『サンタクロースの秘密』 レヴィ=ストロース & 中沢新一 著  

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1952年12月24日フランス ディジョン大聖堂前の広場にてサンタクロース火刑に処せらる。

このショッキングな事件からはじまった当時フランスにおけるキリスト教教会側と、
それに 反対する世論との間におこった論争。

それから本書収蔵されいてるレヴィ=ストロースの
「火あぶりにされたサンタクロース」は 記されたのである。

キリストの降誕を祝う祭りに現代のシンボルと言っても過言ではないサンタクロースは、 いったいどんな火あぶりに値するような悪事を働いたというのか?
なぜに、教会はそれほどまでにサンタクロースを煙たく思っていたのか?

そこからストロースの旅ははじまる。

「ここで重要なのは、  
サンタクロースはなぜ子供たちに人気があるのか、  
というような問題ではなく、  
なぜ大人たちが、  
サンタクロースのようなものを発明するにいたったか、
その理由をあきらかにすることだ。」

と旅の出発を宣言し、

そして中沢新一の言を借りれば

「現代人の知っているサンタクロースの出現には、 長い前史がある。
そして、その出現のプロセスを追っていくと、
私たちは「表象の体系」としてつくられている、
近代社会の本質の一端に、触れていくことになる。」

のである。

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1952年、当時は戦後まもない頃。
フランスはアメリカのマーシャルプランをはじめとする援助のために物質的な豊かさを獲得していた。
援助はなにも物資だけではなく文明も流入してきた。
そのなかにはコカ・コーラのCMにでてくるようなサンタクロース像も入っていた。
そんな表層から、

このサンタクロースという神を作り出した、
現代まで伝えてきたはずの 大人自身はその存在を信じておらず、
にもかかわらず子供達にその存在を信じさせようとするという

社会を大人と子供という集団にわけることからその特殊性に着目する。

もともとは夏に生まれたという伝承のあるイエスの生誕日をこの真冬にもってきたか、 という視点から、
夏と冬という対立 すなわち

「太陽が力がもっとも弱くなり、万霊がこの世をみたすと言われている冬」

という観念から 生と死との関係性まで掘り下げる。

サンタクロースと子供の間に存在するプレゼントから「贈与論」を考える。

といった具合にサンタクロースを鍵として展開されていく思考は、
ぐいぐいと 僕の思考を惹き付ける。

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さて、こんな本を紹介するなんて、皆が幸福を感じているクリスマスムードに水をさすの?
と言われてしまいそうですが、

そうではないのです。

こうやってサンタクロースを、クリスマスを解きほぐしていくと、
大人が昔からこの人物や行事にのせていたかったことがわかる気がします。

「子供たちがサンタクロースの実在を信じてくれると、
私たち自身も、
生の意味が信じられるようになるだろう、
という期待がもめられている。」

のかも知れません。

クリスマスについて、
誰かになにかをあげるということについて

ちょっとあらためて考えさせてくれる一冊です。

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関連書籍

『クリスマスキャロル』チャールズ・ディケンズ 著

『社会学と人類学』 マルセル・モース著

『精霊の王』』 中沢新一著

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2005/12/26