『人間臨終図巻』 山田風太郎著
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木曾義仲
源義経
北条高時
天一坊
エミリー・ブロンテ
管野すが
佐伯祐三
小林多喜二
中原中也
上記の人びとに共通すること。
それは現在の僕の年で臨終したということである。
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この『人間臨終図巻』にはそれこそ死があふれている。
900以上のサンプルがそこにはある。
そのサンプルは臨終の歳別に別けられている。
それ以外の区分けはない。
他殺も自殺も腹上死だろうが、
偉人であろうが天才であろうが犯罪者であろうが
その死に優劣、価値の差などないかのように等価に列挙されている。
「死は万人に平等」云々とよく聞く。
たが、不平等なほどに平等なことがあると
この作品で数多の臨終を 眺めると思えてくる。
善行をしたってくるしみもがいて死ぬ者もある
悪鬼のようは者でも安らかに死ぬ者もある
もちろん因果応報的なものもある
だが、それは生前の人間が作った社会での価値基準なのであり、
人間である以前の生物としての基準では大差がないのかも知れない。
『神は人間を賢愚において不平等に生み、
善悪において不公平に殺す。』 のだ。
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さて
本を閉じ、想像してみる。
自分の死を
苦しむのか
痛いのか
あっけないのか
長い間それに抗うのか
唐突なのか
宣告されるのか
それに耐えうるのか
泣き言を垂れ流すのか
900人もの先人の死を読んだところで
そのくらいしか思い巡らすことが できない自分がいる。
『いかなる人間も臨終前に臨終の心象を知ることが出来ない。
いかなる人間も臨終後に臨終の心象を語ることが出来ない。
なんという絶対的な聖域。』 山田風太郎
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ちなみに当の山田風太郎は2001年7月28日
79才で臨終となる。
奇しくも、7月28日には『人間臨終図巻』に本人も登場するように
江戸川乱歩が臨終したのと同日となる。
死因は肺炎といわれている。
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2005/10/15