一応断っておく。今回はそんなどぎついブレスじゃないのでご安心を。初心者向けです(?)
最近『SAPIO』なる雑誌を見るようになって思うのだが、一部の人間による朝日新聞叩きは凄まじいものがある。私の知っている限りでは井沢元彦、稲垣武、小林よしのり各氏が結構熱を入れて批判している感じがする(ちなみに、稲垣氏は元朝日新聞社員だそうな)。『SAPIO』だけじゃなく、産経新聞、週刊文春や週刊新潮も時々そういう記事を載せることもあるし。あとは、『朝日新聞』で検索かけてみたら、『朝日新聞をぶっ潰す掲示板』とかいうのもあって、「怖っ」という第一印象を持ったし。また、一連の朝日新聞社襲撃事件が先日時効を迎えたが、これらに見るように、思想的な立場から朝日新聞を批判する声はかなり強い。特に、最近になって北朝鮮との問題が明るみに出てきてからはますます叩きが強くなってきている印象を持つ。「今まで何たることを報道してきたのか」と。
大学に入って一人暮らしを始めてから4年以上朝日新聞を愛読している私が個人的に思うに、「何でこんなにこっ酷く叩かれるのかなー」と不思議に思うのだが…。つーか、雑誌連載記事云々はともかく、さっきの「朝日新聞をぶっ潰す掲示板」とかはどうも私の嫌いな「2ちゃんねる」的祭りだワショーイ(2ちゃんねる用語大変失礼、気に障った方申し訳ありません、それな雰囲気を出すためにやむを得ず使いました)なイメージがあってどうも胡散臭いなと思うところだ。なわけで、そういう朝日新聞叩きに熱を入れてる諸氏にツッコミを入れようかと思ったけど…そうじゃなくて私なりの朝日新聞の読み方などを解説し、それでツッコミの代わりとさせていただく。ついでに朝日新聞が大好きという方、もしくは新聞なんかテキトーでいいやという方にも一読してもらい、今後の意見構築に役立ててくださると幸いである。
まずこの話題から。ご存知の通り、私は仙台市内の某大学(知ってる人はどの大学かまで分かると思うが)に通う大学生だ。仙台の場合、購読できうる新聞が朝日を含め6誌ある。読売、朝日、毎日、日経、産経(以上が全国紙・売り上げ部数順)、河北新報(宮城県周辺の地方紙)の6誌だが、じゃなぜその中から朝日をチョイスしたかというと、まあ、単純に一番最初に勧誘に来たのが朝日だったからつーのが1つ。2つめがまあ、消極的理由で、他の新聞が私の肌に合いそうにないことだ。具体的に理由(ただし超が3つつくぐらい主観的)を説明すると…
まあ、そんなわけで、消去法で朝日が残ったというわけで。
理由の3つ目は、私の欲しい記事(市民活動とか環境問題とか、社会に関連するいろいろ)っつーのが、高確率で朝日に掲載されていることだ。大学の講義で使った論文の引用などでも、朝日新聞や朝日から出版されている書籍や雑誌(『論座』)からの引用がちらほら見受けられたし。(私が欲しがってた関連書籍が毎日新聞から出版されてた例はあるんだけどね) その辺で、記事の入手にもっとも手っ取り早い方法が、自分が朝日を購読すればいい、というわけで。そんなわけで今まで朝日を取ってたっつーだけの話。別に親族に朝日がらみの人間がいるとか、そんな深い理由じゃないんですよね。
これ、批判派の間では必ず話題になる。要するにアレだ、超左翼だから中国や北朝鮮などといった社会主義だとか共産主義マンセー(また2ちゃんねる用語失敬)だ、そこが遺憾、と。あんな前世紀の遺物みたいなモンはまやかしだ、とか。まあ、確かに社会主義や共産主義はもう崩壊しつつある。そこは私も認める。
しかしだ、朝日がそこまで超左かっつーとそうでもない。まあ、現実問題として70年代80年代の朝日はそうだったのかもしれないが、それに関してはアレだ、要するに中国の強力な報道圧力っつーもんっがあったからではないのか、と私は考えるわけだ。知っている人は知っていると思うが、中国は70年代に反体制的なメディアを追放したという情報統制を行った(体制を維持するために情報統制を行ってきた中国は、当然現代ではそのことをとがめられるべきであろう。)。だが、別段朝日新聞は中国の提灯持ちをやっていたというわけではないと思う。結局、朝日は中国に残り、何とか報道をするためにぎりぎりいっぱいで中国寄りの記事を書かざるをえなかったのではないか。私はそういう印象を持っている。まあ、結果として歪んだ中国像を日本で報道することになってしまったわけだが……。
ただ、朝日新聞は絶対正しい記事を書いているとは思わない。「朝日サンゴ事件」というとんでもない誤報(つか、新聞記者としてやってはならぬ事件の捏造)をはじめとする数々の誤報があったというではないか。当然、このことについてはきちんと読者…いや、日本国民やその他関係ない諸外国人にきちんと誠意をもって謝罪するべきであろう。報道機関として、再びそのようなことを起こさないということをきちんと肝に銘じて欲しいものだ。
そうは言うものの、じゃあこういう誤報は朝日特有のものかっつーとそうでもないわけで。平成の三大誤報と称して読売も毎日もやっぱり誤報をやらかしているわけだ(毎日はグリコ。読売は宮崎アジト、だそうだが…)し、産経や日経、その他地方紙にも記事の間違いっつーか取材相手の意図せざる形で記事を公開した例がないわけではあるまい。 まあ、毎日のこの間の爆発致死傷もあれだってアフォであるし。だから朝日だけ集中的に叩くのはやっぱり言論としておかしいといわざるをえない。報道というものは常に不確定要素を持ったまま報道されることもありうる(特に、現在の「報道=速達性」が要求されている場合は)わけで、結果として勇み足になってしまうことはどの新聞にも起こりうることなのだ。ことさら朝日だけ強調する必要はないだろう。それとも朝日だけ何か過剰に叩かれるべき理由があるのだろうか。
ヒッドイ人になると「売国奴」とか罵るんだ、朝日新聞に。おいおいそれは言いすぎだろうが、と言いたい。要するに北朝鮮に対する寛容な態度(赤十字団が拉致被害者の捜索を打ち切ったニュースでの記事の扱いを批判している人もいるし。あとは有事法制に反対の意見を持ってたことで、「北朝鮮に日本の国土っつか体制めちゃめちゃにされてもいいと主張してる」と受け取られたのかな?)遺憾ということなのだろう。
まあ、現実的に有事法制は議論されてしかるべきだと私は考えている(ただ、最終的には憲法9条の私なりの解釈を適用すると、有事にならないように外交で最大限の努力をしなければならないのは明々白々だと思う)わけだが、6月の8日(だったような気がする。間違ってたらゴメンナサイ)の新聞で有事法制が万が一適用された場合のシミュレーションを1面に書いてたけど、それについて『SAPIO』上で井沢元彦氏と稲垣武氏が思いっきりぶっ叩いてたわけで。これ読んで思ったんだけど、実際に戦争になったらどんな混乱が起こるか分かったモンじゃないでしょ。一般の病院が野戦病院になりうる可能性も0ではないし(まあ、あの看護婦が「嫌です」といってたのは、本人たちの精神から考えて絶対ありえないことだとは思うけど(←朝日読んだ人でないとわかんないよね、ゴメンナサイ))、そう考えるとやっぱり朝日だけの問題じゃなく、これは全国民がきちんとシミュレートしておくべきじゃないのかな、と思う考えるべきじゃないのかな、と思う。50代以下の人間にとって、万が一日本国土が戦渦に巻き込まれたらどうなるかなんて知ったモンじゃないし(つーか私も知らない。人づてに聞くしかないとは思うけど)。
ただ、現実問題として北朝鮮が100%日本の脅威になるのか、という質問に関しては、そこまではいかねぇだろうな〜、というのが私の思うところだ。楽観視しすぎだといわれてしまえばそれまでだが、北朝鮮がいくらアフォだからといって、日本や韓国にミサイル打ち込んでどうなるか(=アメリカに「世界の敵だ、悪の枢軸だ」といわれてボコボコにされるのがオチ)ぐらい見当がついてるはずだろうし。まあ、朝日新聞の社説を読んで思うわけだが、やっぱり政府の対北朝鮮政策における浮き足立った態度には国民として不安が付きまとう感じが強いわけであって、こんなんじゃ安心して暮らせません、ということを伝えようとしてるのではないか、と思う。小手先だけで落ちる国家じゃないんだからもっとちゃんとしてくれ、という意思表示をきちんとしていると私は読むのだが。
それに北朝鮮が至高の楽園だなんて別段言っているわけでもないし。ちゃんと言うべきことは言っているし。そこまで北朝鮮に甘い書き方をしているとは思えないんだけどねえ。9日に万景峰号が来ンのを取りやめたっつー話は1面できちんと伝えてるし、記事に関してもきちんと反対派と賛成派の両方の意見を載せているし(←これは報道として大事。きちんとした事実があるのだからどちらかに偏ってはならんと思う)。逆に言えば、一面だけで判断せず、読者にどちらの意見にくみするかという選択肢を提示しているる点が、そのときの報道における朝日の特徴じゃないかな、と思うわけだ。
それ以前に日本に北朝鮮全部マンセーな奴がいるとも思えないし、記者だって読者だってそこまでバカじゃなかろうし。それにだ、どうも言葉の解釈でいろいろと誤解をしたまま批判している記述が見受けられる。もちろん、誤解を招くような書き方をした筆者の責任でもあるが、同時に誤解する方も誤解する方でちゃんと意味を捉えずに批判しているのは滑稽に見える。
話がだいぶ脱線して、特定の記事云々の話に逸れてしまったが、まあ、(本来入れちゃいけないんだろうけれども)私の主観になってしまうが、やっぱり朝日新聞の論述を見ると、どっちかに偏った論調のときもあるんだけど、それも含めて基本的には「現実にこういう問題が起きてます! 私たちはこの問題に関してこう考えました! でもこういう考え方もあります! さぁみんなで考えよう! ミリオンスロット!!」……スイマセン、脳味噌がオーバーヒートしている模様です。 まあ、ボケに走らずに本道に戻ると(つーか真面目な論文もどきで勢いに任せてボケに走るな>俺)、この、両方の主張を極力明記している点がポイントなのではと思う。つまりだ、読者に考えることを強いてくるのが朝日新聞の場合特に強い。この点は大変評価できる。たまにカックンと傾くときがあるのがいかんが。
まあアレです、朝日に限ったこっちゃないんだが、新聞を読むときは字面を追ってあれこれ言うだけじゃなく、気になる記事はちゃんと隅から隅まで読んで、その記者が伝えたかった真実とは何か、そしてそれに対して自分はどう考えるのか、それに足りうる情報にどうアクセスするか、他にはどういう見方があるのか、ということまできちんと考えるように読むべきではなかろうか。 なんかずらずら長く書いたが、私が思うに、新聞記事などを読む場合は、頭から傾倒するのではなく、ちゃんと自分の頭で考え、己の支店を持ち、なおかつ真実を自分で知ろうということが求められている。というより、これだけ情報が氾濫している現代であるから、逆に私たちがどの情報が真実でどの情報が虚偽か、そこまで見抜く力を要求されているとも言えるだろう。21世紀のメディア・リテラシーはそのことが最大の焦点となるのではないだろうか。
まあ、別に聞きたくもない情報だろうとは思うが、一応私なりの朝日新聞の読み方を提示しておく。
まず、おもむろにおっ広げては広告をブン投げる(爆) …スーパーの広告はちゃんと見るけど。そして紙面をばっとやったらまず1面を隅から隅まで眺める。要するに1面は今日の紙面のダイジェスト版である。それを読めば今日は何が言いたいのかなーってのが一発で分かるし。ちなみに私の場合、見出しの大きさやコマ割の大小にかかわらず1面の記事は全て同等の価値があると思っている。最後に天声人語をじっくりと読む。ここが朝日の肝(社説よりも重要じゃないかしら?)。ここを読まずして朝日新聞を語るなかれ。
さあそしたら紙面を開かずに思いっきりひっくり返す。テレビ欄をザーッとチェックしてから社会面、家庭面(特にここのチェックを重視)、スポーツをザーッと眺め回し、投書の欄。何気に必ず全部目を通すようにして、一つ一つの投書を噛み締めるようにして読む。中には、いつぞやの投書の反論も載っていたりするので(ちゃんと反論を掲載するのが個人的に○)、そこが終わったら経済面、国際、政治と一通りチェックし、最後に総合と社説を読む。このとき注意したいのは、そこまでの報道でどういうことが言われているかを確認し、自分なりにちょっと考え(あんまり考え込まないのはいかんなー。>俺)、その上で意見を持ってから社説の読破に取り掛かる。まあ、アレです。最後に社説を読む辺りがポイントかも。先に社説を読んじゃうと、その考えを引きずっちゃう恐れがあるわけで。
ちなみに、時々精神医療関連とかひきこもりの問題、あるいはボランティア云々、そういう記事が掲載されたら切り抜いて……おいてないことがほとんど。スクラップブック作れよ>俺 まあ、本当に気になった記事はちゃんと切り抜いて自分で隅から隅まで考えながら読みますよ。
はっきり申し上げてこの読み方、疲れます。確実に疲れます。 とりあえず社説は一番最後に読むほうが私はいいと思うんだけどなー。
最後にこれだけは言っておく。私は別に朝日新聞の肩を持つわけでもないし、朝日新聞は絶対正しいから読めといっているわけでもない(逆にけなすようなことも言わないことにしているが)。ここに書いてあるのはいささか私の思い込みも混じっている可能性があるので、それを強制するつもりはない。ただ、好きな人も嫌いな人も、この文章を一度読んで下さった上で、朝日だけじゃなしに新聞報道の読み方を自分なりに考えてもらえば、筆者冥利に尽きる限りである。
なお、この論文もどきを読んだ上で執筆者・クリス_NKに対して「左翼だ」とでも思った方がいても別に構わない。どうしても社会学という学問の性質上、社会に対してお説教のようなことを言うのだから、まあ左翼っちゃ左翼だ、と認める。たーだーし、反日と呼ばれるのは抵抗があるっつーか思いっきり否定する。だって、本当に日本という国が好きでなきゃ、日本に対して批判をし、よりよい社会にしていこうだなんて思わないでしょ。日本なんか潰れてもいいって思ってんだったらもうとっくの昔に日本人やめてどっかの外国に移住してますよ。日本にいるっつーことはぶっちゃけた話日本という国が世界一素晴らしい国家(問題はいくつもあるけど)だって思ってるからに他ならないのであって(まあ、このことに関しては他の国のほうがいーなーと食指が動くことはあるが、それを日本で実現するようにした方がマギレがない)、決して非国民だ自虐的だということではない。自虐ネタは私の趣向にまつわる「そうだよアホだよ」のネタだけで十分だ。(←分かる人は分かってください。でも分からないからといって管理人にメールはしないで下さい。)
最後に、自分の研究(論文)のネタになる新聞記事をかなりの割合で網羅しようとするつもりであるなら、5人以上でグループをつくって、各メンバーが朝日、毎日、読売、産経、日経、あと地方紙という具合に新聞を購読して、互いに「今日の●●に、君の興味分野のこういう記事が載ってたぞ」という感じで常時報告しあうというやり方を今パッと思いついたのだが、どうだろう? まだ新聞を購読していない大学生・大学院生諸氏は、一度仲間内でこういう方法を行い、己の意見構築をするのがいいかな、と思う。やっぱ大学(院)生なら新聞くらい読んで、世間で起こっていることに関して己の意見を持たないとネ♪
月1で「暮らしの風」っていう小冊子がくっついてくるんだけど、あれン中に著名人の朝日新聞の読み方とかここがいい、ここは改善すべきだっていう意見を1頁丸々割いて掲載するコーナーがあったはずなんだけど、あれ、いつの間になくなっちゃったんでしょ? 個人的にあのコーナーめちゃ好きだったんですけどねえ。復活求む。編集部にKADORTOかけに行くかもしれませんので。