----- プロローグ ---------
昭和35年頃まで、串木野の五反田川の河口の砂州には、帆船が帆柱を列べていた。
夜明け前に出帆した船は午後になると、帆に風をはらませて疾走して帰って来る。
河口の入口で、すーと帆桁を下げて、その勢いで舵を操り、岸に正確に近づき、
すばやくもやいをとっていた。
船乗りは、ねじりはちまき、夏は上着に褌一つ、冬はドンザを着込んで腰巻き姿、
赤銅色の顔が漁師としての誇りさえ感じさせる。
船乗りの女房は、船が見える前から岸に立ち、桶を持って船が着岸すると、魚を選り分け、
天秤棒で担いで近くの市場に運んで行く。
天気の良い日の港(河口)での風景であった。
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筆者は小さい頃の和船の帆走している姿を再現したいと思っていた。 この和船について、船大工の技術が記録として残っているものが少なく、 船体模型は串木野市立図書館に展示されている。 帆走、漁労については漁師であった父(南竹 纓二、畑山 栄蔵)や古老に聞いたものを まとめたものである。 南竹 力 |
目 次 1、串木野の小型和船(帆船)の特徴
2、帆 走 図
3、船体・艤装
4、舵 ・ 帆
5、漁 労
6、和船の構造と造船技術
資料1、 串木野で最後の薩摩ミヨシ型和船といちき串木野中央図書館ロビー展示資料に見る帆・艤装(鹿児島県いちき串木野市)
資料2、 出水の桁打瀬漁にみる帆・艤装(鹿児島県出水市名護港)
資料3、 天草地方の薩摩ミヨシ型和船(熊本県牛深市「うしぶか海彩館」)
資料4、 「笠沙恵比須館」の展示資料に見る和船・漁具(鹿児島県川辺郡笠沙町)
資料5、 薩摩川内市での薩摩ミヨシ型和船の建造と進水式(鹿児島県薩摩川内市高江町)
資料6、 日南市油津の「チョロ船」(宮崎県日南市)