〈倶子オフィス〉著書「俳優がゆく」より
ひとり舞台 「みちのく力士伝」より |
|
甚句会と趣味の会
はるか明治の土俵の上によ
身長わずか5尺2寸(158センチ)” 角聖 ” 19代横綱・常陸山に喰い下がり、引き分けること3度。” ダニ ” と呼ばれた男。 昭和初期、第32代横綱・玉錦三右エ門と出世を競った若き小結・清水川は酒に溺れ、素行も荒れて、ついには本場所を放棄。相撲界から追放される。息子・清水川の土俵復帰を嘆願し、青森・五所川原の父・長尾元吉は遺書を残し、首を吊って果てた。53歳。遺書は倅の再起をひたすら願うものだった。まだ雪残る3月のことである。 (中略) 相撲のひとり舞台はややこしい。常陸山対玉椿。清水川対玉錦。俺は今、どちらの力士を演じてみせているのか。投げた。転んだ。どちらが? いやはや、忙しい。 舞台は内容が問われるのは勿論だが、その日の出来、不出来が正直にお客さんの反応に出る。面白くなければ席を立ってゆく。正念場に逃げ道などない。 |
Index 〈「俳優がゆく」Top・転機・俳優とマネジャー・甚句会と趣味の会 〉
Copyright(C)2000 (Tomoko Office)All Rights Reserved.