阿屋須王国「あおもり」さ、来いへ!

 阿屋須王国「あおもり」には、住民から信頼される新聞があります。
 それは、「東奥日報」という新聞です。
 2000年夏、「東奥日報」の記事が大反響を呼びました。
 全国から、この記事の確認のため、たくさんの方々が訪れました。
 青森県民が愛読する新聞の記事のなかから、お伝えします。 

呪われた杉沢村の存在?  地元紙 「東奥日報」
       2000年9月3日(日曜日)朝刊から
 村人惨殺で地図から抹消?
 ネットなどで話題

   青森「のろわれた杉沢村」
電脳社会の
   仮想怪談
  青森市郊外のある場所が今、「悪霊の村」として
 インターネットなどで大変な話題になっている。
 村人全員が惨殺されて地図から消され、
 足を踏み入れるとたたりがある―などという情報が
 電子掲示板などをにぎわせているのだが、
 調べてみると、集落が消えたのは単に過疎が原因。
 同市内に数十年前からあったうわさに、
 次第に尾ヒレが付き、インターネット上で
 一気に膨張したと言うのが真相のよう。
 いわば、「バーチャル怪談」といえそうだ。
             
  「杉沢村伝説」などのタイトルで
 ネット上に登場する話を総合すると
 @青森に横溝正史「八つ墓村」の基になった
   「杉沢村」という村があった。
 A村人が全村民を殺して自殺した。
 Bのろわれた村として行政によって
   地図上から消された。
 C入り口に古ぼけた鳥居があり、
  その下にどくろのような石が置かれている

 D林道の奥に廃屋があって、壁や床が
  血のりで覆われている
 E夜中に行った若者三人が亡霊に襲われ、
  行方不明になった。―という内容。

  その場所は市中心街から約十キロ南、
 八甲田山系のすそ野にある。
 住所は「青森市小畑沢字小杉」。
 確かに入り口に鳥居、下に二つの大きな石がある。
 鬱蒼(うっそう)とした杉林の林道を進むと
 突然空き地が広がり、人気の無い1軒家があり、
 さらに奥にはポツンと墓がある。
 昼なお暗い林の中では、異様な雰囲気も漂う。


  
電気もないへき地
 
 しかし、ここの集落は
 
「全村民が惨殺されて消えた」事実はない。
 
現在は、近くに
 県グリーンバイオセンターなどができて

 
かなり開けたが、かっては電気も通らず、
 
学校まで1時間半以上もかかるへき地のため、
 
三軒ほどあった家が昭和四十三年ごろを最後に、
 
よそへ移り住んで自然消滅した。
  最後の一家は今も市内に住んでいる。
 その一人Aさん(44)は

 
「墓は当家のもの。建物は兄が建て、
 別荘代わりに使っている。
  鳥居は二十年前に父が建てたもの」と説明する。
 当時は杉林でなく、一面の畑。
 怪談の舞台になるような薄暗い所ではなかった。

 
入り口の石もよく見ると、
 五穀豊じょう、村の安全を祈る
 猿田彦神という文字が読み取れる。
 「青森県の地名」(平凡社刊)によると、
 明治初年の記録に
 「家が四軒。昔は六十軒余り、三百人余りだったが、
  天明の飢饉で離散し、戸数が減った」との
 記載があり、

 れっきとした集落だったことが分かる。
    
 (右ページへ)
 元集落の入り口にある鳥居。この辺りがなぜか、
 怪談の舞台に










 (左ページから)

  Aさんの兄で、市内の別の場所に住む
 Bさん(57)によると
 「杉沢村」は、住所の小杉から
 「杉さ行ぐ」がなまってできた通称だと言う。
  ただ、市民の間に「殺人があった杉沢村」のうわさは
 古くからあった。
 ある男性(60)は「四十年も前に聞いた」と話す。
 Bさん自身も
 「人殺しがあったと、父親から聞いた」という。
 しかし、「小杉ではなく広い小畑沢のどこか。
 だれが殺されたとか具体的な話は何もない」。
  また、「青森県警察史」など多くの資料でも、
 同市では明治以降、大量殺人は起きていない。
 住民惨殺は全くの流言であることは間違いない。


  
雑誌掲載で騒ぎ拡大
 
ところがここ数年、
 夜中、肝試しにやって来る若者が絶えないという。
 インターネットの掲示板などに
 「消された杉沢村」の情報が
 盛んに掲載され、うわさがうわさを呼び、
 「悪霊の村」「首狩り村」という話が
 全国を駆けめぐっているからだ。
 今夏、雑誌に特集記事が登場して
 この”騒ぎ”はさらに拡大した。
  どうやら鳥居、山林の墓、
 移住後も十年ほど残った廃屋といった雰囲気が、
 長年の間に地元のうわさを増殖させ、
 インターネットが一種のブームを
 つくったというのが真相のよう。
 匿名で投稿でき、責任も問われない
 電子ネットが生んだ情報社会の一段面と言える。
  そして、今度は
 「真の杉沢村は別にある」という説が
 まことしやかに語られ始めた。
 こちらもまた、今のところ何の根拠もないのだが..... 

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