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3.雨水を空にかえそう それぞれの敷地で雨を大地にかえそうという活動が始まっている。しかし現時点では、かえされている総量が多いとは言えない。空へかえそうという意識にいたっては、さらに希薄であり、計画的にはほとんど実施されてきていない。 |
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さて、ここで前述の身近な事例と、地球全体という大きな領域のことを一緒に考えてみよう。 もし、雨や水蒸気によって行われている大気中の対流現象が、地球上に一切存在しなかったら、地球の地表面の平均温度は、現在の15度から29度にまで上がってしまうという。(図2) 雨水をそれぞれの敷地で、大地だけではなく空にもかえす技術を整理し、それを実践しながら建物を建てることはこれほど重要な意味をもつことなのだ。 ところが、雨水を空にかえす蒸発散の機構は、じつに多様であり、それらについて総合的に研究していかなければならない。 たとえば、われわれの糞尿も、微生物達に上手に食べさせると、ほんのひとかけらのミネラル等を残して、すべて二酸化炭素等のガスと水蒸気になって、空にかえせる。また、われわれの体温は、汗が蒸発し空にかえることによって保たれている。人や動植物、さまざまな燃焼機器等、かなり多くのものが蒸発散の機構を有していることに驚かされる。(図3) 大地に降り注ぐ雨の多くは、このような多様な蒸発散の機構によって空にかえされる。敷地の中にあって、そこから空中にそびえ地表のかなりの部分を覆う建物や建物まわりは、大地に雨水をかえすと同時に、空にかえす部分に、さらに大きく関わることになる。 したがって、「健全な雨をつくる」ために、建物がどのような雨水を空にかえすかを考えていくことが重要である。大気中にもともと存在していない物質を含んだり、よけいな廃熱などを伴うものであってはいけない。本来の敷地が備えていた蒸発散の仕組みに、できるだけ近い性能をもった、建物や建物まわりをつくっていきたい。 |
図2 地球表面のエネルギー収支モデル ![]() 拡大 |
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| 図3 さまざまな蒸発散の事例
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