ステロイド軟膏の個別包装について

アトピー・ステロイド情報センターの機関紙50号(2001.3.15)に載った記事を許可を得て転載しています。


 薬で被害に遭わないためには、薬の成分や副作用が、患者一人一人に正確に届けられることがまず必要です。医療機関で購入する際には10本単位で1ケースといったように、1ケースごとに添付文書というものがついているのですが、患者には、ほとんどがもっと少ない単位で処方されますので、患者の手にそれらの添付文書がわたることはありません。 添付文書が一人一人の患者の目にふれることで、少なくとも薬の被害の幾ばくかは防ぐことができると考え、今回情報センターでは、以下の要望書を各薬品会社あてに、また、厚生省や薬剤師会、医師会にはそういった指導を促して欲しい旨の要望を出させていただきました。


要 望 書

 2000年6月に藤沢製薬より発売されました尋常性乾癬治療剤ドボネックス軟膏(カルシポトリオール)は一本10グラムで、各ケース毎に患者に処方投薬がなされています。チューブ自体に薬品名・商品名に加え“詳細は添付の説明書を参照のこと”と記載されており、ケースには添付文書が入っています。このように、新しい薬では薬の使用にあたって患者に対して正しい知識の普及啓発が行われています。
 現在、ステロイド外用剤にはチューブへ商品名の記載があるものもありますが、「副腎皮質ホルモン剤」という記載がないものや、商品名が記載されていないものも多くみられます。局所作用の強いホルモン剤ですから、患者が薬を正しく安全に使用できるよう、チューブ自体への薬品名の記載は勿論のこと、各チューブ(1本単位)毎にケース包装とし説明書を添付していただくことが望まれます。
 「アトピー性皮膚炎の正しい知識 横関博雄著」(全日本病院出版界発行)にも記載 がみられますように、“長期にわたる不適切で大量のステロイドの外用が成人型アトピー 性皮膚炎の増加の原因のひとつ”であることも明らかとなっております。
 また、ステロイド外用剤の不適切投与を不服として、10年にわたる訴訟が行われておりますが、処方されたステロイド外用剤に説明書が添付されていれば、こういった医師患者間の治療上の行き違いを防ぐ手助けになったに違いありません。
 現在ステロイド外用剤は10本が1ケースとして、医療機関に販売されておりますが、今後は、患者一人一人に説明書が手渡される1本単位のケース包装をしていただけますようお願い申し上げます。
 今後、ステロイド外用剤の使用による重症成人型アトピー患者を増やさないためにも、そしてまた全ての医療において、こうした一つひとつの小さな積み重ねが、真の患者たちの求めるより良い医療へと繋がっていくことと信じます。
 大変僭越とは存じますが、何とぞご検討いただきご配慮下さいますよう心よりお願い申し上げます。

特定非営利活動法人 アトピー・ステロイド情報センター
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