天使と悪魔の安藤一人

事件は2004年の初冬に起こった。
管理人のひとりKoiさんが「Profileのページの安藤くんが変だ」といいだしたのである。
そういわれてみると、たしかにProfileのページ、開くのがなんとなくいやだったのだ。それは、後から理由をつければ、無意識に変な写真の安藤さんを見たくなかったのかもしれない。
どこが変なのか。やがてKoiさんが答えを見つけた。
「左右が逆版になってます」。
そうなのだった。写真の左右が逆になっている(2004/12/31には修正しました)。
これは気づくようで気づかない違いだ。むろん、正しい写真と左右が逆の写真と2枚を並べてみれば明らかではあるのだけれど、人の顔は、左右でまったく違っているものである。したがって、左右逆版の写真は、同じひとなんだけど、なんだか少し違うとか、兄弟のように見えるとか、そんな微妙な違いを醸し出すのである。
それにしても、それに気づくまでに、いったいKoiさんは、何度安藤さんの顔をしみじみ見たのだろう。じつに愛である。この事件は愛に関する事件である。
左右が逆転した写真は、不思議な表情を見せる。ふだん見ている顔の筋肉は、よく使う側と使わない側の癖があるといわれている。
「感情に関する脳の両半球の能力の違いは、感情の印象だけではなく、表情についても当てはまる。これは人の顔の左右が対象でないことを利用した実験によって示された。
(左右の顔を別々にして作った)合成写真のどちらが本物に似ているかを調べてみると、右半分の顔の方である。このことは、顔の同一性が主として右の表情によって決められていることを意味している。
顔の右側が長続きする安定した表情を示す一方で、顔の左側はむしろダイナミックな力によって際立っている。これもまた合成された顔の研究によって確かめられた。そこでは喜びや驚き、恐れ、悲しみ、怒り、嫌悪と言った様々な感情を現わす顔が選ばれた。
ある総合的な研究において、感情は実際にいつも顔の左側により強く表現されることが示された。しかし感情が表現される場合の顔の左側の優位性は否定的な意味合いをもつ感情、つまり嫌悪、怒り、悲しみ、恐れといった感情に限られる。喜びを表現する場合にはこのような非対象が現われない。
意識のなかの時間/エルンスト・ペッペル/田山忠行・尾形敬次/岩波書店
試みに、安藤さんの左右逆転の写真だけでなく、右側の顔と左側の顔を合成して写真にしてみた。
たしかに、『意識のなかの時間』にあるように、右側の顔は本人に見えるが、左側の顔は、整いすぎていて、なんだか別人に見える。
というわけで4種類の写真を用意してみた。どれがどの安藤さんかわかりますか?

正しい写真 左右逆転
右がお 左がお