TRAVEL


富士山登頂レポート

【1】 【2】 【3】 【4】


管理人コメント

これはわたしの会社の先輩 SHINさん の富士山登頂レポートです
とても感動しますよ〜(?)



SHIN PRESENTS

富士山登頂レポート

〜霊峰富士に挑んだ勇敢な男達〜


prologue


この物語はフィクションではありません。

…が少しだけ事実と異なるところもあるかもしれません。

また、本文中に登場する名前は全て仮名です。




午後10時 御殿場口(5合目)に到着

僕らが登山口についた時は既に真っ暗でした。

場所は御殿場口、標高 1400m 程度
他の登山口が 2300m 程度ありますから
ここは圧倒的に標高が低い!
なんで同じ5合目で標高に差があるんだ???
と疑問に思う気持ちも無理からぬことです。

でも、そのおかげで、ここの登山口は人気がなく
僕らが着いた時にも、人は数人しかいません。
それも登山をする気は全くない人たちだけでした。

僕らはさっそく着替えをし、靴をはきかえ、
登山の準備にかかりました。
今回のメンバーは私を入れて9人…
中には初心者もいますが、
体力が自慢の頼もしい仲間達です。

天気は快晴!星空が奇麗でした。
風もおだやかでここちよく
霊峰富士が僕らをやさしく出迎えてくれている
…と感じずにはいられませんでした。

ところが....その穏やかさとは裏腹に
“山”は恐るべき罠を僕らにしかけていたのです。
ほほえむ山






意気揚揚と登山の準備をするメンバー



人気のない道






360度、明かりなし
午後11時(1時間経過) 明かりのない広野

準備が完了した僕らは、元気よく歩き出し
中○隊長がみんなを先導していきます。

前にも後ろにも人気は全くありません。
開いている店も無ければ
ルートを示す案内板も目につきません。
僕らは人の踏んだ足跡だけを頼りに歩いていきました。

大勢の人で混んでいるのは嫌だけど、
人が全くいないということも
どちらに進めばいいのか分からず、
嫌なものだという事を知りました。

御殿場口は樹木も店もなく、明かりの全くない広野で
満天の星空と頭の上のヘッドライトだけが唯一の光でした。

下は富士山特有の足が潜るような、疲れを促進させる砂利...
だんだん初心者の息使いが荒くなっていくのが感じられます。

ひたすら歩くこと、10分,20分,30分…
前方斜めには巨大な富士の頂きが見えるのですが
一向に近づく気配がありません。
それどころか、
ルートを示す案内板やロープが全く見えないのです。

しかも足場は、足にまとわりつく流砂のような砂利。
まるで蟻地獄のよう…

「何かがおかしい....」

私はそう感じました。
明らかに道とは思えない道を僕らは進んでいたのです。

ふと腕時計を見ると午後11時、
出発してから1時間が過ぎようとしていました....



午前0時(2時間経過) 道とは思えない道

「隊長!!」

私は先頭の中○隊長に声をかけました。

「はぁ〜??」

返事をしながらも、彼は前へ前へと進んでいきます。

既に初心者の太郎君は流砂にやられて
先頭部隊から数十m後ろで蟻地獄から抜け出そうと
もがき苦しんでいます。

「隊長!何かコースの分かる目印みたいなものある?」

「さっきまではロープがあったんですけど....今は、何も...
 それが何か??」

さすがは私が隊長に任命した男だけあります。
たとえ目印が無くても前へ前へと進むその行動力!

…と褒めてる場合ではありませんでした。

「迷った!!」

私はそう感じました。
考えたくもなかったのですが、
この状況は間違いなくホワイトアウトならぬコースアウトです。

さすがに状況を察したのか、
隊長は近くの丘にあがり正規ルートを探し始めています。
私は地図のコピーをヘッドライトで照らし
必死に現在地を模索していました。

「やばいぞ、これは...」

ただでさえ長いルートなのに、
道に迷ったとあっては初心者の体力が心配です。
彼らの気力にも影響します。
何とかしなくては...

その時!!誰かが叫んだのです。

「あっ!あの赤い点滅は何だ!!」
蟻地獄









必死にルートを探す中○隊長



希望の光




赤い点滅… 希望の光か?
午前0時半(2時間30分経過) 赤い点滅の見える場所

「あっ!あの赤い点滅は何だ!!」

遥か彼方に赤い点滅を発見しました。
暗闇の中にはっきりとそれは見えました。

あれこそがコースを示す目印に違いない。
何てことだ!
こんなに正規ルートからそれていたのか.....

僕らはその赤い点滅に向かって歩き始めました。
そう、一直線に赤い点滅を目指し、
再び道なき道を進むことになったのです。

この時、脳裏に一つ不安な事が浮かびました。

“沢みたいな大きな窪地があったらアウトだ...
 あそこまでは行けない...”

しかし、若干の窪みはあっても、
渡れないようなものは何もありませんでした。
希望の光は、まだ僕たちの前に輝いていました。

僕らは赤い点滅をしっかり眼中に捕らえ
一歩一歩、着実に進んでいきました。

次に脳裏に浮かんだ不安は更に深刻なものでした。
そう、ここで赤い点滅を見失ったら…

そして僕らは最悪の事態を迎えることになるのです。





To be contined...






Back