NEW(8月29日) Updated(8月30日)
引導の/つもりが馬に/念仏か
旭化成がこの事件の骨格を知った日が2月27日である.はや半年過ぎた.
私はこの一文を旭化成に対して引導を渡すつもりで書く.もちろん旭化成がどう受け取ろうとそれは全く旭化成の自由であることはいうまでもない.
私は,仕様変更確認なし,変更契約なしで工事を完了し,そのまま放置し,2ヶ月後に発覚した今回の事件が,過失の連鎖で起こったとは到底信じる事ができない.理由は『知らぬが仏』で詳述したとおりである.
ところが,旭化成は悪意はない,悪気はなかったと口癖のように繰り返した.
私は7月末に『灰色の果実』という叙事詩風の事件サマリをまとめ,二つの質問にすべてを集約した.見本に関する一つ目の質問の答が,嘘だったとはっきりすれば,過失ではなく故意である事が証明される.
半ば予期した事とはいえ答はいまだに返ってこない.嘘にきまっているので答が返ってこないのは,仕方がないといえば仕方がない.
あくまでじっと答を待っていてもいいのだが,歳をとると気が短くなるもので私から動いた.
私は考えた.何を根拠に悪意はないというのであろう.根拠となる文章はあるにはあった.私はその文章を,盗みがばれた盗人が,わけのわからない理由をいって自分は悪意で盗んだのではないと主張しているらしいとしか読めなかった.十分読み解く事はできなかったが,すでに事態は十分明らかでこんな文章は取るに足りないと軽視していた.
ところが,どう考えてみてもこの文章しか悪意はないと主張している根拠になるものは思い当たらないのである.軽視したのは実は誤りで,旭化成にとっては専門家が作った軽視してもらっては困る大事な文章だったようである.次にその文章を示す
『「無断という考えはありませんでした」というのは,A様にとっては無断になる事ですが,弊社として決して悪意はございませんでした.ご契約前に,弾性タイルの見本を見せて,RWはこのようになりますと説明した時にご主人,奥様より「できれば吹き替え工事前の仕上がりが良い」とのお話があり,契約後着工前に材料の取り寄せができる事を確認し,奥様にできますと返事を致しました.奥様は「主人もそれが良いと言っているので,ご主人に話しておくので,そうして下さい」という事になりましたとMリフォームコディネーターよりSに報告があり,A様のご要望を取り入れたつもりで進めさせて頂いた次第です.ところがご要望はRWからSXに変更するという弊社の認識間違いであった事がご指摘でわかりました.結果として無断と取られてもしかたのない結果となりました.』
私は『知らぬが仏』でここを次のように解釈していた(『蛇足集 6.無断の仕様変更について』を参照)
『新製品でどこまでスタッコ仕上げが可能か確認するという話が,旧製品の取り寄せが可能かという話にすりかわっている.A本社では,この旧製品はまだ製品メニューにあるぐらいだから,取り寄せなど容易な筈である.メーカから取り寄せたのではなく,年末にあの職人さんがいったように在庫を探し回ったのだ.見つかった時点で,妻にできますと報告したことになる.旧製品ならできるのは当たり前のはなしである.M君は妻にただできますとだけ言ったのだ.
話はちがうが,『弾性タイルの見本を見せて,RWはこのようになりますと説明した...』の部分はつい見逃してしまうところだったが,はっきりと嘘である.弾性タイルの見本をRWがこのようになるなどといって使ってはいないのだ.弾性タイルの見本はあくまで別製品の参考見本である.』
この解釈は全く不十分であった.直接妻の言葉がかぎ括弧で引用されており,不気味な文章であるとは感じていたが,これ以上の分析はできなかった.
6月中旬に旭化成工業,旭化成ホームズ両社長あてに,『知らぬが仏』を提出したとき,旭化成はこの文章がまだ読み解かれていない事を知ったに違いない.あるいはそこに一縷の望みを抱いたかもしれない.
私は分析にかかった.8月2日に『とにかく悪意はありません』という分析結果を載せた.実はこれもまだ不十分なものであった.
ところがその2日後,旭化成西日本エリア責任者Sig殿より,1ヶ月ぶりに文書が届いた.私からの文書に対する返事という形をとっていた.私の文書というのはその1週間ほど前に,TA老の部屋のURLアドレスを念の為知らせておいただけのものであり,返事を要求するような類のものではなかった.Sig殿は子供の喧嘩を仕掛けて,焦点をそらせようとしたのだと私は解釈した.
私は幸いにも,さらに深く分析することができた.8月7日登録の『とにかく悪意はありません』である.詳細は後ろの方で見て頂く事にして,本質は次のようなものである.
『盗人が,無断でとったわけではない,ちゃんと店員に「ことわりました」と申し開きした.』 曖昧に「ことわりました」と言っている点が,実にこの文の命である.いったい何をことわったのか.「今から盗みますとことわりました」とは書いてないのである.そう言ったのなら確かに無断ではない.もちろんそう言った筈はないのである.
『とにかく悪意はありません』改訂版を登録した日は土曜日である.これに対し週明け火曜日の日付でM社長から重要な短い文書が届いた.
7月1日にSig殿から最初の返事が返って以来ほとんど動きがなかったものが,『とにかく悪意はありません』掲載を契機に急に旭化成が動いたのである.それは旭化成の立場を一段と苦しくする結果になった.
掲載と旭化成の動きの関連はむろん偶然かもしれない.ひとつはっきりといえる事は,『とにかく悪意はありません』の分析により,旭化成が発行した文書の全ての分析が終了した事である.誤魔化すための文章の構造がすべて明らかになったのである.なんと多くの嘘が,故意を過失にすりかえる事を目的に,巧妙にちりばめられていたことか.
釈明するために必要な論理的拠り所が,旭化成には全く無くなったのである.今やただの一つも無いのである.
M社長の文書は,今回の事件で旭化成中枢が早い段階から関与している事を示すものであった.私はそれに対し『経営者よ,心せよ』を8月16日に掲載した.
このようにして,旭化成塗料すりかえ事件は次の3つの文書によって全体をもれなく記述する事ができることになった.
『知らぬが仏』+『とにかく悪意はありません』+『経営者よ,心せよ』
そして事件全体から帰納的に得られた旭化成の行動規範は次の裏の心得に集約される.
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『旭化成グループ
事件処理心得』
信用の
護持のためには
すべからく
故意を過失に
すりかえるべし
8月25日 見届け人TA老
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もちろん,表の心得の下2行は,誠意をもって/対応すべしになっている.旭化成の対応は暴言,脅しとは無縁の紳士的なものであった.論理で異議申し立てした事に対し,脅しで応えるような事は一切なかった.この事の重要性は組織に対しなにかを個人的に挑んだ経験のある人ならわかってもらえるだろう.とにかく論理には論理で応えてきたのである.ただし今回の事件では,論理は論理でも糊塗の論理,つまりは裏の心得が例外なく適用された.
今回の事件に登場した旭化成のS氏,K所長,M社長,Sig氏はすべて旭化成の『心得』を遵守して各々職責を果たしたのである.『知らぬが仏』ではK所長の精神構造云々と書いた個所があるが,私が浅はかだったため彼がたんに旭化成の『心得』を遵守したにすぎなかった事を見抜けなかった為である.
旭化成は,事実と事実に基づく推論によって,論理的にはすでに追いつめられて身動きとれない状態であることは誰の目にも明らかである.そして旭化成糊塗の論理が破綻した事もいまや明らかである.
旭化成はこの半年間そうしたように真実を語らず居直ってもそれは旭化成の勝手である.『言葉足らずで申し訳ない』などとこの期に及んでまだきたなく取り繕って謝罪する位なら,今までどおり壊れたレコードのように『とにかく悪意はありません』を繰返すべし.
外壁の塗り替え工事を依頼する客は,壮年期に新築し,10年後,20年後の中高年が多いであろう.つれあいに先立たれた一人暮らしの老人も多いに違いない.新築時の経験から,旭化成に対して全幅の信頼を寄せている客もきっと多いに違いない.ヘーベルハウスは誇りうる製品だ.
そのように信頼しきっている中高年客に対し,信用を逆手にとって高い価格をおしつけ,安い塗料にすりかえる事など赤子の手をひねるより容易である.我々夫婦の場合のように.
旭化成の誰が,そんな恥知らずな商売はしていないと断言できるのか.ただの一人もいないではないか.
1999年8月29日 TA老
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