star_yellow.gif手作りせっけん

せっけんマニアの間では有名な「お風呂の愉しみ」を読んでから
自分でもせっけんを手作りするようになり、はまってしまいました。

初めてのオリーブせっけんを作った後は、ネットサーフィンをして
他の方々のせっけん作りを見てみたり、油脂関連の本を読んだりして
勉強しています。原料となるオイルのそれぞれのけん化価を調べ
目標とするけん化率を設定し、計算して苛性ソーダや水の量を組み合わせることで
無限のオリジナルレシピが出来上がります。

今のところは、失敗知らずですが、どんなせっけんが出来上がるか
いつもとても楽しみです。
ここでは私の手作りせっけんの一部をご紹介します。

 

 

 材料

作っているときの様子

使用感

オリーブ100%石けん

 「お風呂の愉しみ」と同じ
 けん化率は90%

なかなかトロッとならず、型に入れるまで、きっちり24時間かかりました。型から出すのにも時間がかかるし、
せっかちな私には向かないかも......。

一週間ほどフライングして使ってしまいました。予想していたよりも泡立ちは
よかったのですが残暑もきびしいし、脂性肌の私にはちょっと物足りない洗い上がりです。普通肌や乾燥肌の方なら、しっとりとして良いのではないでしょうか。冬まで待って使うと、硬くなっていいかも。

キャロット石けん

ホーネンこめ油      500g
カロチーノクラシック     120g
苛性ソーダ         72g
精製水           217g

苛性ソーダを入れ始めてから20分を過ぎた頃からトレースが出始めました。早い早い!
温度を高めにし、気温も高かったので全体が透明っぽくなりました。かなり柔らかくて、型出しに苦労しました。

カロチーノ(クラシック)のけん化価が分からなかったのですが、なたね油とのブレンドということなので、いろいろと計算した結果苛性ソーダの量を決めました。
オリーブせっけんと比べると、硬く、泡立ちも良いので大満足です。乾燥が進むと、にんじんと言うよりは、きれいなオレンジ色になりました。白いせっけんばかりだと味気ないので、ちょっとしたアクセントにもぴったりです。

グレープシード石けん

グレープシードオイル 500g
ココナッツオイル    110g
ギー(パームオイル)   120g
苛性ソーダ         95g
精製水           252g

今回初めて、ハンドブレンダーを使用しました。混ぜ始めた瞬間からオイルの色が透明から白っぽく変わり、あっと言う間にトレースが出る状態になりました。ちょっと攪拌しすぎたかもしれません。あと、ハンドブレンダーで混ぜると、タネが飛び散りそうになり、 やっぱり危険かも〜(^。^;)ゞ
もう一台買って、料理の方で、もっと扱い方に慣れてから、再チャレンジしようと思います。

待ちに待った解禁です。きれいな薄緑色のせっけんになりました。
ココナッツとパームオイルも若干多めに入れて、けん化率も高めにしたので
泡立ちも良く、持続するので、頭を洗うのにもぴったりになりました。
季節柄もあり、顔を洗うと、少し乾燥気味になってしまいます。
特に意識したわけではありませんが、
これは、シャンプーバーですね。

ハニーココ

米油           500g
ココナッツオイル     125g
フレグランスオイル     6ml
苛性ソーダ        100g
精製水           218g

急に思い立ったので、オイルが米油しかありませんでした。前にも作ったので別のオイルにしたかったのですが、米油は混ぜる時間がとっても短くて済むので、いいことにしましょう。今回はフレグランスオイル「ハニーココ」をオプションとして入れます。何と10分を過ぎた頃からトレースが出始め、15分後には型に入っていました。それでも、少し混ぜすぎたかと思うくらい。おいしそうな香りが立ちこめて、型に入れた姿は、まるでケーキの様でした。さて、この香りがどの程度残るのでしょうか?楽しみ

残念ながら、香りはほとんど残りませんでした。泡立てても香りません。せっけんに鼻を近づけるとやっと香りがするくらい。でも使い心地はなかなかで、フィジー土産の「ココナッツクリームソープ」にそっくりでした。クリーミーな細かい泡が立ちます。洗い上がりはさっぱり目なので夏場や皮脂の多い人向きです。
髪を洗ってもいい感じでした。これに限らず、手作りせっけんで髪を洗うと、艶が出て、するする手触りが良く、しかも柔らかくなるような気がします。米油の場合は少しココナッツオイルを減らした方が、もろくならないと後で気が付きました。

 

 

 

手作りせっけんに精油を入れない理由

 私は冷製法(コールドプロセス)でしかせっけんを作ったことはありませんが、オプションとして精油を入れたことがありません。最初は、単に面倒臭いのと、精油がもったいないと思っていたからですが、アロマの勉強を進めていく内に、入れてはいけないのではないだろうか、と考えるようになりました。

 手作りせっけんに精油を入れたいと思う理由は何でしょう?1:香り付の石けんにしたいから
                                     2:精油の効能を石けんにも期待して

 香りに関しては、皆さんご存知のように、相当量の精油を入れても、出来上がった石けんに残る香りはわずかです。その精油を、ほんの一滴浴槽に落とす方が、よほどそのままの香りを楽しむことができます。これがアロマセラピー効果です。そして、呼吸器と皮膚を通して、体内へ取り入れられる部分もあるでしょう。それに香りだけの問題であれば、精油ではなく、フレグランスオイルなどの天然ではない香料でもよいはずです。やはり精油にこだわるからには、石けんに効能をプラスしたいと考えるからではないでしょうか。
 石けん、しかもその泡が肌にのっている時間はどの位でしょうか。短すぎて、とても皮膚から精油成分が吸収されるとは思えません。経皮吸収させて何らかの効能を期待するなら、マッサージが確実です。

 効果が不確かな一方で、肌や粘膜への刺激がとても心配です。精油は天然の物ですが、高濃度に凝縮されているため、全てのものが肌に優しく安全とは言えません。しかも精油を石けんのタネに入れてから出来上がりまでのプロセスで、温度の上昇と鹸化という化学反応の中、精油成分がどのように変化してしまうのかは全く分かりません。
 JASのレッスンの中で化粧水の基材として、水とアルコールを使用するものがあります。一般に本などで紹介されているレシピでは、精油が基材に混ざりやすいように、アルコールに精油を溶かし、水で薄める方法です。水とアルコールを混ぜると熱が発生し、温度が上昇(私の実験では1.9〜3.2℃の上昇)するため、精油成分が変質、劣化する事があるそうです。そのためJASでは先に水とアルコールを混ぜてしまい、発熱の後に出来上がった基材に精油をブレンドする方法を指導しています。
 また、医療現場などで効能をシビアに求める場合は、精油を拡散させるにも、バーナーやライトではなく、熱源を使用しないディフューザーを用いることが多いのです。

 精油を手作りせっけんに入れるとしても、それはほのかな香りを楽しむためだけの目的で。また、添加物に変わりはないので、リスクがあることを肝に銘じるべきでしょう。

 ご承知のように、精油は本当に大量の植物の花や葉などを集めて作られた、一滴一滴が貴重な植物のエネルギーのエッセンスです。植物の命をいただいて作られた物です。有機栽培であればなおさらです。決して無駄に浪費することなく活かし切るべきだと考えています。

 

 

 

 

 

 


素朴な疑問 スーパーファットの油はどこへ?

 私は、鹸化率の高いせっけんが好きです。皮脂がとても多いので、工場生産の純せっけんでも問題なく顔も洗え、さっぱりした洗い上がりが気に入っています。
 ただ、せっけんを手作りする場合は多少鹸化率を落として、苛性ソーダの量を少な目に見積もっておかないと、出来上がったせっけんに未反応の苛性ソーダが残ってしまい、過剰アルカリの使えない危険なせっけんになってしまう可能性があります。
 また、肌へ優しく、皮脂を取りすぎないようにと、油分を多めに残したり、型入れの直前の段階で、余分の油を入れたりしてわざと洗浄力を落とすのですが、その油は、最終的にはどうなるのでしょう・・・?

 アロマセラピーの実習で、ヘアパックを行ったことがあります。ホホバオイルに精油をブレンドし、頭皮に擦り込みます。しばらく置いた後、普通にシャンプーするというものです。洗い上がりの髪は、しっとりつやつや。香りとマッサージ効果でとても気持ちも良いのですが、私は考え込んでしまいました。
「これって、このまま洗うってことは、台所にたとえて言うと、油でギトギトのお皿を拭き取ったりせずにそのまま洗うってことと同じよね・・・?油を排水口に流してるのと、同じじゃない!」と考えたところで、次はせっけんに思い至りました。
『せっけんの中に混在している(はずの)油はどうなるんだろう・・・?』疑問はぐるぐると頭の中を駆けめぐりますが、答えは見付かりません。

 一個あたりのせっけんに含まれる油は、ヘアパックに比べると少ないですし、せっけんで洗いながら流れますから「油を流している」という感覚はありません。実際、手作りせっけんを使ったら、排水管が詰まるなどということは起きていません。でも長期間使い続けたら、ひょっとすると詰まりやすいなんていうことになるのかもしれません。だとしたら、水環境にも悪いということですよね。

 明確な答えはありませんが、結局どんな洗浄剤も、多く使えば使うほど、排水汚染も増えます。冬場などで顔を洗って突っ張るときは、洗浄力の劣るせっけんで毎回洗うよりも、普通のせっけんで、使う回数を減らす方がいいのだと思います。皮脂が少なければ、水やお湯だけでも汚れは落ちますし、「びわこ」や「和太布」という、繊維の空洞に油汚れを吸着する布もあります。台所では、洗剤不要のアクリルたわしをご愛用の方も多いでしょう。

 大好きなせっけんが、自分で手作りできる魅力に取り付かれ、夢中になっていましたが、最近では疑問に思うことも多くなってきて、少々困惑気味です。
 決してエコロジストというわけではない私ですが、健康と環境のために、考えることはいろいろとあるのです。