「イヒ!」キャンペーン

 

あッひらめいた.イヒ!

私たちの暮らしの様々な分野と深く関わりながら,
時代とともに変化する企業C社.

社名の真ん中の「化」こそ,
イノベーションカンパニーとして,
ダイナミックに進化するC社の「ヒラメキの音=イヒ」なのです.

新しい価値あることをひらめき,
それをつくりあげてイヒ!
多くの人々に喜んでもらってイヒ!
ひとと社会の幸せをよろこびとして,
止まることなく,
勇気をもって変わっていくC社にご期待ください.

(日経2000年12月13日夕刊,全面広告「水着キャンペーンガール企業当てクイズ」より)

 

この一見空虚でうすっぺらな作文は,
実は本質を深く洞察した珠玉の名文です.
ただしイヒは化を分解しただけで素朴すぎ言葉足らずだと思われます.
イヒはイヒヒとすべきです.イヒイヒでもいいかもしれません.
より正確に表記するとイッヒッヒです.
C社の辞書ではあの光輝あるユーレカがイヒヒなのです.

ユーレカ適用例はこうなります.
あっひらめいた.イッヒッヒー.

いったいなにをひらめいたのでしょう.
よからぬことをまたきづいたにきまっているではないですか.

C社のど真ん中,真髄は,実に実に実にイヒヒなのです.
動かぬ証拠は看板のロゴマークに誰の目にも明らかです.黒でなく白でなく色つきです.

書きながら笑えてきました.
こんなにわらけてくるのは,どーちてなの.ねえおせーて.

百の説法屁ひとつというではありませんか.
TA老の生きた証である長編力作が,コピー屋のショートショートに負けているのです.

私はかくもユーモアを解するC社にだまされたことを,神に深く感謝します.
勇気をもって変わっていくイノベーションカンパニー旭イヒ成に乾杯!!!

  (以上 2000.12.14 酔いどれぷーたろー原文作成)


 

しらふになって考えても,旭化成の宣伝コピーはブラックジョークすれすれだと思います.
「ヒラメキの音=イヒ」という強引なこじつけ以外に,旭化成に宣伝すべきものはなにもないことを,旭化成は自ら宣伝しています.

ヒラメキの音はユーレカなり.
ごまかしの音はイヒなり.
ヒラメキの音をイヒというは,旭化成得意のすりかえ技なり.

本文をお読みいただければ,すれすれどころか,ブラックジョークそのものだと気付いていただけるでしょう.

 

旭化成から「水着キャンペーンガールクイズ」というすてきなお歳暮をもらった翌日,我が家にリクルートブック2001という本が送られてきた.昔の就職情報である.熟読すべき本人は,ほとんど関心を示さず放置してあったので,賀状の原案もできてちょっと一息して酒の入った我輩がかわりにちらと中を見た.第一分冊はメーカーの巻である.なんの因果か,眼はしらずしらずC社に向かう.

(川上から川中,川下へと進出するC社の姿を)一般消費者にわかりやすく訴求した例として,TVCMなどで展開中の「イヒ!」キャンペーンがあるそうです.そしてイヒは旭化成の真ん中の「化」をばらしただけではなく,「記号的に表現したもの」だそうです.そして3連打,まずこのキャンペーンにより旭化成の認知度が急上昇中だ,つづいて,若年層を中心に好評の「イヒ!」のロゴ,3発目は「イヒ!」キャンペーン絶好調・・・・とどめはページ先頭,先輩達の入社理由の3つ目に,会社の自由闊達&柔軟な風土がうかがえる「イヒ!」キャンペーン

イヒキャンペーンはたんに水着キャンペーン用の軽いコピーにあらずして,旭化成の真髄なり.前途ある若者に対する旭化成のメッセージなり.それをブラックジョークなどとぬかすのは,不届き千番,手打ちにしてくれようぞ.ちょっとこわくなってきたので,あすしらふでもう一度考えよう.(12月18日午前2時半)

しらふのTA老は語る.

もし「イヒ!」キャンペーンがCI(企業イメージ確立)戦略の一環だとしたら,すこし恥ずかしいというか,情けない気がします.化という字をあれだけ飾り立てるのは,地味な化学からよほど離れたいのでしょう.マラソンや陸上で名前を売っただけでは,まだまだ不足のようです.旭化成はひとびとに一体どんなイメージを持って欲しいのでしょうか.

ヘーベルハウスのハーイといって帽子?をとるかわいいキャラクターが与えるイメージが,イヒづくしによって随分変質しているように感じます.ヘーベルハウスで築いた信用が,長期点検・長期保証にからめて展開されているリフォーム商売で汚され続けていることに,あたかも呼応しているかのようです.