは動機です.詐欺に最適な環境があっても必要がなければ詐欺は起こりません. ブランドの力(あるいは宣伝の力)を過大評価している旭化成は, 旭化成のリフォーム子会社の社長(当時)は事件発覚直後の手紙で「ご指摘を極めて重要と受け止め,弊社内に於いてその内容をもとに事実確認,問題点,今後の改善点を話し合いました」と率直に述べられました. 事件を通じて「普通の日本語」を使われたのはこの方だけです.しかし旭化成という組織の中にあって彼の見解は単なる個人的見解にすぎませんでした.子会社社長は問題点の多さにきっと驚かれたことでしょう.しかし残念ながらいくら反省しても,最後はジレンマに陥ったと思われます.業務を改善して詐欺をなくせば,旭化成の売上は確実に落ちるからです. 詐欺は法外価格の契約をとるために決行されました.工事店はそれ以上に悪質なことをしたわけではありません.工事店は旭化成の基準に照らせば価格に見合った適正な工事を行ったのです. 法外価格を設定しているのは旭化成です.そして法外価格になっているのは旭化成が目をむくほどピンハネしているためです.全体価格の4割が旭化成の取り分であると私は推定しました.根拠は地場業者のパンフレットに掲載された塗料別価格表です.(『隠蔽工作』参照) ピンハネが2割なら私の推定では契約を正しく履行できると思われます.きちんとできるはずなのに,工事店は安物塗料にすりかえて,その分工事店がもうけたという話になります.ピンハネ4割なら我が家の契約価格166万の6割,ちょうど100万で工事店が一括請負っていることになります.100万では新製品塗料でおまけをつけると赤字になります.契約をとることが至上命令であれば,客をだますしか道はありません.詐欺は必然です. 工事店が手配する職人はていねいな仕事をします.工事店が100万で請負った工事は100万分の値打ちがあると考えられます.それを旭化成は166万で売っています. 5.無知につけこむ詐欺師 外壁塗り替え工事において,素人に対するだましは次の2箇所で発生します. 顧客希望 ---(1)--→ 塗料選定 ---(2)--→ 施工1でだますのが旭化成流,2でだますのがイヒ流です.旭化成の業務システムはどちらにも対応できる構造になっています. 顧客希望は次のように分類されます.旭化成流の場合,正規契約書の塗料が変更され,変更された塗料が何であるか客は知らされています.「色と金」の素人がどうして塗料変更を承知したのでしょうか.たとえば次のような状況が考えられます. 「私やっぱり今のスタッコ模様がいいわ」工事店社員はアドバイスします. 「スタッコ模様はサラテックスという塗料でしかできません.サラテックスは今回提案させて頂いた塗料より高いのですが,もし是非にということなら同じ値段でサービスさせて頂きます.」工事店は<サラテックスに変更>と客の見ている前で,打合せ記録書に書きます. 塗料名を隠す必要はありません.したがって打合せ記録書先頭の仕様欄に<サラテックスに変更>と書きその他特記欄には理由を書く,これが自然です.一方イヒ流の,仕様欄は注文書と重複して新製品を書き,その他特記欄で旧製品に変更というやり方はいかにも不自然です.その不自然さに旭化成社員は気付いていないのです.工事店は最後に付け加えます. 「用意してきたこの注文書は新製品ですが,ひとまずこれにサインください.」こうして<顧客希望>はサインの入った注文書ではなく打合せ記録書にFixされました. 「色と金」の客が塗料変更を承認する過程のどこかで,顧客希望と塗料のリンクすなわち「スタッコ模様はサラテックスという塗料でしかできません」の類(たぐい)が必要です.ここは大切なところで「だまし」の現場です. 旭化成の公式サイトのリフレッシュ事例では「既存下地のタイプに応じて最適の塗料を選択して塗装します」と書かれています.塗料は客が選択するのではなく,旭化成が「既存下地のタイプに応じて最適の塗料を選択」とはっきり書いてあります.もし「スタッコ模様はサラテックスでしかできない」あるいは「サラテックスは新製品より高い」と言ったという証拠が存在すれば,詐欺です.なぜならどちらも真っ赤なうそだからです.しかしもっとあいまいにサラテックスは顧客希望を満足させる最適な塗料で実績あるものだと説明していれば,詐欺であることを立証することは困難かもしれません. 不動産の場合,物件説明書というものがあり業者はその説明を義務付けられています.物件説明書は記載内容が法的に定められています.ところが塗料に物件説明書はありません.なにを説明してもいいのです.あるいはまったくなにも説明しなくてもいいのです.すべて業者がどれだけ良心的かにかかっています.
さて旭化成流でもイヒ流でも客が蒙る経済的損失は同じです.しかし旭化成から見れば,両者の間には天と地ほどの差があります.客が塗料変更を承知したという一筆があるかないかの差です.その差はばれた時明らかになります. 一筆ある旭化成流の場合,客のクレームは塗料変更は確かに了承した,しかしその時うそを言ったではないかとなります.うそを言った証拠は録音でもしていない限りありません.(物件説明書はないのです.)つまり旭化成流では安物であることがばれても「言った言わない」の泥沼にもつれこむのです. 一方イヒ流ではそうはなりません.サラテックスは高いと言ったじゃないかというクレームではなく,サラテックスとはどういうことだ,なぜ契約を守らんのか!というクレームだからです. 旭化成は馬鹿ではありません.自分たちの商売がうさんくさいものであることを十分に承知しています.そしてずる賢いことにばれた時客に対抗するための保険をかけながら商売しているのです.その保険がまさに打合せ記録書です. 正規契約書である請書はもっともらしい顔をしています.第三世代塗料で166万です.第一世代塗料で166万というおかしな請書はおそらく一件もないでしょう. 請書は仮面です.そして素顔である打合せ記録書は問題が発生し客ともめた時に 私は契約書です,署名捺印こそありませんが法的には契約書と同等です,そんなこともあなた知りませんでしたか,イッヒッヒ・・・とそのうさんくさい正体をはじめてあらわすのです. 旭化成流で打合せ記録書が威力を発揮するのは,それが顧客意思を反映しているからです. 見積明細に法外な旭化成取り分(ピンハネ分)がブランド料あるいは工事監督料あるいは仲介手数料という形で明示されていない以上,そもそも旭化成のリフォーム工事は全件すべて詐欺的です.そして もし詐欺が我が家の一件だけだとすれば,旭化成は「色と金」の素人だけを選択して保険をかけながらきたない商売をしています.高齢者相手にいかにも親切そうな顔をして近づき大切な蓄えをだましとる詐欺師とその本質は同じです. 6.徹底隠蔽 前章までの結果をまとめておきます. 事件は99年4月の旭化成経営会議に諮られました.異例の早さです.しかし事が契約書改ざんによる詐欺事件であることを考えると当然といえば当然です.そして旭化成は徹底隠蔽を機関決定しました. 隠蔽工作は次の二方面で行われました. 事件発覚直後の99年3月8日の夜,客・旭化成・工事店三者の話合いが持たれました.三者が一堂に会した最初で最後の話合いです. 旭化成は工事店社員が見本を見せていない重要な事実をこの席で初めて知り,客が持っている打合せ記録書のコピーに<サラテックスに変更>が複写されていないことを確信しました.そしていきなりちょっと一筆頂きたいと言い出したのです. 私は怒りました.当然です.一筆は借りがある方が書くのだ,一筆書かなければならないのは旭化成の方だ,なにも説明せずいきなり一筆とは何事だ! 私は旭化成のふるまいに不信の念を強め,以後旭化成と話合う時は,必ず旭化成の見解を書面で出させそれをもとに話合うことにしました.旭化成とやりとりした手紙はすべて登録してあります.(『資料集』参照)打合せ記録書コピーに存在するはずだった<サラテックスに変更>という幻の一筆の代替品を要求したことは,今となっては明らかです. 旭化成は一筆とることに失敗しました.その後旭化成はそれまでの私の質問にまとめて答え,あらためて一筆とろうとします. これが経営会議と同月に発行された旭化成の事件見解書面です.(私はこれを隠蔽文書あるいはK文書と呼んでいます.)契約を守れなかった理由を縷々述べて客の情けにすがったものでしょうか.全くちがいます. K文書には注文書・請書,打合せ記録書,そして付帯工事という言葉はひとこともでてきません.すべて都合が悪いからです. K文書はわかりにくい日本語で書かれています.私はそれを普通の日本語に「翻訳」するのに2年かかりました.(詳細は『隠蔽文書』参照.) K文書執筆者は署名捺印しているK所長ではありません.K所長とは数度お会いし手紙ももらっていますが,彼の日本語は普通です.K文書執筆責任者は東京の旭化成本社の人ですでに特定されています. K文書の内容を悪徳業者流の亜流にふさわしい日本語で説明すると次のようになります. サラテックスは安物なんかじゃない.街の悪徳業者ならこう開き直っておしまいでしょう.ところが驚いたことにこの悪徳業者はさらに次のように言ったのです. ところでものは相談だがこの悪徳業者はそこいらの零細悪徳業者と違って金には困っていないのです. K文書の主張は次の三点に凝縮されます. 1.サラテックスは新製品リウォールWより高い.全体価格は本来171万. 2.リウォールWの見本は99年1月下旬にできた. 3.顧客希望はもともとサラテックスである.雨漏りが発生した2月に顧客希望を豹変させた. 1について.業者ならひと目で第一世代の安物であることがわかります.ポリマー業者は,客は長持ちしない安物塗料であることを知らないだろう,これは商売になると我が家を訪れたのです. 2について.リウォールWの販売開始は98年1月頃です.販売開始1年後に見本ができたというのです.客をなめたうそです. 3について.私は性能の良い塗料を希望しました.妻はスタッコ模様を希望しました.工事店はリウォールWを提案しました.私はリウォールWの注文書に署名捺印し,返って来た請書はリウォールWです.これで十分です.旭化成に釈明の余地はありません.ところが旭化成の考えは全く違いました. K文書で旭化成が主張するところによると,顧客希望は次の図の右側にねじまがった迂回路のように変遷します.左側のまっすぐな太い一本道が真実の道です.
工事が終わったのは98年12月,雨漏り発生は99年2月です.工事が終わって2ヶ月後に,もともとサラテックスを希望していた客は気が変わったのだと旭化成は主張したのです. 請書がリウォールWであるにもかかわらず施工塗料がサラテックスであることを正当化するために,旭化成は客に罪をなすりつけるこのように驚くべき論理を展開したのです. 迂回路先端のサラテックスを希望は,まさに旭化成が打合せ記録書コピーに書かれていると思い込んでいた一筆であることにご注意下さい.つまりこの論理は,一筆がコピーに存在する旭化成流の場合において,塗料が安物であることがばれた場合の,旭化成の釈明論理なのです. 見逃してならないのは迂回路前半の これだけでは弱いと旭化成は考えました.当然です,いつもの一筆がないからです.そして卑劣な手を打ちました. (XXXが)できますと工事店が言い,妻が「主人もそれが良いと言っているので,そうして下さい」と答えたとK文書は主張しました. 妻がそう言ったのは真実です.しかしそれはK文書が匂わせたように「サラテックスの取り寄せができます」と工事店が言ったことに対してではなく,「リウォールWでもスタッコ模様が完全にできます」と言ったことに対してそう答えたのです! K文書は部分だけみれば真実が書いてあります.すべてが根も葉もない作り事ではありません.それだけに始末が悪いのです.プロでなければ書けない作文です. 尻尾をつかませない日本語で客を精神的にまいらせ,旭化成の言い分をのませてくさい物に蓋をするという隠蔽手口です.こんな方法は零細悪徳業者には逆立ちしてもできません.人材も金も豊富な大企業旭化成だからこそできるのです. イヒ流でだまされた客に一点の負い目もありません.100%旭化成責です.それでも旭化成は,素直に謝るどころか客をクレーマー呼ばわりして自己を正当化しようとしました.これが旭化成という企業の本当の姿です. 7.隠蔽の轍(わだち) 事件が発覚して2ヶ月後,我が家を訪れたK所長は,あることを語りました. 私は驚きました.一つにはその事を知らなかったから,そして二つにはそれが旭化成に負のイメージを与える事だったからです. K所長が我が家を訪れたのは,旭化成の正式見解であるK文書を説明するためです. 工事やりなおしで責任をとるというのは,泥棒が盗んだものを返して責任をとるというのと同じだと私が言った時,彼は黙っていました.仕上げ確認の日付が間違っていると私が言った時も,彼は肯定も否定もせず黙っていました. そして彼はある事を語ったのです.その事とは 旭化成の沿革 の一行目に書かれている事,旭化成は水俣病事件を引き起こしたチッソの子会社だということです.
旭化成はチッソと同じ轍(てつ)を踏みました. 宇井純は水俣病事件から次のような公害の起承転結説を唱えました. (起) 公害が発生する (承) 原因が特定される (転) 反論がある (結) 正論と反論が打ち消しあって中和される. いろいろな種類の数多くの反論のため,ピシッとしまらないアイマイな結で終るところに特徴があります. ・加害企業が原因究明を妨害するため,因果関係の完全な解明が非常に困難なこと水俣病事件第一幕の結状態とは次のような状況です. 地方の大学(熊本大学)の先生は有機水銀が怪しいと言っている,一方東京の先生方は違うことを言っている.田宮委員会など権威を集めた第三者機関もむにゃむにゃとはっきりしたことを言わない.誰の言っているのが正しいのかよくわからんと普通の人たち,すなわち世間は思います.事件第一幕はチッソの完勝です.宇井の起承転結説は,被害者側敗北の図式です. 起承転結説の眼目が<「反論」による中和>にあることは明らかです.これはチッソが採用した隠蔽戦略そのものです.世界初のカザレー法実用化がチッソの表の顔であるとすれば,チッソ式中和隠蔽戦略は裏の顔です. さてわが知らぬが仏事件の第一幕は次のような経過をたどりました.(ちなみに『知らぬが仏(第一部)』は結状態の最中に書かれたものです.) 1999年旭化成の反論はS氏回答,子会社社長回答,そしてK文書です. K文書を機に事件は結状態に入り真夏まで続きます. 奥さんも安物塗料使用に納得したようだし,まあ,やりなおすと言っているのだからいいではないか.さすがに旭化成は違う.そっくりやり直すというのだから.K文書を読んだなにも知らない第三者ならこう思うのが自然です.まさに結状態です. 水俣病事件では3年かけて結状態になり,その6,7年後に結状態は崩れます.一方知らぬが仏では2ヶ月で結になり,4ヶ月のち妻の言葉のトリックがばれた時点で破れます.なにしろ月とすっぽんのスッポン事件ですから,水俣病事件に比べ,短期に物事がすすむのは当然です. 最初のS氏回答は問題外の話にならない反論です.しかし時間を稼ぐという役目は果たしました. 子会社社長による反論は,だましたのではない,工事店は客の希望をとり違えた,つまり過失だという反論です. 子会社社長は<客は旧壁サラテックスの模様を希望したのであり,サラテックスを希望したのではない>ことを,はっきりとまぎれのない言葉で表現しています.子会社社長の反論は,次のような結果を招きます. 工事店がミスしたとする.すると次に,それではなぜ旭化成が,おなじミスをしたのだ,旭化成の契約書(請書)にはミスがない,ミスしようにもできないではないか・・・となります.これは事件の核心に迫る道です. 旭化成は一方的に守勢に立たされ,目標とする中和状態にはなりえないのです.子会社社長の反論は,徹底隠蔽の立場からみれば,きわめて不十分です.こうして事件は経営会議に諮られ,K文書が発行されることになります. 水俣病事件における反論には,チッソ自身による反論と学界権威による反論の二種類あります. チッソ自身による反論は,熊大の研究結果にひとつひとつけちをつけたものです.その特徴は否定することに終始していることです. ところが否定するだけではだめです.本当はどうなのかを言わない限り,何も知らない第三者に対して,説得力が生まれません.ここに「権威」たちが登場します.爆薬説,アミン説,腐った魚から発生する毒物説など,有機水銀説とは全く違う方向の主張が,中央の権威者たちによって主張されます. K文書はこれです.理由なしの否定ではなく,本当はこれこれしかじかであると反駁しています. K文書の反論の一つ一つはそれぞれ学界権威の学説に似たところがあります.何も知らない第三者をだまして中和状態に導くために,もっとも卑劣な方法は,被害者を貶めることです.<客はサラテックスをもともと希望していた>という反論がそれです. チッソの総務部長は,腐った魚を食う「動物のような」人間の方が悪いとにおわせました.旭化成の住宅総務部長は,客は安物塗料を希望しておきながら,突然希望を豹変させた,客はクレーマーだとにおわせました.いずれも決して許すことのできないものです. 「何も知らない第三者に」と何度も書きました.疑問を持たれたかもしれません.水俣病事件は社会的な大事件であり,チッソが権威者を動員して,世間をだまそうとしたのはよくわかる,しかしスッポン事件にそんな必要があるのかと. 3月31日付け子会社社長への質問をご覧下さい.私は事件について基本的な疑問を呈した後,納得できない回答したらWEBで公開すると警告しています.旭化成はこの質問を機にそれまでの担当者まかせの対応を一変させました. K文書は何も知らない第三者をだまそうとしたものです.当事者を納得させようなどとは,はなから思っていません. 患者たちには,学界権威の学説などちんぷんかんぷんだったでしょう.しかし腐った魚原因説を提唱した学者に対してだけは,鼻面を殴りつけたいと思ったでしょう.私も同じです.K文書はわけのわからんものでした.しかし絶対に許すことのできない一節がありました. 業界団体・学界権威・通産省を巻き込んで壮大に展開されたチッソの中和隠蔽戦略は,40年の後,子会社旭化成K文書の中に卑小な姿でよみがえっています.表面的にはまさに月とスッポンですが,世間をだまして一片の理もないことを隠そうとするその精神は全く同じです. 旭化成の業務実態は酷いものでした.K文書はそれには全く触れず,<そっぽを向きながら客はクレーマーだとつぶやいている>のです.このK文書を「説明」し,客を「納得」させ,工事やりなおしで事件に幕引きすることが,K所長に課せられた任務でした.なんと気の重い任務だったでしょうか. K所長が,K文書について余計なことは一切喋るなと指示されていたことは明らかです.不用意な口頭補足は隠蔽文書としての価値を台無しにするからです.所長は指示を忠実に守りました. もし彼が骨の髄から会社人間であったなら,「社畜」であったなら,「子供の使いのようで申し訳ない」と詫びることはなかったでしょう.チッソのことも絶対に口にしなかったでしょう. チッソに言及したことは,彼が良心を持った普通の人であることの証(あかし)である・・・と私は信じます. 彼の直属上司である子会社社長も社畜ではありません.なるほど社長は事件が過失によるものだと嘘をつきました.しかし客に罪をかぶせて自己を正当化するたぐいの卑劣な嘘は一言もついていません. 腐っているのは大阪ローカルの社長や所長ではありません.もっと上層,雲の上です. 8.中枢の中枢 信用とはなんでしょうか? 旭化成は自社塗料の見本が販売開始して1年後にできたと主張しました. 第1章で2001年夏の『30年目点検異常なし』全面広告が詐欺まがいであることを説明しました. 旭化成の沿革によると「へーベル」パネル販売の建材事業は1967年開始,「ヘーベルハウス」販売の住宅事業は1972年開始です. 会長はご覧のように住宅事業に本格的に進出して30年だとスピーチされました.72年以前からヘーベルハウスを売っていたと言おうとされました. 2001年秋『30年目点検異常なし』広告に対するクレームがJARO(日本広告審査機構)を通じて旭化成に報告され,旭化成は口頭で回答しました.その口頭回答の趣旨がはからずもこのような形で新聞紙上に載ったのです. 2002年秋ヘーベルハウス30周年記念特別号の『ヘーベリアン』は発売の2文字削除という苦肉の策で山口会長の意に従いました.右のように醜い改ざんの跡を残した「ヘーベルハウスの歴史」はこうして誕生したのです. 山口会長は嘘つきです.1972年ヘーベルハウス販売開始という真実に矛盾する真っ赤な嘘を平気でつく嘘つきです. 白昼堂々と 旭化成はムネオハウスならぬノブオハウスだったのです. 10月に山本一元社長は勇退し,山口信夫会長は留任するという観測です.会長留任に関しては「日商の会頭任期を残していることもあり」と微妙な理由付けです. 旭化成の歴史は92年に亡くなった旭化成中興の祖・宮崎輝を抜きにして語れません.宮崎輝は社長を24年,会長を7年務め,経営の鬼,気骨の経営者そして繊維業界のドンと呼ばれました. 宮崎輝は「山口さんを14年間、秘書室長、総務部長でこき使った」と言われています.(陸士後輩からのエール)ドンのお気に入りで重用されたのです.宮崎輝会長が亡くなったとき,派閥抗争のキャスチング-ボートを握った当時副社長の山口信夫氏は,ある条件で会長に就任しました.三越の故岡田氏の「なぜだ」の羽目に陥らないように,解任動議は取締役会議の議長である会長にしかできないように社則を変えるという前代未聞の条件で会長に就任したというのです. 山本一元社長は一昨年7月すなわち社長就任4年の時点で,「改革が終われば会社を去る覚悟だ」と公言されました.(『財界』2001年7月10日号) 小泉政権誕生直後の改革ブームの影響があったことを割り引いても,この発言はただごとではありません. カリスマの残した負の残滓の一掃こそ私の使命だとする山本社長の強い覚悟がほとばしりでたとみるべきだと思われます. 日経観測記事は山本社長の改革が途半ばにして未完に終わったことを示すと私は理解しました.
日経観測記事は,予想より早く現実になりました.旭化成は1月31日社長の異動について記者会見を行いました.第一報は次のようなものでした. 2003/01/31 15:02プレスリリースによると異動理由は, 本年4月からの新中期経営計画「ISHIN−05」のスタートにあたり、新体制にて取り組むことといたしました。これだけです.もし人心一新という理由なら一番古株の山口会長留任はなぜ? 山本社長自身は「2002年をめどに負の遺産を一掃できる見通しがたった」とバトンタッチの理由を説明しました.一掃できたと断言できないところがつらいところです.(山本社長は4月1日付けで代表権のない副会長に退いた後,6月をメドに常任相談役になるそうです.) 10月純粋持ち株会社に移行した際,7つの事業会社を指揮する経営戦略会議を設け新社長がその議長で事業執行する.取締役会は社外取締役を含め10人程度で構成.山口会長が議長に就任し経営を監督する. 4月1日付けで3人の副社長は代表権を返上し,代表権を持つのは事業執行責任者の新社長と経営監視責任者の山口会長の2人だけになるそうです.
社長異動発表のタイミングです.会長は実力者宮崎輝ではありません.なにかのまちがいで現在の地位にいる人です.会長は正月の消費税容認発言で味噌をつけました.旭化成経営陣はこの機を逃さず新体制発表に踏み切った,会長の力をそぎ,お飾りに祭り上げるために・・・とまぁぷうたろうは浅はかにも思ったのです. つまり早い話が旭化成経営陣を買いかぶったのです. 左は昨年旭化成が純粋持ち株会社移行を発表した際,日経新聞に掲載された組織図です.(10月10日付) 事業の「選択と集中」は不十分ですが,権限だけは米企業なみに見事に会長・社長に集中しています.取締役会議長はもちろん会長です. 新社長は勉強家で目線が高いと会長は誉めました.会長にとって新社長は御しやすい人のようです.会長は危機感から発表を早めたのです.山本氏が気骨ある人だったとしても,もう何もできないでしょう. 詐欺事件の舞台となった関西旭化成リフォームは旭化成リフォームに吸収され消滅,同社社長は異動,隠蔽文書執筆責任者の旭化成住宅総務部長も異動,住宅事業責任者だった土屋友二副社長も異動,そして今回山本社長の退任が決定しました.会長だけは依然として安泰です.無論旭化成がノブオハウスだからこそです. 前の日商会頭は,03年春の叙勲で勲一等旭日大綬章に輝きました.ノーベル賞小柴氏らとともに. 9.結び テレビ番組制作会社の女性の方から,工務店の名前と電話番号を教えてほしいというメールがきました.悪質業者を探しているようです.顔を隠して悪質手口を語らせるという番組なのでしょう. 彼女は事件を理解していないと私は感じました.知らぬが仏事件は一見すると悪質な下請け業者の話に見えますが,そうではないのです.彼女のために事件を復習します.
3つの可能性があります.
1と2の可能性は即座に否定されます.なぜなら旭化成は施工塗料がbであることを知っていたからです. 旭化成と工事店はボスと手下の関係です.99年2月22日の事件発覚経緯は 契約塗料が AAAであるにもかかわらず,施工塗料がbであることを旭化成は知っていた,ことを意味します.なぜばれたか. 契約が AAA,施工がbであることに旭化成はなんの疑いも持っていなかった.「契約がトリプルA,施工がシングルb」とは契約を守っていないことです.守っていないのが日常であることを,旭化成は自分からばらしました.しかし実は,旭化成は「契約」を守っていたのです. 旭化成はどうして施工塗料がbであることを知っていたのでしょうか. 客の眼に触れるすべての書類には,AAAと書かれています. 打合せ記録書という打合せメモのカーボンコピーにも,AAAと書かれています. ところが旭化成に提出された打合せ記録書の原紙には<bに変更>と追記されていたのです. 原紙が改ざんされていたのです. これは何を意味するでしょうか. 見積書・注文書・請書という正規契約書より 打合せメモが重要であることを旭化成は知っていた そしてそのことに疑問を持っていなかった,ことを意味します. 旭化成にとって契約書とは,「改ざん容易な」手書きメモだったのです. 塗料は最も大切な仕様です.工事価格は塗料次第です.車でいえばエンジン仕様です. 旭化成のリフォーム価格は非常に高価格です.旭化成ピンハネ分が価格に上乗せされているからです. その法外価格で客から契約を取るのは,工事店の役目です.旭化成ブランドには価値があり工事店が「企業努力」すれば法外価格でも契約がとれると旭化成は考えています. 高すぎると考える客と,高いのは当然とする旭化成の間で,商談をまとめようとすると,工事店は客と旭化成の両方をだますより他に道はなく,その手段がまさに打合せ記録書の原紙改ざんです. 工事店はAAAと書かれたコピーを客に渡した後,原紙に<bに変更>と追記して旭化成に提出しました. 塗料変更を客が承認したと旭化成は思いました. 古い塗料bと新製品AAAの間には天と地の価格差があります.旭化成は変だと思わなかったのでしょうか.付帯工事があるからおかしくないと思ったのです. 門柱塗装などの付帯工事は客には無償サービスだと偽っています.しかし実際には塗料のグレードを下げて帳尻合わせされるのです.ところが,AAAとbの価格差は付帯工事だけでは説明できません.それ以上にあります. 旭化成の最初の提案は,弾性タイルという塗料で行われました.塗料の格はAAAとbの中間です. 性能のよい新製品リウォールW(アクリルシリコン系)は,絵に描いた餅でした.安物への変更がはじめから予定されていたのです.
「絵本」の中でヘーベルハウスは15年耐久のアクリルシリコン塗装であるとうたっています. 客には付帯工事は無償と言っている,だとすれば付帯工事を理由に安物への変更を客が承認したと旭化成が考えるのはおかしい・・・当然の疑問です. 旭化成を信用し塗料の知識がない客ならば,たとえば,AAAではご希望のスタッコ模様は無理ですが,塗料bではできますとアドバイスされれば,bでお願いしますと答えるでしょう. 旭化成は工事店が具体的にどんな「顧客対応」しているのかよく知りません.しかし客をうまくまるめこみ塗料変更を承認させたであろうことに疑問を持つことはありませんでした.なぜか. 「客は馬鹿」と考えているからです.法外価格の内幕を知る旭化成からみると,旭化成とリフォーム契約する客はすべて馬鹿なのです.賢い消費者なら契約する筈がないと旭化成は考えているのです. ところが旭化成にとって意外にも,客は塗料変更を承認していませんでした.コピーには<bに変更>という大事な大事な一筆がありませんでした.客ばかりか旭化成も工事店にだまされたのです. しかし,旭化成はまぎれもなく共犯です.だまされたことは言いわけにもなりません.なぜか. 旭化成のリフォーム事業では,実務全般すべて工事店に丸投げされます.商談,契約から完了検査に至るまですべて工事店が行います.旭化成は何をしているのでしょうか,ピンハネ以外に. 旭化成はコンピュータを使って,見積書・注文書を発行し,客が注文書にサインすれば,後日請書(うけしょ)を発行します. この内容この価格で請負ったことを約束する請書こそ,契約の中核でありきわめて大切な書面です.請書には旭化成の記名捺印があり印紙が貼付されています.(打合せ記録書にそんなものはありません.工事店の単なるメモです.) もし仮に旭化成が,正しい請書つまり塗料bと記載された請書を発行したなら,AAAと思っている客からどうなってるんだとクレームがつき,原紙改ざんはたちまち発覚します. 知らぬが仏事件で旭化成は原紙改ざんに初めて気がつきました.ということは,旭化成がそれまで一度も正しい請書を発行したことがないことを意味します. 工事店は知っています. 客は新製品AAAの注文書に署名捺印しました.旭化成は打合せ記録書原紙によって,塗料がbに変更されたことを認識しました.それでも旭化成は新製品AAAの請書を発行するのです. 旭化成の業務はまともではないのです.旭化成がだまされたのは,自業自得,身から出たさびです. 関西ローカルの小さな詐欺事件は遅滞なく東京の旭化成グループ経営会議に諮られました. 失態に気付いた旭化成は苦しみました.あげく親会社チッソと同じ徹底隠蔽の道に足を踏み入れました. 事件が発覚した時,もし旭化成が次のように対応したらどうだったでしょうか. 3月8日の三者話合いの時点(発覚して2週間後)にさかのぼります.子会社社長が客の家を訪れ,深く頭を下げ「一言も弁明の余地はございません.工事をやり直させますから,お赦しください」と謝るのです. 普通の人なら間違いなくこれで了承します.これでなお納得できんと言い出す客は金目当てです.しかし金目当ての人間など恐れる必要はありません.最悪でも望む金を与え一筆取った上で追い払えばけりがつきます.大企業にとって,こんな金ははした金です. 極めて早期に客も旭化成もハッピーな結果に終ります.恥ずべき業務実態を,嘘を言わず上品に,隠すことに成功します.実際はどうだったか. 現実の三者話合いでは,旭化成クレーム対応担当者が工事店社員の頭を下げさせました.そして自身は謝るかわりに「ちょっと一筆頂きたい」と唐突に言い出して客を怒らせました. 嘘をつかない上品な隠蔽法は旭化成にはネコに小判です.なぜか. 「客は馬鹿」と考えているからです.馬鹿な客に謝る必要などないと考えているからです.少しでも非を認めれば,金目当ての馬鹿はつけこんでくるに違いないと考えているからです. 塗料変更は格安塗料への変更です.格安塗料を承知するという一筆は,とりもなおさず「客は馬鹿なり」の一筆です.客は馬鹿と考えているからこそ,旭化成は臆面もなく客は馬鹿なりの一筆を客に要求するのです. 三者話合いの3週間後の『S氏回答』は「客は馬鹿」を絵に描いた文章です.なめられた客は事件の発覚経緯を整理し
この事件原点が何を意味しているのかリフォーム子会社社長に問いました.(『関西旭化成リフォーム社長への質問』) 旭化成はbであることを知っていた,顧客カルテにはbと入っている,契約書(請書)と顧客カルテの間に不整合がある,不整合チェックは,やる気さえあれば簡単な話だ,やらないのはどういう訳だ,と問うたのです.(この時点では打合せ記録書が「契約書」であることに客は全く気付いていません.) 事件が旭化成の経営会議に諮られたのはこの直後です.そして事件に対する旭化成の公式見解である『K文書』が発行されました.K文書こそチッソ中和隠蔽手法に則った隠蔽文書でした. K文書は,工事店社員の口頭報告でAAAをbに変更した,ことを前提にしています. この驚くべき前提から,K文書は詐欺を顧客責にすりかえるさらに驚くべき隠蔽論理を展開したのです. 客は時間をかけてK文書を徹底的に分析し,その結果を旭化成社長に問いただしました.(『旭化成社長への2回目質問』)K文書の執筆責任者と思われる本社住宅総務部長Sは書面回答を拒否しました.ばれてしまっては,とても釈明できる代物ではないからです. K文書は,旭化成という企業がどこまで破廉恥な嘘をつく企業であるか,白日の下にさらしました. 旭化成は全国の消費者に対しても嘘をつきました. 事件発覚後2年あまり経った01年6月末,客はようやく打合せ記録書原紙の公表を旭化成社長に迫りました.(『旭化成社長への3回目質問』)潔く原紙を公表するか,公表を拒否するか二つに一つだと客は思いました.ところが違いました. 旭化成は「原紙」を公表しました.驚くべきことに塗料変更の一筆はありませんでした. 先頭の安の字を拡大して,「原紙」とカーボンコピーを比較します.
左は旭化成が公表した「原紙」,右は客が保管しているカーボンコピーです. 1画目から違いは明らかです.「原紙」の1画目はやや斜め上から慎重に「筆」をおろし(1のところ)最後まで力が抜けていません(2のところ).コピーの方は一気に力強く真横に筆をいれ,最後はさっと力をぬいています.「原紙」の安は,カナクギ流の下手な字です.一方コピーの安は自然で伸びやかな達筆です. 旭化成が公表した「原紙」はカーボンコピーの原紙ではありません.別物です. 一筆を隠したければ,行政がよくやるように黒く塗りつぶして公表すればすみます.しかしこの手は使えません.原紙とコピーは一致していなければならないからです.ボールペンの文字は消せませんから,旭化成は原紙を新たに作り直した,つまり偽造したのです.「客は馬鹿」を身上とする旭化成です.偽物でだませると踏んだのです. 「原紙」を公表した時,K文書の嘘はすでに,すべて,ばれていました. 私文書偽造により塗料変更の一筆は消えました.もう一度原点にもどりましょう.
旭化成はなぜ知っていたのでしょうか.裏でこっそり工事店に教わったと旭化成は主張したのです. 客に無断で安物に変更したと旭化成は主張しているのです. 旭化成の主張はここで止まります.「契約を守らなかっただけだ.それがどうかしたか」と旭化成は開き直ったのです. 旭化成は信用の仮面をかなぐりすてました. 打合せ記録書の原紙改ざんを,原紙偽造までして,なぜ隠すのでしょうか? 旭化成はいったい何を隠しているのでしょうか? 世間では旭化成は信用ある企業で通っています. 打合せ記録書は必ず作成されます. どんな塗料を使うのか,どんな色にするのか,どんな模様にするのか,この三点が外壁吹替工事の仕様のすべてです.仕様はすべて打合せ記録書で規定されるのです. 打合せ記録書に無意味なことは何一つ書かれていません.一方注文書・請書の正規契約書で意味があるのは全体価格だけです.その他は法外ピンハネ金をカムフラージュするための飾りです. 旭化成は知っています.コンピュータ出力の正規契約書は客の眼を欺くためのお飾りであることを.肝心かなめの仕様はすべて手書き打合せ記録書に書かれていることを.それが旭化成の業務常識です.
旭化成の考えでは,打合せ記録書が契約書です.格安塗料への変更も,客が合意した契約書に従っただけのことであり,もちろん詐欺ではない,こう考えるのが旭化成の常識です. 旭化成のリフォーム事業は84年創業です.創業当初は打合せ記録書は補足文書として正しく使われていた筈です.しかし年とともに「健全な常識」は駆逐され,事件が発覚した99年には,「悪しき常識」が旭化成リフォーム事業に完全に定着していました.法外価格を客に飲ませるには,どこかで必ず「だまし」が入ります.「だまし」を遂行する上で打合せ記録書で塗料を変更する方式が都合が良いのです.詐欺業務と「順法精神」の両立という離れ技が,この方式によって可能になるのです. 旭化成はK文書で,塗料bは塗料AAAよりむしろ高いと主張しました.これは旭化成が客に対して塗料別の工事価格を一切教えていない実情を暴露しています. 「契約書」に書かれていることは,たとえそれがどんなに破廉恥な内容であろうと,客が合意した以上旭化成に非はないと旭化成は考えます.合意した以上,旭化成の知ったことではなく,だまされる無知な客の方が悪いと旭化成は考えます. 「契約書」に「客は馬鹿なり」の一筆が,存在することの意味は旭化成にとってたいへん重いのです.リフォーム事業の正当性は,実にこの一筆にかかっている,と旭化成は考えているのです. 旭化成にとって「客は馬鹿なり」の一筆こそ万能の免罪符だったのです. 工事店はこの大切な一筆を取れませんでした.色・模様以外に「性能」を客が希望したからです. 旭化成は一筆にこだわりました.当然です.命の綱の一筆がなければ,詐欺で捕まるからです. 旭化成お任せの客の場合,一筆は「契約書」の原紙とコピーの両方に存在します. ところが客がそこまで馬鹿ではない場合,原紙にだけ一筆が存在する「契約書」の存在は,旭化成の死命を制するものに転化します. 「客は馬鹿」の証(あかし)であるべき「契約書」は,旭化成こそ馬鹿でまぬけであることを証明しました.
旭化成は,「契約書原本」と写しが一致することを,保証することができません. すべての旭化成施工物件に詐欺の疑いがあります. 詐欺の動かぬ証拠が,「偽造契約書原本」として,旭化成社内に今なお保管されています. 旭化成は99年6月17日付け書面(『上林書面』)で,「指定工事店各社と施工物件仕様の照合を進めており」と述べています.旭化成は打合せ記録書原紙を一斉に調査したのです. 中途半端に順法意識を持ち「客は馬鹿」の一筆にこだわることが,いかに危険であるか,旭化成は身をもって学びました.儲けるためには,中途半端はだめ,これが知らぬが仏事件で旭化成が得た教訓です.
やるからには徹底しなければならない.旭化成は03年4月22日から実に7日間連続で,中身からっぽの全面広告を打つという挙にでました.従来の文字だらけの全面広告とは様変わりのビジュアルな広告を,7日間連続で打ったのです.この全面広告は,『LONG LIFE』という(前に触れた)「絵本」からの抜粋です. 『LONG LIFE(それはいい家づくりの基準です)』は旭化成の住宅基準(後述)を解説したものです.主役は1,2行のコピーと写真です. 下の写真の右側の本が『LONG LIFE』です.開かれた左頁には基準第9項「外壁塗装は,耐久性が15年以上あり,あとで容易に補修できるか」とあり,右頁は「ヘーベルハウスは,「美肌自慢」です」という1行コピー,外壁が映っているコンパクト,そしてアクリルシリコン塗装:15年耐久と題する短かい解説です. 写真左側の本は,20年前に旭化成が発行した『ポケプラン実例100』です.(昭和58年8月19日初版発行.発行者山本一元)この文庫本には旭化成の主張がぎっしりと詰め込まれています.あとがきにこうあります.住まいづくりのアドバイス集としては,おそらく例を見ない充実した内容の,旭化成の自負に偽りはありません.この227頁の文庫本を熟読すれば,へーベルでどんな設計が可能か,たいていのことはわかります.ここには,多くの情報を消費者に提供し,消費者自身に考えてもらうという姿勢が見られます.「すべてお任せください」ではありません. 旭化成は「新築時の住み心地をそのまま5年,10年,さらに30年60年先まで保つことのできる住宅」を「ロングライフ住宅」と名づけています.そしてこの「ずうーっといい家」を実現するために29項目にわたる「ロングライフ住宅基準」を設定しました. 『LONG LIFE』はこの住宅基準を「楽しくわかりやすく解説した」ものです.「ロングライフ住宅基準」は,1.建物の耐久性,2.設計の柔軟性,3.メンテナンスの三つに大別できます.1と2はヘーベルハウスという<もの>に関する基準です.3は旭化成が提供する<サービス>に関する基準です. サービスに関する基準は全体の3分の1を占め,30年,60年がやたらに出現するすごい内容です.旭化成はすごいサービスを提供しているようです.すごいサービスのさわりを見ておきましょう. ロングライフ住宅基準 第12項
2年前の詐欺広告(『30年目点検異常なし』)では,メンテナンスプログラムに対して「綿密な」あるいは「緻密な」というおおげさな形容詞がついていました.今回は「60年にわたる」および「一般住宅では珍しい」に変更されています. プログラムを60年に拡張するのは至極簡単です.外壁塗り替えは<60年まで>10年ごとに実施と,一言追加するだけです.お望みなら100年,200年にもできます. 「一般住宅では珍しい」のは当然です.「一般」ハウスメーカーは中身のないプログラムを針小棒大に宣伝するのは恥ずかしいというまともな神経を持っているからです. 解説は次のように修正すれば,嘘偽りのない真実に変身します.
ヘーベルハウスは手のかかるプレハブです.「たとえヘーベルハウスでも」ではなく,「ヘーベルハウスだからこそ」メンテナンスは必須です. 有償という言葉を省略したのは2年前の詐欺広告と同じです.耐久性に優れたヘーベルハウスだから,ちょっとしたメンテナンスですむのだろうと,何も知らない新築検討客が,誤解してくれることを旭化成は望んでいるのです. いくらかかるかは,その時が来たら,プロである工事店社員が,客の家という密室で,客の顔をうかがいながら,教えてくれるのです. この第12項は,実は基準全体の基盤です.もう一度「ロングライフ住宅基準」をご覧下さい.全体の注にあたる個所に 弊社が別途提供する「メンテナンスプログラム」を実施することが前提です.と書かれていることにご注意下さい.「ずうーっといい家」の実現にはこんな前提があるのです.この抽象的な前提は,要するに建てたあとも「ずうーっと」旭化成に任せることが条件ですという意味です. 任せればどんないいことがあるのでしょうか.それが最終第29項です. 第12項で有償メンテナンスサービスと明記したとしましょう.するとサービスの中身と価格が問われます.ところが旭化成の有償サービスには宣伝すべき中身がないのです.高いだけなのです. 有償すなわち法外価格が真実だからこそ,旭化成は有償という大切な言葉を省略し,一言もサービスの中身を説明せず,中身からっぽの「プログラム」に他社の追随を許さない価値があるかのような詐欺表現に走るのです. 「ロングライフ住宅基準」は,建てたあとも「ずうーっと」法外に儲けようという不当な野心を,「ずうーっといい家」を提供すると誇称して,正当化しようとしたものなのです.つまり早い話,「ぬすっとにも三分の理」の三分の理をもっともらしく構築したものなのです. 住宅基準はきれいごとを並べたむなしい掛け声にすぎない「公約」です.必要なのは価格,中身を明記した「マニフェスト」です. 絵本では何もわかりません.絵本はコピーと写真を楽しむためのものです.展示場を訪れた新築検討客に,おみやげとしてサランラップと共にお持ち帰り頂くものです.ところが旭化成は,絵本の内容そのままで,7日間ぶっとおしの全面広告を全国紙に打ちました. 4日目の救急箱には笑えます.日経広告賞または朝日広告賞を今年も受賞できるでしょう.新製品の写真が一枚もない異色の楽しいコンセプト広告として.4月発足の新体制旭化成には,消費者に対しまじめに正面から伝えたいメッセージは,なにもないのです.展示場用の絵本を7日もかけて全面広告で紹介したは,そのせいです. 旭化成は,84年創業のリフォーム事業によって,建てたあとの「サービス」で儲ける味を覚え,業界初「50年保証」をうたい始めたころから,おかしくなりました.83年発行の中身ぎっしり『ポケプラン実例100』と03年発行の中身からっぽ『LONG LIFE』は,この20年の間に旭化成住宅事業がいかに堕落したかを,象徴しています. 経営指針の先頭に掲げられた「お客様の視点の重視」とはどういう意味でしょうか.まさに「無知なお客様の視点の重視」なのです.「客は馬鹿なり」の一筆の重視なのです.客は賢い消費者であってはならず,無知でなければならないのです.知らしむべからずなのです.だからこそ,『LONG LIFE』は中身からっぽなのです. 幻想をばら撒く『LONG LIFE』は,全面広告を通じて全国の消費者にばら撒かれた,「詐欺師」の撒き餌(まきえ)です. 水銀たれ流しが一工員の過失ではなく,チッソのアセトアルデヒド製造事業に必然の結果であったと同様に,塗料すりかえ詐欺は工事店の一過性詐欺ではなく,旭化成のリフォーム事業に必然の詐欺です. ピンハネ商売に一片の正当性もありません.旭化成のリフォーム事業は詐欺事業です.「契約書原本」をあくまで隠そうとする隠蔽行為こそまさにその証明です. 旭化成はシラを切りました.新築事業で営々として築いてきた信用が,一挙に崩れ去ることを恐れたからです.金のなる木のリフォーム事業を手放さなければならなくなるからです.それになにより徹底隠蔽を命じた中枢の責任問題になるのは必至だからです. 企業体質とは何でしょうか.企業体質とは組織中枢の体質です.旭化成が「客は馬鹿なり」を旨とする高慢企業であるのも,嘘を並べて破廉恥隠蔽に走るのも,疑いもなく,旭化成中枢の中枢が消費者をなめているからです.「企業倫理の遵守」とはよくも言ったり. 旭化成は99年6月30日,住宅西日本営業本部長・旭化成ホームズ西日本営業本部長 重富一彦名で,(リフォーム子会社社長に対して)「今般の問題解決のために直接安東様にお目にかかり,経営者として責任をもって,しかるべきご説明を差し上げるよう申し付ました」という書面(『重富回答』)を発行しました. 経営者として責任をもってしかるべき説明をするべきは,リフォーム子会社社長ではなく,「住宅事業育ての親」山口信夫会長です. 『生みの親』は 前の社長山本一元氏はかって次のように述べました.(『財界』01年7月10日号) 「企業は存在する前に,社会的責任があることを認識すべきです.」水俣病事件の教訓を真摯に受け止めた事件総括です. 「客は馬鹿なり」の高慢旭化成には,存在理由がありません. 客は新築時に世話になった旭化成営業に今も感謝している. 以上復習おわり. 零細悪質業者の手口を紹介する番組は,素人を不安にさせます.やはり大手の方が安心だと見る人は思うでしょう.番組制作者の意図にかかわらず,このような番組は「大手悪質業者」にとって大歓迎なのです. 私は彼女に,我が家を担当した工事店は,お探しの悪質業者ではなく,「良心的業者」だと答えました. 旭化成が66万ピンハネした残り100万で,100万に見合った工事をしたという意味で工事店は「良心的」です.工事も防水シートを破った点を除きていねいでした. 突撃インタビューすべき相手は,下請け工事店ではないのです. 彼女とは二三度メールをやりとりし,理解してもらえました. 彼女は旭化成にインタビューすることに関心を示しませんでした.そして きちんとサイトを読んでいればわかる話でしたと詫びてくれました. 旭化成と零細悪質業者を比べると 経営指針はご覧のとおり,頭は「お客様の視点の重視」,尻尾は「企業倫理の遵守」,そして胴体は「社員の個とチームワークの尊重」,「国際的高収益企業を目標とした株主およびかかわりある人びとへの貢献」,「地球環境との調和と安全の確保」となっています. 旭化成は03年10月1日,「分社・持株会社制」に移行する予定です. 代表権を持つのは会長,社長の二人だけです.そして 「会長を議長とする(少数の取締役で構成された)取締役会が重要事項の決定と業務執行の監督」を行います.「社長以下の執行役員はグループ経営の執行」を担います.そして「社長を議長とする経営戦略会議は,取締役会決定事項を除くグループ経営に関する重要事項の審議・決定」を行います.つまり 会長が重要事項を決定し,社長はそれを実行し,結果を会長が監視するのです. 権力を握った君側の奸は,十年かけて保身の餅の絵を完成させました.「チームワークの尊重」が経営指針に入っていること自体,旭化成グループ内に現に異論が存在し,それを封じる必要が会長にあることの証です.
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これからの時代,万事,他人任せの「観客民主主義」でなく,道理に合わんことは相手が何であれ,死に物狂いで戦えば,だれでも「60点」はとれると思う.ダメ人間の私でもできたんやから.みなさんも「なにくそ」と踏ん張って一回やってみなはれ. |
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TA老などとちょっとえらそうな名前ですが,10年近く前短期間使っていたハンドルです.その頃パソコン通信NiftyのHP(ホームパーティ)をグループ内のコミニュケーション用に使っていました.私はすでにその時,若い人の中に一人年寄りがいるという状況でした.したがって老という字の入ったこのハンドルは別におかしくもなんともないものでした.ただし現在の年齢でも,中高年には違いありませんが,世間の常識では老人ではありません.私の下の娘はまだ19です.
私はこの歳でPS『グランツーリスモ』(蛇足ながら2ではありません.2のライセンス取得は容易なようです)の国際ライセンスをねばりだけで取得しました.しぶとさで旭化成にひけをとるつもりはありませんがどこまでがんばれますことか. 1999.9.23 記
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