細部修正 2002.2. 5
加筆修正 2002.6.26

30年目問題





2001年9月7日私は日本広告審査機構(JARO)の大阪事業所を訪ねました.次の二つの旭化成ヘーベルハウスの新聞広告について,あることを報告するためです.この二つの広告はいずれも全面広告です.

 1. 2001年8月17日付 『「30年目点検」,異常なし

 2. 1999年9月14日付 『家は建てたあとが大事なんだ


1の広告には2001年に30年目点検を受けた「ヘーベルハウス」の写真が出ています.


新聞に掲載された写真はこれより鮮明で新築ですから建物はもちろん綺麗です.右下の手書きメモにご注目下さい.
S46のSは昭和の意味で,1971年11月というメモです.広告本文には2001年7月に30年目点検を行ったとありますから,1971年7月に建物が完成し4ヶ月経った頃の家族揃ってのスナップです.

このお宅は「子どもの成長に合わせて,室内スペースを広げる必要があった」という理由で増築されています.ご覧のようにお子様は新築当時すでに小学生だと見受けられますが,「子供の成長に合わせて」いったいいつ増築されたというのでしょうか?

この全面広告は日経,朝日に出ていましたから,他の全国紙にも出ているでしょう.


一方2の広告には「二十七年前に建てた一棟目のヘーベルハウス」という表現があります.1999年の広告ですから一棟目が建設されたのは1972年になります.

1の広告のお宅は,一棟目のヘーベルハウスが建設された年の前年7月に建設されたことになります.これはどういうことでしょうか? 



旭化成の公式サイトの旭化成の沿革 から関係部分を抜粋します.
住宅・建材事業では、1967年8月に軽量気泡コンクリート「ヘーベル」を企業化したのをはじめ(中略)建材事業に 本格的に進出しました。

住宅分野については、1972年“ヘーベルハウス”の販売を開始。


総合化学大手の旭化成は1967年に建材「へーベル」の商売を始め,1972年に新製品「ヘーベルハウス」でプレハブ住宅分野に進出したのです.
「事業領域が広く,経営資源が分散」している点が旭化成の弱みだそうです.(日経新聞2001年10月2日)

ヘーベルハウスは旭化成のプレハブ住宅の登録商品名です.へーベル建材を使用した住宅のことではありません.
ヘーベルハウスは1972年に販売開始されました.したがって1971年7月に建設された1の広告のお宅はヘーベルハウスではありません.


旭化成はヘーベルハウスという商品の宣伝に商品でないものを持ち出したのです.

JARO関西事業所次長さんにはすぐに納得して頂け旭化成に回答を要求して頂くことになりました.
1のお宅は,写真の直後に増築されたと思われます.新築直後の増築であり,おそらく増築テストが目的でしょう.1のお宅は,ヘーベルハウス商品化のための試験棟だと考えられます.


さて冒頭1の全面広告はシリーズ最初の広告ではありませんでした.第二弾でした.

JAROを訪れた翌日,1の広告の1カ月前の7月19日に第一弾の全面広告が打たれていることを図書館で確認しました.この第一弾のお宅は第二弾とは違うお宅でした.

このお宅は,30年目点検を受けたことそして築30年とあることから1971年6月に建設されたと思われます.したがってこのお宅も商品ヘーベルハウスではありません.

このお宅の増築経緯には1のお宅の場合と違い不自然なところがありませんから,このお宅はモニター棟的に使用されたと思われます.



カメラのライカを例にとりましょう.1923年にモニター用として30台の量産試作機が作られいろいろな人の意見が集約されました.その結果を反映して1925年に商品LEICAが誕生しました.試作機はのちにNULL LEICAと呼ばれました.NULLとはドイツ語の0を意味します.

全面広告でわかったことは,ヘーベルハウスには少なくとも2棟のヌルヘーベルハウスが存在することです.そして今も健在なことです.本来なら技術陣の誉れになることを,誰が貶めたのでしょうか.

25年点検異常なしでは絶対だめだ,30年目点検異常なしだ,事業設立30年目だ,30年資産価値があるのだ,30年一括借上げだ・・・と30年に拘った宣伝戦略を指示したのは誰でしょうか.


この第一弾全面広告では事業設立30年目で「30年目点検」だと旭化成は宣伝しています.

ところが事業初年度つまり1972年に建設したヘーベルハウスは事業設立31年目の2002年30年目点検です.

入社1年目の新人が夏に買った車の3年点検は,入社4年目の夏です.

事業設立×年目,入社×年目は×年目に入ったという意味です.一方×年目点検の方はまる×年経過したという意味です.意味が違うのです.

2002年9月が住宅事業設立<30周年>です.2001年はなんでもない年なのです.それをあえて事業設立30年目と表現し30年を全面に出しました.

事業設立30年目で「30年目点検」は錯覚を利用したインチキコピーです.

旭化成の表現を借りましょう.

なんとかうまく消費者をだましたい.「そんな想いが,きっとあるんじゃないかな.」

全面広告に登場されたお客は旭化成の御華客(おとくい)かもしれませんが,ヘーベルハウスを買ったお客ではありません.

旭化成は全国の消費者をだましたのです.

旭化成はJAROに対してきちんと回答するでしょうか.



2002年元旦の日経新聞の日経広告賞の「広告」頁に旭化成会長山口信夫氏が登場しました.前の方にある授賞スピーチ,終わりの方の経歴にご注目下さい.




旭化成は宣伝に長けた企業です.たしか前回もイヒの広告で日経広告賞を受賞していました.冒頭で触れた『家は建てた後が大事なんだ』もなにか受賞しています.
旭化成は知名度NO1の化学メーカーです.

「化学メーカーにしては珍しく、旭化成は一般の知名度が高い。古くは再生セルロース繊維「ベンベルグ」に始まり、食品包装フィルム「サランラップ」、軽量コンクリート鉄骨住宅「ヘーベルハウス」など、一般消費者になじみのある製品が多い。宗茂、猛兄弟を生んだマラソンや、シドニー五輪で惜しくも銀メダルとなった柔道の篠原信一選手(現天理大)をはじめ、スポーツメセナ活動にも熱心だ。」 (ある投資家向けレポートより)

私は山口会長がグッドデザイン賞審議委員会委員長を務めておられることを知った時,合点しました.素人の理解を超えたイヒキャンペーンのセンスの良さがどこに起因するのかを.

さて山口会長は次のようにスピーチされました.
「住宅事業が本格的にスタートして2002年9月で三十年になる.節目の時に住宅関連の広告が評価され感慨深い」
この30年は言うまでもなくまる30年経過した,つまり30周年という意味です.事業設立30年目という全面広告の表現が為にするものであることがおわかりでしょう.

30年前つまり1972年9月が30周年の起点です.住宅事業本格進出祝賀パーティーでも開かれたのでしょうか.そんな馬鹿な.


記念すべきヘーベルハウス第一号棟が竣工し,客に引き渡されたのです.建材供給メーカーにすぎなかった旭化成は,先行十数社に遅れはとったものの,安かろう悪かろうが定着しかけていたプレハブ住宅分野に,高品質ヘーベルハウスで,はじめて進出したのです.
旭化成は遅れてきた一介の新参者です.開発技術陣も将来に確信はなかったでしょう.後年旭化成のもうけ頭になるなど誰が予想したでしょうか.

ヘーベルハウスが成功したのはドイツ生まれのへーベルパネルが優秀だったことそしてヘーベルハウスの基本コンセプトが優れていたからでしょう.現在のヘーベルハウスは技術的優位性が薄れ宣伝先行だと言ったら言い過ぎでしょうか.


ヘーベルハウスの30年目点検は1号棟のお客で2002年9月ということになります.全面広告のお宅は第一弾が2001年6月,第二弾が同年7月に30年目点検を受けたのですから,建設時期はいずれも1年あまり1号棟より先行していることになります.

この間に増築実施テスト,モニター結果反映その他商品化のための最終テストと改修が建材事業部内で実施されたと思われます.
山口会長はヘーベルハウス誕生当時,総務部長で2年後に住宅事業部長に就任されておられます.住宅事業の育ての親ではあってもヘーベルハウス生みの親でないことは確かです.



山口スピーチは次のように言い換えることができます.

「旭化成は1972年に住宅事業に本格的に進出しました.」


「もしもし,旭化成さん?元旦の新聞に出ていた山口スピーチはまさか嘘じゃないですよね?旭化成さん・・・」
赤字部分は日経1月24日付の旭化成の「30年一括借上げシステム」全面広告の頭と尻尾を頂きました.この全面広告は,改善の兆しが見られ,私は評価します.
「1972年住宅事業に本格進出というのは嘘じゃないですよね?旭化成さん・・・」

住宅事業を建材事業を含むと拡大解釈し,本格的進出がヘーベルハウス販売開始を意味すると旭化成が回答すれば山口スピーチは嘘じゃありません.しかしそう回答すれば,全面広告が真っ赤な嘘であることを認めたことになります.

山口スピーチは補足説明を加えれば本当になりますが,旭化成が補足説明する筈はありません.なぜなら山口スピーチの真意は1972年ヘーベルハウス販売開始という真実を伝えることではなく,1972年ヘーベルハウス<本格>販売開始,つまり1972年以前にもヘーベルハウスを売っていたという,全面広告の嘘と辻褄をあわせた嘘を言うことにあるからです.


旭化成は質問には答えず「1972年に住宅事業に本格的に進出しました」とあいまい表現を繰返すでしょう.山口スピーチはこのままの形でJAROに対する回答になっていると思われます.

旭化成は責任ある回答には縁のない企業です.嘘をついて申し訳ありませんと謝罪しない企業です.なぜってイメージが壊れるのをなにより恐れているからです.ドイツ生まれのへーベルパネルに源流があると思われる堅実で信頼できるという旭化成のイメージが.

山口会長は慶賀すべき30周年の起点を,住宅事業本格進出とぼかし全面広告の嘘と整合性をとりました.このことは30年目点検異常なしの異常な全面広告が,山口会長の指示・了解のもとで打たれたことを示唆しています.




尻っ尾


山口会長スピーチは二つの意味で重要です.


もし山口会長が「今年はヘーベルハウスが誕生して30年になる節目の年だ」と真実をスピーチされたとしましょう.この場合スピーチに重要性はありません.ヘーベルハウスが1972年生まれであることは,山口会長にお聞きするまでもなく,旭化成の沿革に明らかだからです.

宣伝費をどぶに捨てているイヒの広告とは違い,30年目点検異常なしの全面広告は,旭化成の「建てたあと」戦略に関わる重要な広告です.そして宣伝担当役員といえどもこんな嘘広告を独断で打てるわけがありません.しかし山口会長があくまで,真実は一つだ,私は嘘を言わないと言い張れば,結局はトカゲの尻尾切で終わる可能性が高いと思われます.

幸いにもというべきか,山口会長は真実を語られませんでした.山口会長は尻尾を出したのです.


二つ目は我が家の事件と対比すれば明らかになります. 30年点検異常なしの全面広告は,全国紙に2回にわたって打たれたのですから,はじめから公の性質を持っています.そして広告内容はヘーベルハウスの歴史に関する話です.旭化成が完全黙秘を通すことはできないのです.

一個人の家で起こった塗料すりかえ事件を黙殺することは容易です.しかしヘーベルハウスがいつ誕生したのかはそうはいきません.ヘーベルハウスの歴史が話題になった時,旭化成はいったいどう説明するつもりでしょうか.


説明はつねに口頭で行われるでしょう.

1972年販売開始という真実と矛盾しないように,2001年夏の全面広告と整合性がとれるように,舌先三寸でごまかそうとするでしょう.

山口会長スピーチがそのお手本です.旭化成は当面2002年9月の節目を,そして末永く,このごまかしテクニックで乗り切らざるをえないのです.

嘘の代償のなんと大きいことか.







山口信夫氏は旭化成の売上の約3割を占める「住宅事業の育ての親」で現在日商会頭でもあります.記事でおわかりのように副社長から会長になられたという経歴をお持ちです.この山口氏こそ旭化成の保身体質の元凶であると噂されています.


・・・・・繊維業界のドン,旭化成中興の祖と言われた実力者宮崎輝氏が死去した平成4年、権力闘争がありました.宮崎氏に秘書室長,総務部長として永く仕え当時副社長であった山口信夫氏を味方につけるか否かが勝負の分かれ目になったようです.そして山口氏は交換条件を出したのです.取締役会議での動議は、議長にしかできない旨社則を変えるという条件を.つまり
三越の故岡田氏のような、”なぜだ”ができないように、解任動議は議長である自分ー会長にしかできないようにした
のです.山本現社長派(若手派)は、この条件を飲みました.会長までもが保身を前提に社則を変えたという前代未聞の会社です.下々が、保身に走ることに何の不思議がありましょう・・・・・


と言われています.(噂を公表した責任はTA老にあります.)

山口会長と山本社長の関係を,ドンと関係付けて推測しました.ご参考までに.
あらためて改革の人


(クリックしてお読み下さい.戻りはブラウザーの戻り機能をご使用下さい.)


山口会長は社則の変更には成功したかもしれません.しかし社史の変更は不可能です.山口会長は老・老リレーと批判されても長年待ちつづけた日商会頭のポストに就かれた方です.責任を潔く認めるなどありえないことなのかもしれません.






建てたあと

−旭化成のリフォーム事業−



旭化成の住宅事業には二つの柱があります.ヘーベルハウス新築事業とリフォーム事業です. リフォーム事業はヘーベルハウス購入顧客(ヘーベリアンと旭化成は呼んでいます)を対象に,外壁塗り替え,防水シート補修,増改築などを行っています.

リフォーム事業の2000年度の売上実績は195億円です.2006年度には500億円を目標としています.この不景気の中リフォーム事業に驚異の急成長を見込んでいます.
新築事業とリフォーム事業をつないでいるのが50年(無償)定期点検です.
旭化成の「50年点検システム」の点検時期は3ヶ月,1年,2年,5年,10年,15年,20年,25年,30年,40年,50年です.(10年先の話ですが40年以降は有償)

現在では他メーカーも無償長期点検を制度化しています.例えばSハイムの「60年長期サポートシステム」では5年ごと60年間無料で住宅診断するそうです.(2001年11月17日付け全面広告)


2001年時点では最も古くからのヘーベリアンでも25年点検しか受けていないのです.にもかかわらず旭化成は「顧客」の顔写真付きで30年点検異常なしと全面広告を打ったのです.1年辛抱しきれずに5年フライングしたのです.

あらためて報告します.これが30年目点検異常なし第二弾の全文です.



もう30年?って感じです.


 ヘーベルハウス宮部邸.千葉県舟橋市,今年築30年.

 右は,新築当時家の前で撮った家族の記念写真.左は同じ場所から最近撮ったご夫婦の写真.ご主人の髪はすっかり白くなられました.奥様は変わらずにおきれいです.二人の息子さんは.社会人になり現在独立されて別のところに住んでいます.激動と言われたこの30年.宮部家には平和な時間が流れていたことを,ご夫婦の穏やかな表情がもの語っているような気がします.

 さて,家族が幸福を長く維持してゆくために,家にできることってなんだろう.ヘーベルハウスは,このことを考えてきました.その答えのひとつは,家のことを心配せずにずっと暮らせること.ロングライフ住宅ヘーベルハウスを支えているのは,新築当時の性能を保ちつづけられる基本性能です.例えば,外壁,屋根,床材に使用されているALCコンクリート・ヘーベル.完全無機質のこの建材は,経年劣化が極めて少なく,耐水性,耐火性,遮音性などにすぐれた性能を持っています.もちろん鉄骨躯体や基礎部分も,頑丈そのもの.

 さらにヘーベルハウスでは,50年目まで定期的に点検するシステムをとっている.この7月に宮部邸で行われた「30年目点検」.玄関ドアのビスのゆるみ,屋上防水シートのきずなど,軽微な補修を必要とする数箇所を除いて,異常は見つかりませんでした.また同時に,綿密なメンテナンスプログラムにより,耐用年数に応じた補修や部品交換を計画的に行っています.

 そして家族が幸福を長く維持してゆくために家にできることのもうひとつの答えは,家族の変化とともに,家も変化していくこと.二枚の写真の比較で明らかなように,30年前テラスだった場所の一部が増築されている.子どもの成長に合わせて,室内スペースを広げる必要があったのです.ヘーベルハウスの鉄骨躯体は,家族構成の変化に合わせて増改築ができる設計自由度の高さが,大きな特徴の一つです.

 日本の家の平均寿命は約26年と言われています.でもこの宮部邸にとって,それはほんの通過点にすぎません.

 ヘーベルハウスを建てた方は,30年後にこうおっしゃいます.家は建てたあとが大事だったんだ,と.あらためて報告します.宮部邸,


「30年目点検」,異常なし.

画像


第二弾は次のような構成になっています.

 頭(もう30年?って感じです)
 おべっか
 ヘーベルハウスは頑丈です
 50年点検システム+補修
 ヘーベルハウスは設計自由度が高いです.
 尻尾(30年目点検異常なし)


表題「もう30年?って感じです」はこれだけとれば嘘ではありません.確かに試験棟は30年経っています.

しかし言うまでもなくこの広告は試験棟ではなくヘーベルハウスの広告ですから,表題は嘘になります.結語の30年目点検異常なしも同様に嘘です.つまり頭と尻尾はまぎれもなく嘘です.それでは中身の方はどうでしょうか.



もう30年?って感じです

(クリックしてお読み下さい.戻りはブラウザーの戻り機能をご使用下さい.)




おわかり頂けたでしょうか.中身もまともではありません.しかし消費者が一読した印象は違うと思われます.漠然とヘーベルハウスそして旭化成という企業に信頼感を持ったのではないでしょうか.この広告は一筋縄でいかない広告なのです.



30年目点検異常なしと声高に叫べる根拠はなんでしょうか.

ヘーベルハウスが頑丈だからでしょうか.50年点検システムのおかげでしょうか.

それらの寄与が全くないとは言いません.しかしあくまで脇役です.

30年目点検異常なしと大声出せるのは補修のおかげです.補修こそ主役です.



もし仮に補修に関する一文

(定期点検の実施と) 同時に,綿密なメンテナンスプログラムにより,耐用年数に応じた補修や部品交換を計画的に行っています.


が無かったならばこの全面広告はどうなるでしょうか.

ヘーベルハウスが頑丈であるため軽微な補修だけで30年目点検異常なしという意味になります.これは事実に反する嘘です.
ヘーベルハウスはメンテナンスフリーを指向した住宅ですか?違います.

最新ヘーベルハウスには塗り替え不要な外壁タイプのものがあるかもしれません.防水シートも昔より厚くて補修コストも少しは軽減されているかもしれません.

しかし最新仕様をあたかもヘーベルハウス全般の基本仕様であるかのようにすりかえた反論は許されません.私はこの30年の間に建設された大部分のヘーベルハウスのことを言っています.

30年目点検異常なしと言うためには,30年の間に金をかけた補修が何度も必要なのです.

もし補修に関する上記一文が省略されていれば,30年目点検異常なし全面広告は詐欺広告になります.

補修の一文はアリバイとして挿入されたのです.消費者にとってまるで目立たないこの一文は旭化成にとって詐欺で捕まらないために無くてはならない重要な一文なのです.
外すなわち一般消費者に対しては補修はこのように陰の存在です.ヘーベルハウスは補修に金のかかる住宅だと思われたくないのです.

しかし内すなわちヘーベリアンに対しては補修は資産価値を維持する上で大変重要だと力説します.そして一般業者に補修させると危ないよ,旭化成に任せると安心だよと話は続くのです.

アリバイを検証してみましょう.

アリバイには補修が有償であることが伏せられました.主語もあいまいにされました.なぜでしょうか.
「旭化成は耐用年数に応じた補修を有償で請け負っています.このお宅では30年間でXXX万円の補修実績があります」
と本当のことを言ったとしましょう.この全面広告は実績を売っています.リフォーム事業の実績も宣伝できるのですから,一石二鳥です.ところが読んだ消費者は

そんなに金がかかるのかとあっと驚くでしょう.そんなに金をかければ30年目点検異常なしはあったりめえだと思うでしょう.宣伝にならないではないですか.一石二鳥どころかやぶ蛇です.


旭化成は核心に触れる有償という言葉を隠し別の話でアリバイを飾りました.それが笑止千万な「綿密なメンテナンスプログラム」です.8年から10年ごとに塗り替える,素人でも知っているたったそれだけのことを「綿密なメンテナンスプログラムにより」と格好をつけたのです.

旭化成の補修は街の一般業者の補修とは質が違うと匂わせているのです.これが本当の一石二鳥です.アリバイにはくがつくのはもちろんブレイクスルー企業旭化成の宣伝にもなっています.



30年目点検異常なしはヘーベルハウスの堅牢さのおかげだ,あるいは50年点検システムというアフターならぬアクティブサービスのおかげだと,全面広告は言おうとしています.ところが本当は金をかけた補修のおかげです.旭化成はこの真実には触れず,ただ旭化成の補修はものが違うとだけ言いました.なぜか.


旭化成の補修には具体的に宣伝すべき中身が何もないのです.ただ高いだけなのです.だから旭化成は隠したのです.そしてヘーベルハウスのブランドイメージを高めるために,30年目点検異常なしと大声で叫んだのです.


全国紙の全面広告で白昼堂々と嘘をつきながら

旭化成はブランドイメージを売ったのです.

リフォーム事業の中身には

売るべきものが何もないのです.

全面広告の中身は詐欺同然の綱渡りです.頭と尻尾は中身を反映したおまけの嘘です.おかげで全面広告はまぎれもない詐欺広告になりはてました.

日経広告賞の常連である旭化成のこの「30年目点検異常なし」の全面広告は,日本広告史に永く残るかもしれません.



さて2002年1月4日の朝日新聞朝刊に『急げ「安心」の仕組み作り』と題する社説が載りました.以下にその中段部を引用します.



(前段略)


 ただし,社会保障政策の枠内だけでは,その実現は難しい.「安心」の仕組み作りに住宅政策や産業政策などを総動員し,政策同士を有機的に結びつけるグランドデザインを描かなければならない.

 たとえば,中古住宅の価値をきちんと評価する制度や流通市場の整備がある.


意図せざる遺産を残す

 夫が65歳以上の高齢者夫婦の世帯は平均して4千万もの住宅・宅地資産を持っている.なのに不安を訴え,せっせと貯蓄する理由の一つは,家がうまく売れないからだ.老夫婦には広すぎる,こぢんまりとした家やマンションに引っ越したいがままならない,という人は少なくなかろう.

 世代に応じた住み替えが盛んな米国では,大きな家を売ってフロリダあたりでゆったり過ごす話をよく聞く.売買益を生活費に回せば,貯蓄を増やす必要もない.

 高齢者の残した遺産の大きさを日米比較した興味深い資料がある(ニッセイ基礎研究所などによる).米国では年間可処分所得の5倍なのに,日本は20.8倍もある.不安にかられながら,結果的に年間所得の20倍もの「意図せざる遺産」を残すというのが,この国の老後の姿である.

 まだ十分使えるのに,古い住宅は無価値になるだけでなく,壊す費用を取られる.こんな無駄な話はない.中古住宅の市場が広がれば,高齢者は自宅を売りやすくなる.安心感が高まり,消費も増えるだろう.医療費の自己負担を増やすなど,応分の負担に応じる余裕も生まれるはずだ.

 広く良質な中古住宅が手に入れば,後の世代の安心も増す.リフォーム市場が拡大し,住宅廃棄物は減る利点もある.

(後段略)




意図せざる遺産とはよくも言ったりです.この社説を書いた朝日新聞論説委員?はどのようにして故人の意思を確認したのでしょうか.

上記引用部分は実は一ヶ月前の日経新聞の署名入り経済解説記事の完全な受売です.日経記事の方は朝日社説と違い論理の筋道がトレースできるように書かれています.

日経記事を読むと旭化成が「中古住宅の価値をきちんと評価する制度や流通市場の整備」に黒衣として深く関与していることがわかります.オリジナルを調べてみましょう.



だから任せてストックヘーベル

(クリックしてお読み下さい.戻りはブラウザーの戻り機能をご使用下さい.)




旭化成は3年前からヘーベルハウスの中古仲介を手がけ100棟の売買実績をあげています.成約価格平均が4377万ですから3%手数料を売買双方でとったとして3年間で2億6000万程度の売上になります.
100棟の平均築年数は12.5年です.「古いものから新しいものまでまんべんなく」売りに出されています.
リフォーム事業の売上は単年度で200億程度ですから中古仲介はリフォームの足元にも及びません.旭化成は中古市場で儲けようとしているのではないのです.中古仲介そして中古買取は,リフォーム事業販売促進のための単なる餌です.


こうして焦点はリフォーム事業に絞られます.どんな手練手管を弄してリフォーム契約を獲得しようが,もし旭化成のリフォーム業務がきちんとしたものであれば,誰も文句はつけないでしょう.



旭化成の補修は旭化成配下の業者に丸投げされます.頭(商談)から尻尾(検査)まで旭化成の上っ張りを着た業者が行うのです.

旭化成はなにをしているのでしょうか.

旭化成はピンはねしています.承認印を押しています.お客の為になる事はほとんどなにもしていません.

旭化成の役割は一つには広告塔として集客することです.その為に信頼できる旭化成というイメージを消費者にすりこもうとしているのです.30年目点検異常なしの全面広告のように.


旭化成にはもう一つ重要な役割があります.不祥事を隠蔽するという役割が.歴史ある大企業旭化成は,業者では逆立ちしてもできない方法で隠蔽する「技術力」と,余裕で各地のくさいものに蓋ができる「資金力」をあわせ持っているのです.




「30年目問題」 補足資料
30年目点検異常なしの全面広告に対して,私は最初部品交換という言葉にひっかかり内容を調べ始めました.家は建てた後が大事なんだの広告も引っ張り出して見ていたところ,ヘーベルハウスは27年前に一棟目が建設されたという記述に出会いました.私はまる29年経った点検を「30年目点検」と目を付けた新語でごまかそうとしているのではないかと疑いました.ふと写真をみるとS46.11月と書いてあるではありませんか.30年経っていたのです!

以下の補足資料は今となっては考えの足りないものですが,私が迷った途中の状態が少しわかるのでほとんど蛇足ですが,残しておきます.
  1.『「30年目点検」って?
  2.『1972年


知らぬが仏ホームへ