Tim's filmograpfy

我が銀幕のティム・ロス

  海の上のピアニスト(1999)

last update:04/02/25


● 作品データ ●
原題 THE LEGEND OF 1900
上映時間 125分
製作 イタリア/アメリカ
  アスミック・エース/日本ビクター
日本初公開 1999/12
ジャンル ドラマ
 

大西洋に生まれ、一度も船を降りたことがない
ピアニストの伝説

監督 ジュゼッペ・トルナトーレ Giuseppe Tornatore
製作 フランチェスコ・トルナトーレ
原作 アレッサンドロ・バリッコ
脚本 ジュゼッペ・トルナトーレ Giuseppe Tornatore
撮影 ラホス・コルタイ Lajos Kolta
音楽 エンニオ・モリコーネ Ennio Morricone
 
● 出演者リスト ●
1900 ティム・ロス Tim Roth
マックス プルイット・テイラー・ヴィンス Pruitt Taylor Vince
ジェリー・ロール・モートン クラレンス・ウィリアムズ三世 Clarence Williams III
ダニー・ブートマン ビル・ナン Bill Nunn
少女 メラニー・ティエリー Melanie Thierry
幼年時代の1900(1) イーストン・ゲイジ Easton Gage
幼年時代の1900(2) コリー・バック Cory Buck
楽器店の店主 ピーター・ヴォーガン Peter Vaughan
波止場のチーフ ナイアル・オブライエン Niall O'Brien
メキシコ人機械工 アルベルト・ヴァスケズ Alberto Vasquez
農民 ガブリエル・ラヴィア Gabriele Lavia
バンドマスター ヴェルノム・ナース Vernom Nurse
船長 ハリー・ディストン Harry Ditson
 
『ニュー・シネマ・パラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレ監督が、
ティム・ロスを主役に据えて撮ったグランド・ロマン。
もともとは、イタリアで200回以上上演されたという一人芝居の劇である。

全体に、非常に前時代的なロマンティシズムに彩られた、
「講釈師 見てきたようにウソをいい」的な物語であるが、
酔える人には堪らなく酔える、ファンタジックなドラマに仕上がっている。
浮世離れした主人公に血肉を与えてみせたティムの演技もさることながら、
全体の雰囲気構築は大御所エンニオ・モリコーネの音楽によるところが大かも。

とにかくこの主人公にティム・ロスが扮したことは、当時けっこう話題になった。
というのも、日本ではすっかり“タランティーノ組のティム・ロス”で定着し
彼を紹介する時の枕詞は「「パルプ・フィクションの」「レザボア・ドッグスの」
そして「フォー・ルームスの」ティム・ロスというものだったから。
それからすれば、この起用がいかに意表をつくものだったかがわかる。
だが、彼のこれまでの経歴をみれば、そう意外ではないし、
また「フォー・ルームス」でのコミカルな動きは、「チャップリンを思わせる」
というトルナトーレの言葉が、そう的外れなものでないと思えてくる。

で、アメリカでは興業的に振るわなかったこの作品、日本では大ヒットした。
作品への評価は「泣いた!」「感動した!」と概ね好意的だが、
割とシニカルな意見や、バカバカしいといった声も多い。
それは主人公“1900”の、船を下りない姿勢を巡ってのもので、
「変人」ならまだしも「腰抜け・不甲斐ない」とか「引きこもり」とさえ。
恋愛シーンで見せたある行動については「ストーカーみたい」。
まぁ、どういう感想を持とうが各自の自由なのだが、“1900”のありようを
これら現代のネガティブなものと同一視するのは、それこそ
『味噌も糞も一緒』ってもんじゃなかろかホイ?

とにかく前時代的なロマンティシズムってことを見る側も心得ておらねば。
間違っても「騒々しい機関室にいたら繊細な音楽家の耳は育たない」とか
「廃船の中で主人公はどうやって生きていたのだろう?」
などとは考えないこと! 良い子のお約束だゾ。
 
● この作品におけるティム ●
太平洋を西に東に行き来する客船ヴァージニア号に捨てられていた赤子が、
成長して類稀なピアニストとなるが、彼は決して陸に上がろうとせず、生涯を
船上で過ごす……この浮世離れした主人公“1900”がティムの役どころ。

悪役俳優としてすでに確固たる地位を築いていたティム・ロスにしては珍しく
この作品は、ノー・バイオレンス ノー・ブラッド ノー・ガンスモーク
ガンの飛ばしあいは、なくはなかったが、その際のタイマンすらもピアノが
用いられたくらい徹底した非暴力振り。冗談はさておき、同じようなカッコの
ダッチ・シュルツ(「奴らに深き眠りを」)が暴力まみれだったのと比べてみると
顔が同じなだけに余計、非暴力ぶりが際立つ。

思うにティムの演じてきた役は、「バイオレンス系」と「イノセンス系」に
分かれるが、“1900”は極め付けのイノセンスさである。監督とティムは、
この“1900”を天使のように純粋だとして、製作に臨んだという。
ま、実際は、演じてるのがティムだからか、天使というより妖精に思える。
マックスと初めて出合った嵐の場面、荒れる海をものともせず船内を行く“1900”
その姿は痛快ではあったが、どことなく妖しくもあった。
天使であるのなら、ほの暗さはあってはならないだろう。
だが、その人生の評価を巡って賛否の渦を巻き起こした“1900”にとって
必要な要素だった、と私には思える。

結果日本でのティムの認知度もぐっど上がり、この作品で彼を知ったという人は
ことによるとタランティーノ作品を上回ったかもしれない
(タラちゃん長らく活動休止中だし)。ティムのファン層もぐっと広がったが、
作品の雰囲気があまりに従来のものと異なるので、それまでとは違った
一言でいってしまえばミーハーなファンが増えたことも事実。
その、あまりに従来とは違ったファン層の、あまりのミーハーぶりに業をにやし
とある国内有名ファン・サイトは掲示板を閉鎖してしまうという珍事すら起きた。

ま、様々な意味から、ティムにとって記念碑的作品といえる……かもしれない。
 
● 受賞歴 ●
ダヴィッド・デ・ドナテッロ賞
1999年
ダヴィッド賞 受賞
・Best Cinematography  
(Lajos Koltai)
・Best Costume Design  
(Maurizio Millenotti)
・Best Director       
(Giuseppe Tornatore)
・Best Music         
(Ennio Morricone)
・Best Production Design 
(Francesco Frigeri)

Scholars Jury David賞
 (Giuseppe Tornatore)
ヨーロピアン・フィルム・アワード
1999年
Best Cinematographer 受賞 
(Lajos Koltai - 「Sunshine (1999)」に対しても).
Italian National Syndicate of Film Journalists
1999年
シルバーリボン賞 受賞
・Best Costume Design  
(Maurizio Millenotti)
・Best Director
      (Giuseppe Tornatore)
・Best Producer
・Best Production Design
(Francesco Frigeri)
・Best Screenplay
     (Giuseppe Tornatore)

スペシャル・シルバーリボン賞 受賞
(Ennio Morricone
- For the musical research for composing the movie's original score.)
Camerimage(ポーランド)
1999年
ゴールドフラッグ ノミネート(Lajos Koltai )
米国ゴールデングローブ賞
2000年
Best Original Score - Motion Picture  受賞
(Ennio Morricone)
ゴールデン・サテライト・アワード
2000年
Best Art Direction, Production Design ノミネート
(Bruno Cesari、Francesco Frigeri )

Best Original Score  ノミネート(Ennio Morricone)
 
● 関連書籍 ●
「海の上のピアニスト」 アレッサンドロ・バリッコ著, 草皆 伸子訳
白水社 ¥1,200
1999/11/01発行 152 p
ISBN: 4560046700

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