第7回 山口国際交流芸術祭
2009ヨーロッパ芸術祭「ウィーン・オーストリア特集」関連イベント
「19世紀末ウィーン・ファーベ」レポート
(第2回 山口アート ド・レーヴ協会作品展)


開催日: 2009年10月16日(金)〜18日(日)
      場 所: クリエイティブ・スペース 赤れんが (山口市)



ヨーロッパ系手芸の協会として2007年に発足した「山口アート ド・レーヴ協会」は、今回2回目の作品展を開催させていただきました。今回は今年がちょうど、わが国日本と”スパイスブーケ”の故郷、そしてモーツァルトやヨハン・シュトラウスの国オーストリアの修交140周年にあたることから今回はその「オーストリア」にスポットを当て、時代背景も両国の交流が始まった「19世紀末」にターゲットを絞りました。私たちの作品もその時代のカラーをイメージして制作いたしました。

ウィーンが変わろうとしていた19世紀末は、日本も幕末から明治維新により、新しい時代の到来を迎えたころでした。
その明治維新発端の地である山口において、クリムトやオットー・ワーグナーなど多くの芸術家、建築家が活躍した「19世紀末ウィーン」のFarbe(「ファーベ」とはドイツ語で「カラー」の意味です)を、私たちの手芸作品、クラッシックコンサート、ウィンナーケーキを通してご鑑賞いただきました。

 

     

                            

まずは、イベント前日のセッティング当日のラジオ番組出演です。
今回のイベントに後援いただいたfm山口さんの「Daytime Street」(14:00の「アカデミー」。しかも「生」、しかも打ち合わせなし)に出演いたしました。


番組キャスターの新井道子さんと
fm山口第一スタジオにて

準備中のメンバーです

こちらはコンサート会場用のお花です。

1階作品展示会場のエントランスあたり
「ごあいさつ」、「19世紀末の時代背景」など私がまとめたもの、そしてウィーンで撮影してきた19世紀末ウィーンの建築物の写真なと、展示いたしました。
スタイリッシュフラワー・・・中嶋孝子さんのコーナー
スタイリッシュフラワーは、丹精込めて育てた花や思い出の花をシリカゲルで乾燥させ、フレッシュフラワーに近い状態に加工しアレンジして長い間楽しむことができます。今回は、オーストリアの「ファーベ」を意識して、木の実等アレンジに加えたり、ト音記号や楽譜を一緒に作品に添えて、「音楽の都〜ウィーンそしてオーストリア」を表現されていました。

子供のころに習ったピアノの楽譜を思い出しました。
 
シュガークラフト・・・吉村亜紀さんのコーナー
シュガークラフトは、19世紀のイギリス、ビクトリア女王の頃から伝わるお砂糖細工です。粉砂糖を原料にしたペーストやクリームで制作します。今回は、お砂糖のモザイクや、オーストリアのエリザベート皇后(シシィ)をイメージして作品を作られていました。ビクトリア女王はちょうどシシィが生きた時代とほぼ同時代のイギリスの有名な女王です。二人は直接会ったことは無かった、ということを本で読んだことがあります。

このバラの花束ももちろんお砂糖でできています!。 

お砂糖のモザイクです!

お客様方へ説明をする吉村さん

スパイスブーケ・・・原田千恵子のコーナー
スパイスブーケ(ドイツ語ではゲビュルツ「スパイス」・シュトロイスヒェン「小さな花束」)は、モーツァルトやカラヤンの故郷として有名なザルツブルグで発祥した伝統工芸品です。ヨーロッパにスパイスが持ち込まれる以前より、この地で教会の僧侶たちによって作られていた「クロスターアルバイテン」と呼ばれる、亡くなった人を偲んで作られていた手工芸が、その技法の元祖とされています。そして中世にヨーロッパに大量に持ち込まれたスパイス類や木の実類、ドライフラワーなどをアレンジして、一般の家庭でも作られそして飾られるようになりました。19世紀よりももっと古くからあるものですが、今回は「19世紀末」ということがテーマでしたので、その時代のオーストリアを代表する画家「グスタフ・クリムト」とその最良のパートナーであった「エミーリエ・フレーゲ」という女性をテーマに作品を作りました。

今回は、お客様にゆったり鑑賞していただきたく、ホールの真ん中にベンチを配し、美術館風なセッティングにしました。
 
クリムトの有名な「接吻」をテーマに。
絵の両脇の大きなブーケも、卓上のものもすべてブーケ状に編みこんだものです。

ドロップ型のリースには、ベネチアグラスを使いました。
お気に入りのリースです。
19世紀末ウィーン・ファーベ 第T部 クラッシックコンサート(ピアノ、クラリネット、フルート)

今回コンサートをオファーした赤坂さんは、以前とあるパーティでご一緒させていただきたまたまお隣の席だったのがご縁です。私と同じく「山口日独協会」のメンバーでいらっしゃる赤坂佳美さんとそのお仲間にこの度のコンサートをお願いいたしました。スポンサリングは、私たち「山口アート ドレーヴ協会」ですが、選曲やコンサートの進行、パンフレット等はすべてお任せいたしました。やはり、さすがです!。時代背景もぴったりこの時代を合わせたものをメインに。まず、オープニングは、私の大好きな曲のひとつである、ヨハンシュトラウスの「春の声」でした。きっとその当時日本からウィーンの外交官ハインリッヒ・クーデンホーフ伯爵に嫁がれた光子さんもウィーンでこの曲を聞かれたことでしょう。アンコール曲もまたまた私の好きなシューベルトの「アベ・マリア」でした。5月に訪れた「ウィーンの森」の情景が目に浮かびます。「ウィーンの森」には、ベートーベンやシューベルトゆかりの地などあります。80枚用意したチケットはすべて完売。当日も立ち聞きでもいいからと、多くのお客様にご来場いただきました。

演奏者の皆さんで作られたコンサートのプログラムです。

満席の会場で演奏中

T部コンサートの演奏を終えて、演奏して下さった皆様と一緒に「赤れんが」をバックに。
 

ヨハン・シュトラウス「春の声」について〜
この「春の声」はソプラノソロとオーケストラのために作曲されたワルツです。本当にヨハンシュトラウスのワルツは優雅な気分にさせてくれますね。

会場の花は、アート ド・レーヴのメンバーのスタイリッシュフラワーの中嶋さんにお願いしたのですが、さすが!。
演奏家の皆さんのドレスの色とピッタリマッチ!。なんの打ち合わせもしていないのにですよ〜。ウィーンカラーと言っただけで、ここまでみんなマッチしたのですね〜。
19世紀末ウィーン・ファーベ 第U部 チェンバロコンサート

今回のイベント会場の「赤れんが」にはチェンバロが常設してあります。せっかくですのでぜひチェンバロのコンサートも開催したいと思っていましたが、演奏できる方を、存じてないし〜、と悩んでいたところにふと思いだしたのが、これまたとあるパーティでご一緒だったチェンバロ調律師の澄川さんでした。さっそくご相談したところ、演奏して下さる方をご紹介いただきました。西井さんご夫妻です。チェンバロはピアノの前身の楽器ですので、この楽器の全盛期は今回のイベントのテーマ「19世紀末」より少し前のバロック時代になります。今年はまた、お正月のウィーンフィルのニューイヤーコンサートでも紹介されていましたが、「ハイドンイヤー」でもあります。ハイドン没後200年の年なのです。ですので、ハイドン作曲の曲目も演奏して下さいました。初めて聞くチェンバロのソロ演奏、とっても感動しました。

演奏中。皆さんチェンバロの音色にうっとり


演奏が終わって気持ばかりではありましたが花束を。

コンサート部門の司会進行をして下さった石井さん、そしてチェンバロ奏者の西井さんご夫妻と一緒に、チェンバロの前にて。
ではここで、どうしてチェンバロがここ赤れんがにあるのでしょう?。
山口はその昔、あのスペインの宣教師フランシスコ・ザビエルがキリスト教の布教に訪れたところで、その布教を記念してサビエル聖堂が建てられているのはご存知の方多いと存じます。そのザビエルがキリスト教布教の許可を得るため、当時山口を統治していた武将大内義隆に送った楽器「マニコルディオ」(チェンバロの前身)で演奏したのが、我が国で最初の西洋楽器の演奏と言われているため、ここ山口は「西洋音楽発祥の地」とも言われています。

そしてここ赤れんがのチェンバロは、平成7年に山口市がチェンバロを制作し、山口をシンボライズするために、大内氏の家紋「大内菱」とフランシスコ・ザビエルの紋章を施したそうです。楽器製作者も佐藤裕一氏、装飾を行った方は高倉由美子氏、いずれも関東の方ですが、どちらもこの分野では著名な方です。

今回の演奏のあとも、せっかくの機会ですので、ご来場いただいたお客様方に近くで、このチェンバロをご覧いただきました。
演奏後のお疲れにも関わらず、西井さんはお客様方の質問にお応えされ、丁寧にチェンバロについてご説明して下さいました。

チェンバロはとっても繊細で美しく華奢っていう表現がぴったりのような楽器です。


こちらがザビエル家の紋章です。

チェンバロの鍵盤は2段になっていたの
ですね〜。ピアノより幅が狭いです。

コンサート後にチェンバロをご覧になるお客様
ウィーン風カフェ
山口市の施設である今回のイベント会場クリエイティグスペース赤れんがは、本来は飲食分の提供は1階のロビーのみなのですが、2階会場(準備室)での提供については今回のこのイベントが「文化的なイベント」ということで、山口市に特別に許可していただきました。コンサートのある日はコンサートとセットでお楽しみいただき、またその他の日は、手芸作品のお土産付きでお楽しみいただきました。ケーキは宇部市のお菓子のピエロさんの協賛で、マリア・テレジアが好きだった「アプフェルシュテュルーデル」というリンゴとくるみのフィリングをパイ生地で包んで焼いたお菓子と、「リンツァートルテ」というオーストリアのリンツ発祥のトルテ菓子を提供していただきました。いずれもオーストリアを代表するウィンナーケーキで、お味も本場でいただいたものそのものでした。お客様にも大変喜んでいただけたようです。

ロビーもウィーン風カフェに早変わり。


ピエロさんにこのイベントのために特別に作っていただいたアプフェルシュテュルーデル(左)とリンツァートルテ(右)。こちらももちろん完売でした!。

コンサート開催日は特にカフェは大忙しでした。

終わりに
私たちアート ド・レーヴ協会は、昨年末よりこのイベントを計画し、コツコツと準備をしてまいりました。
上記レポートのように、「文化」・「音楽」・「食」という3つのコンセプトで、今回のテーマ国「オーストリアをご紹介させていただきました。
開催日にはたくさんのお客様にご来場いただき、大変ありがとうございました。

そして今回のイベント開催に際し事前より、山口日独協会様、お菓子のピエロ様、また調律師の澄川様はじめ、たくさんの皆様にご協力そしてお世話いただきました。またコンサートで素敵な演奏を聞かせてくださいました出演者の皆様、そして裏方としてお手伝いして下さった皆様大変ありがとうございました。

また、お忙しい中、取材にいらしていただいたTYSテレビ山口様、朝日新聞様、山口新聞様、事前の宣伝にと出演をオファーしてくださったfm山口様、KRY山口放送様、大変ありがとうございました。

すべての皆様に厚く御礼申し上げます。

山口アート ド・レーヴ協会は、ヨーロッパ系手芸の協会ですが、手芸を単なる手芸展だけとしてではなく、その都度ある「テーマ」を決めて、文化的な展示会を開催していきたいと考えております。
これからもメンバーそれぞれ、いろんな研鑽を積み、頑張って行く所存でありますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。