株式会社アプレイザル
アクアライン
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第1部  現状分析と課題

アクアラインは1966年建設省により調査が開始され、1997年12月に開通した総延長15KM、建設費1兆4300億円を投下した夢のプロジェクトと言われています。アクアラインは巨大な東京・横浜圏と半島性が強かった千葉県との地域間交流を活発化させ、地域経済が相互に補完しあいながら発展すること、及び海上バイパスとして首都圏幹線道路の渋滞解消が期待されていました。

経済・環境評価の前に、現在の課題を整理してみましょう。

1)交通渋滞解消に貢献していない
しかし、現在の家計の所得に対して通行料金が高いために予想の3分の1しか通っておらず、当初の目的を達成していないと言われています。
道路容量の1/5しか使っていない

首都圏の渋滞解消に貢献していない
 
2)財政的には赤字=累積借り入れ金残高がどんどん膨らんでいる
プール制を採用していないために赤字がどんどんふくらんでいる
現在5年目
プール制の解説
 
プール制・・・本四架橋などは他の黒字路線と組み合わされて、収支トントンとなるしくみを言う。例えば、東名高速道路(第一東海)などは上の表のように、100円稼ぐのに14円しかかからないが、北海道縦貫などは100円稼ぐのに185円かかる。
アクアラインの場合は基本的にこの制度が取られていない。京葉道路の一部と組み合わされているようだがこの程度では焼け石に水。このため赤字はどんどん膨らんでしまっている。
このままの状況が続けば借り入れ残高は4年後2兆円、23年後は5兆円に達してしまうと予測される。臭いものにふたではなく、抜本的な対策が望まれている。(但し、借り入れ金利は開業後5年間は2.5%、その後は5%と査定した。)
 
3)地域経済活性化に貢献できていない

東京湾臨海部の京浜工業地帯は日本一の重工業地域であるが、そこに立地する旧来の基幹産業=製鉄、石油、機械などの産業は海外の安い労働力、生産コストに押されて、工場の海外移転、生産規模の縮小、さらなるコストダウンの要請などで産業の空洞化が進んでいるが、アクアライン開通後も高い通行料金では生産コストにみあわないことからトラックの貨物輸送においてアクアラインはほとんど利用されず、物流費など産業の競争力向上にはほとんど貢献していないと言われている。
期待はずれの効果・地域の衰退
千葉県側の商業地では「ストロー現象」で若者、富裕層が横浜や川崎、東京へ流失し、木更津そごう、ダイエー、西友などが撤退してしまった。写真は旧木更津そごう。
 
上総アカデミアパークに産業が誘致できない
鳴り物入りで開発が進められた木更津市郊外の上総アカデミアパークなども現在誘致できたハイテク企業は数社で、従業者数も1000人に達せず、閑古鳥が鳴いている。
 
4)木更津市などは資産デフレの進行は日本一
またアクアラインを渡って直ぐの木更津市金田地区では住都公団などによって約300ヘクタールの宅地が開発されているが売れる見込みが立っていない。しかし、他にも1000ヘクタール以上の土地が供給予定で、宅地の供給過剰は深刻である。

この結果、地価は全国トップクラスの下落を続けている。木更津市の商業地の公示地地価は平成3年をピークに平成13年では13分の1に急落している。(参考:新宿区の商業地は概ね1/3に下落しているので、木更津の下落幅の異常さが分かろう)

先に見た基幹産業の空洞化現象に加えて、全国トップクラスの地価下落=資産デフレの影響で借入金の担保不足(=借り入れ金の貸しはがし)なども起きて、企業の資金繰りをさらに苦しくしている。
地価は都市魅力度のバロメーター
 
このように、アクアラインの高い料金は、東京湾臨海部道路のの交通渋滞解消、産業競争力向上へ寄与していない。また、ゴルフ場や観光産業の魅力度向上の足を引っ張り、土地などの資産価値の下落を生み、暮らしの質を落としている。緊急にアクアラインの通行料金を下げ、産業及び地域の再活性化が望まれている。
 
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