| ● 出演者リスト ● |
| フランソワ・ヴァテール |
ジェラール・ドパルデュー Gerard Depardieu |
| アンヌ・ド・モントージェ |
ユマ・サーマン Uma Thurman |
| ローザン侯爵 |
ティム・ロス Tim Roth |
| コンデ大公 |
ジュリアン・グローヴァー Julian Glover |
| ルイ14世 |
ジュリアン・サンズ Julian Sands |
| グルヴィル |
ティモシー・スポール Timothy Spall |
| 王弟オルレアン公フィリップ |
マーレイ・ラクラン・ヤング Murray Lachlan Young |
| 財務長官コルベール |
ハイウェル・ベネット Hywel Bennett |
| 医師ブルドゥロ |
リチャード・グリフィス Richard Griffiths |
| コンデ公妃 |
アリエル・ドンバール Arielle Dombasle |
| ロングヴィル公夫人 |
フィリピーヌ・ルロワ=ボリュー Phillippine Leroy-Beaulieu |
| アテナイ・ド・モンテスパン |
マリーヌ・デルテルム Marine Delterme |
| エフィア侯爵 |
ジェローム・プラドン Jerome Pradon |
| 王妃マリー=テレーズ |
ナタリー・セルダ Nathalie Cerda |
| ルイーズ・ド・ラ=ヴァリエール |
エミリー・オアナ Emilie Ohana |
| ロシュフォール |
パトリック・サヴォリオーニ Patrick Saverioni |
| ロングヴィル公 |
ジェームズ・ティエレイ James Thierree |
あの「キリング・フィールド」の、あの「ミッション」の巨匠ローランド・ジョフィが
フランスの大御所ジェラール・ドパルデューを主役に迎えて贈る史劇。
フランス映画としては当時最高額を投じてゼータクに撮られた作品ですが
どうも日本人の観客にはほとんどそのよさがわからなかったようで、
宮廷の極楽美食ライフが見られると期待していった観客が大半だった模様。
ジョフィのこれまでを考えれば、それこそ『仮面の男』のような話であるわきゃ
ないというのはわかりそうなもんなんですがねぇ……。
ある意味、ヨーロッパの封建体制・階級社会の理不尽さ、それを集めて凝縮した
ようなフランス・ブルボン王朝のアンシャンレジームの最盛期を映像にしたような
物語。でも、そこらについて予備知識のない人にはつらいかも。
人間関係や時代背景といったことが判っているかいないかで、ストーリーの理解が
相当変わってくるはず。例えば最低でも主人公ヴァテールの《前の主人》のことは
知っておいた方がいいかも。また物語の背景には、フランス宮廷の内紛・
フロンドの乱があって、《負け組》コンデ大公一派と、《勝ち組》ルイ14世派の
勢力図があることも。
実を言えば、劇中ローザンに言い寄られるロングヴィル公爵夫人は、コンデ大公の
実のきょうだい。国王のご機嫌を損じれば我が身が危うい彼女の立場が
あのローザンの申し出を断れない状況を生み出している。また、その立場を
知っていて、そこに付けこむローザンの性格の悪さも窺い知れるというもの。
でも、予備知識がなくたって、見てれば、どうして後にフランス革命が起こったか
わかるのでは? よーするに、ヴァテールのように人間性を阻害される例が
この後120年も延々続いたら、いーかげん庶民もキレるってことですよ!
だとしても、バブルの時代、あのエセ美食の時代のあとの日本で公開されたのは
この作品にとって不幸だったかもしれません。
とはいうものの…上述したようなことはあくまで私の解釈にすぎず、
仮にこの話のテーマが「封建主義に翻弄される人間性」とか
「封建制vs近代の本人主義」みたいなものだったとしても、監督の描き方が
妥当だったとはいいがたい…いや、はっきりいってパッとしません、この話。
それは過去のきらきらしいジョフィ監督の仕事ぶりを考えると、いかにも物足りない。
ま、来日時の監督インタヴューを聞いたのですが、かなりヴァテルという人物に
入れ込んでたみたいですねぇ、ジョフィ監督ったら…入れ込みすぎたのかなぁ。
さて「王は踊る」も、ルイ14世治世の同じ頃の話なので、見てみるのもいいかも。
人物や時代の描き方がちょっと違ってて面白いですが、何よりポイントなのは
この時代、芸術家とはルイ14世を飾り立てるために機能してこそ、ということが
いえるんですね。思い返してください。この話の中でのヴァテルの台詞を。
「ただの仕事であっても、つきつめれば芸術にもなりうる」といった彼の台詞…
彼の考えは現代でこそ当たり前ですが、絶対的な権力者である王が第一という
時代にあっては許されず、また貫き通すことも難しいポリシーだったんですよね。 |