box man
koubou abe 1924-1993
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これは箱男についての記録である。
ぼくは今、この記録を箱のなかで書きはじめている。
頭からかぶると、すっぽり、
ちょうど腰の辺まで届くダンボールの箱の中だ。
つまり、
今のところ、箱男はこのぼく自身だということでもある。
箱男が、箱の中で、箱男の記録をつけているというわけだ。 |
これは、安部公房の小説「箱男」の冒頭部です。
某TV番組でも、「電*少*的箱男」なんて企画がありましたが、多分この小説からでしょう。
安部公房は私の好きな作家の一人です。
その独特な世界観や、どこか愛すべき登場人物達、そして簡潔でなお魅力的な文体は、
はまるとヤミツキです。
全盛期の彼は、「芸術派は爆発だ」の岡本太郎をはじめとする前衛芸術家達とも交流を深め、
古来の既成概念を打ち破り、新しい創作活動で革命をもたらす、いわゆる前衛作家の急先鋒でした。
彼の日本文学の枠を超えた作品群は、海外での評価が極めて高く、
その代表作「砂の女」は世界20カ国で翻訳されるほどで、世界文学にも名を残した凄い作家です。
この「箱男」は、ダンボールの中に篭もり、その小さな小窓から、世界を見つめています。
これは、息を潜め、半ば自閉的な意識でファインダーを覗くカメラマンの視線だ、とも言われています。
さてさて、箱男は一体何を見ているのでしょう。
■関係サイト
安部公房解読工房
ほら貝-安部公房を読む
『箱男』 新潮文庫 ISBN4-10-112116-8
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