ギリシャ旅行記10   1 2 3 4 5 6 7 8 9 10


ヒオス島 〜再びアテネへ

ヒオス市街についたのは夜9時。もう出発してから11時間も経っていた。その間、テオもわたしもmarmaroでのおつまみ

と菓子パン一個しか食べていない。ちょっと申し訳なかった。

テオがあと一日ヒオスに居ればいいじゃないかと言う。「今日は時間がなくてゆっくりお昼も食べられなかったけど、

明日はすてきなランチを食べよう。Elindaのビーチで泳ぐことも出来る。アテネなんてただのゴミゴミした都会だろ。

東京と変わらないよ。とっておきのすばらしい村にも案内するよ。」

あと一日ヒオスを見て明日の夜の船でアテネに戻ることにした。

M田さん(Blue Sky Cafe初代ベーシスト)似のおやじがいるタベルナで夕食。GriledFish、オクラのトマト煮、

ナスの冷製サラダを注文したのだが、直径21cm、厚さ2cmもあるカジキの輪切りが出てきて参った。

ギリシャの食事は大抵の場合大きすぎる。

8月16日

ホテル近くの気取ったファーストフード店で朝食。ブラックオリーブの輪切りが60個入っている(加減というものを知らない)

サンドイッチ 2.5euro。今日はElindaビーチにも行きたいし、Volissosもよく見たいな、と思って9時過ぎに夜の船便のチケットを

買いに行く。チケットの扱いはNel Lineという店一軒のみ。…なんと今日の夜の便は満席だという(!)

行きの船はガラガラだったのに。朝10:30の便でアテネに戻るしかない。チケットを買い、急いでホテルに戻り荷物をまとめる。

部屋代を払いたいが、アルテミスもおじさんもいない。彼らはいつもどこかへ行っていて、受付には誰もいない。

まったく困ったものだ。ベッドに2日分の宿代30euorを置き(途中から15Euroの極安屋根裏部屋に移った)

2階ロビーのテーブルに置き書きと鍵を残してホテルを出る。荷物が重い。

テオドールに、もう島を発たなければならなくなったと電話する。彼の住所を聞くが、よく聞き取れない。

「手紙をおくれよ。元気でな。」今発たなくてはならないのが、本当に残念だ。

船内はほぼ満席。やはり何日か前に帰りのチケットを買って置くべきだったのだ。

ヒオス島よかったなー。出来ることならもう一度訪れたいと思う。

船は高速船ということで、46.5Euroもする。豪華サービスのつもりなのか、全ての客席から映画を観ることが出来るように

なっている。しかしイヤホンではなく、スピーカーから音声が流れているのでうるさくてしょうがない。

喫茶室でも休憩所にも全てテレビがあってうるさい映画が流れている。困ったサービスだ。

         *                *                  * 

3:30にはもうアテネに着いてしまった。大聖堂近くのJonesPlaceにチェックイン。30Euro(バス・トイレ別)

古くていい感じの建物。清潔で管理もしっかりしているので安心だ。入り口を入って階段を上ると受付のあたりに

いつもホテルの人がいて、必ず誰が来たかチェックしている(あたりまえの事か…) ヒオスの某ホテルとは

えらい違い。

ツーリストインフォメーションで古本屋と中古レコード店の場所を聞く。オモニア近くのTEMISTOKLEOUS通り

のレコード店を見る。長髪黒Tシャツの元Rockerのような店長。やせた短髪のパンキッシュな女性と若い男が椅子に

座って話している。壁にはGARRY HIGGINSのレコード。MARIZA KOCHを試聴する。欧米ではすごく評価が

高いようなのだが、個人的にはどうもあまりピンと来ない。

NIKOS XYLOURIS,AFRODITI MANOU/Dionyse Kalokairi Mas(Bachus,My Summer)を聴かせてもらう。

傷だらけ(VG-以下)で80Euroもするので買わなかったが、女性Voがすばらしい。おみやげ用にPOLLのbestLPを購入。

他にも何軒かあるが、夏休みなのか残念ながら閉まっている店が多い。古本屋はこのTEMISTOKLEOUS通りと

IPOKRATOUS通りの間にけっこうある。ちょっとセザンヌっぽい色鉛筆画の絵本「Etsi emathan oi kalamies na tragoudane」、

かなりストレンジな絵本「Theodoros o...Aytias No2」、コラージュ絵本「むかしむかし」、ギリシャ語で書かれたペルシャ絨毯の絵本などを購入。

 

Etsi emathan oi kalamies na tragoudane

 

Theodoros o...Aytias No 2

 

Ton Kairo Exeino(むかしむかし)

 

Omar Kagiam Rounpagiat

美しいペルシャ絨毯の図版が挿絵として使われている詩画集のような小型本(1968 Ltd 500)


8月17日

ギリシャもあと一日。ネットカフェの1Fで朝食。鳥の巣のようなスウィートは甘過ぎ、油多すぎ。

正教専門書店は10時になっても開かない。夏休みか?

考古学博物館へ行く。アルカイックスマイル、パルテノンの彫像、絵の描かれた壺、壁画の断片、

タナグラ人形など、世界美術全集や教科書で見たことがあるような物が多いが、改めてよく見ると

やはりすばらしい。鉛筆を忘れてしまったので、売店でボールペンを買って(鉛筆は売っていなかった)

メモをとる。スケッチをしていたら監視の人が椅子を貸してくれた。

4時頃アクロポリス美術館へ。美術館はパルテノン神殿の近くにあるので、パルテノン神殿も

見ることができた。レチナVCのピントが故障していることに気づく。これまで撮った写真が無事だといいが。

美術館ではコレ(乙女)の像に魅了された。とても素朴で初々しくデリケートな造形だ。(後略)


8月18日(最終日)

朝食後、ホテルの受付に居た女の人に絵本のタイトルを訳してもらう。

"Etsi emathan oi kalamies na tragoudane"は、「あなたは葦の歌を知っている」

という意味だとのこと。Jones Placeをチェックアウト、重い荷物を背負って空港へ。

空港で荷物をラップでぐるぐる巻きにしてもらう。これでひと安心。13:00離陸。

       *            *              *

自分はギリシャという国について、まだごくわずかなことしか知っていない。

今回15日間という限られた日程のなかで、ほんのいくつかの場所をまわっただけだ。

しかしそれでも、たくさんの発見や出会いがあった。

メテオラで雷雨に遭ってキャンピングカーに助けてもらったり、売店のおじさんから岩窟の

中の修道院(ippanti)への行き方を教えてもらったり、Mestaで終バスを逃して

神父さんの車に乗せてもらったりするなど、いろんなひとのお世話になった。

 すばらしい音楽や絵本にも出会った。'60s〜'70sのギリシャのFOLKを聴いて、

ギリシャ周辺の豊かな音楽文化を知ることができた。また、その当時の厳しい社会状況と、

そこに大きなな文化的な盛り上がりがあったことを知った。

メテオラやモネンバッシアは「普通の観光地」という雰囲気もあっったが、

ギリシャの歴史や文化の奥深さをうかがい知ることができた。

そして何と言っても、ヒオス島がすばらしかった。

生活に息づいた独自の伝統的文化、観光地化されていない素朴な村の風景など、

自分がギリシャに求めていたものの多くを、ここで見ることができた。

数十年前にヒオスの男たちの多くが船員として日本の地を踏んでいたという、

日本とヒオス島の意外な縁についても知った。

山のてっぺんの可愛らしい教会、花に埋もれた聖母、Agio Galaの帰り道で見た金色の光。

ささやかなことかもしれないけれど、究極なまでにすばらしいものを見たし、

自分にとってはかけがいのない体験があった。それらの「ささやかな究極」は

ずっと記憶の中できらめき続けているだろう。

最後になりますが、旅行で出会った全ての方々と、このつたない旅行記を最後まで読んでくださった

皆さんに感謝いたします。

                                            おわり


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