マルチ商法の嘘 〜国会でも認められた?〜    寄稿者:ぶるーさん

国会ニュースの話が下火になった今(2005年現在)、「マルチ商法が国会でも認められた」というデマの元になっている団体が「流通ビジネス推進政治連盟(NPU)」です。

この団体、マルチ商法主宰企業の社長や国会議員から構成されていまして、ネットワークマーケティング(=マルチ商法)が「世間の無知・無理解・誤解・偏見・勘違いに晒されて」いる状態から脱却するために、政治活動を行う団体、だそうです。

公式サイトから確認できる、この団体立ち上げから参加している国会議員は、石井一氏、前田雄吉氏、山岡賢次氏、牧義夫氏、前議員として吉田公一氏の合わせて5名。
(ちなみに、2005年度の衆議院議員選挙にて、石井一氏は落選。その後、NPUの名誉会長職も退いたようです。)
「超党派」などと銘打っていますが、現実には全て民主党の議員です。中でも前田雄吉氏は、国会に於いてマルチ商法関連の質問を度々行っており、団体の活動はアクティブな物であるという事を伺わせます。

前田氏の質問内容はツッコミどころ満載で、なかなか楽しませてもらえるのですが、
笑ってばかりもいられません。
前述の前田雄吉氏の国会における質問が「国会でもMLMを審議した」→「国会でもMLMを認めた」というオーバートークに繋がっている例を度々見かけるようになったのです。

では、国会ではどのような審議になったのか?

平成16年3月1日衆議院予算委員会第七分科会では、悪質なマルチ商法業者はど
んどん取り締まり、真面目に従事している業者は保護育成すべきだという前田氏の主張に対して、経済産業大臣(平成16年当時)、中川昭一氏は

ビジネスにふなれな個人がほかの個人を販売員として次々と勧誘し合って、だんだん上に上がっていくシステムというのが、なかなか日本においては、トラブルが現に起こっているわけでございますので、委員の御指摘も、きちっとしたルールが守られて厳正に適用されれば、これは世界の流れだからもっと真剣に検討してもいいんではないかという御趣旨であれば、一定の厳しい要件がつくとは思いますけれども、ひとつ検討に値することだとは思いますけれども、現時点で、余りにもいろんなトラブルがあるということの方が我々としては重視せざるを得ないという考えで、現時点ではあるということでございます。(衆議院議事録より引用)

と、回答しています。
つまり、マルチ商法業者の保護育成の前に、様々なトラブルを解消出来ていないという現在の問題の方が重要だ、という見解なわけです。

さらに、前田氏は平成17年にも衆議院予算委員会第七分科会に於いて、真面目な従事者を保護すべきと言う、同様の発言をしたのですが、この時も経済産業副大臣(平成17年当時)小此木八郎氏は、

御指摘のネットワークビジネスというのは、今一般的にはマルチ商法というふうに呼ばれていまして、特定商取引法においては連鎖販売取引と定義され、厳格な規制がされているということは、今までの議論でもあったとおりであります。
  そういう中でも、販売活動に携わる組織や個人がしっかりと正しいルールのもとで商売を行われていれば、それは規制の対象とはならないというか、自由な経済活動の中でやっていただいて結構な話でありますけれども、例えばおれおれ詐欺ですとか振り込め詐欺なんという被害額は、今、数億、数十億の単位じゃないんですね。何百億という単位で、これがそのまま同じものであるかといえば、それは違うものであるかもしれませんけれども、悪質な点においてこれは、販売をするというプロの知識に比べて圧倒的に知識のない消費者に対して行われるということからすれば、やはりまだまだ問題があろうかな。
(衆議院議事録より引用)

と、回答しています。(まあ、振り込め詐欺と同列扱いはどうかと思いますが)
1年経っても、マルチ商法の問題は解決していない、という認識ですね。

ところが、NPUのトピックスでは、平成16年の中川大臣の回答を「中川昭一経済産業大臣は「ルールが守られ、一定の要件がつくが、検討に値する」と答弁した(引用元URL

などと紹介しているのです。上記した議事録を読んでいただければお分かりか
と思いますが、あまりにも都合の良い部分だけ強調しすぎですね。勘違いする人が出るのもうなずけます。

と、まあ、「国会で認められた」などというオーバートークの原因となっているNPUですが、面白い事に、「マルチ商法の勧誘時に利用してもらっては困る」らしいです。

まさに、マルチ商法の特性である伝言ゲームの弊害をもたらす原因を自ら作っていながら、それでもなお「マルチ商法を擁護したい」と言っているのですから、NPU議員連盟のセンセイ方の思考回路は、良く分かりません。

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