Nothing but the Night

水辺のふたり(近くにはバラバラ死体)

 本を出版したトニーは、宣伝のための旅の途中でカナダ人女性のパトリシアと出会う。故郷バンクーバーへ帰る予定だった彼女はトニーの本を読み、彼に会うためブラッドフィールドへやって来る。
 キャロルと次長のイーデンは2か月前から行方不明になっている元教師ケネス・グレイの捜索のためヨーク警察との合同捜査会議に出席。キャロルはそこに同席していたヨーク警察のウィンター巡査部長のことが気になりはじめるが…

 36歳の女性マリオン・リースが自宅のキッチンで殺害されているのを近所の住人が発見する。マリオンはスチームアイロンで何度も殴られた後、アイロン台で踏み付けられていた。冷蔵庫のドアには血で「SCREW YOU」と書かれており、隣のリビングルームには子供の文字ブロックが散らかっていた。地元の法律事務所で働きながら二人の子供を育てていたマリオンだが、彼女は第二期の肝臓ガンに冒されていて余命は数カ月だった。
 本の宣伝イベントに嫌気がさしていたトニーはキャロルから連絡が入るとチャンスとばかりに編集者に無断でブラッドフィールドに帰る。キャロルはマリオンの元夫に話を聞くが、彼が事件に関与しているという確証は得られなかった。また犯人がなぜほかの言葉ではなく「SCREW YOU」という言葉を選んだのかがトニーにはわからなかった。

 78歳の男性が自宅で頭から黒いビニール袋を被せられて死んでいた。脚には生きているうちにつけられたとみられる釘を刺したような穴がいくつもあった。事件の前後にはマリオンの時と同じ青いボクスフォーが目撃されていた。また両方の現場で尿の痕跡がみられたが、それらは被害者のものではなく、マリオンの冷蔵庫に書かれた文字の血も彼女のものではないことがわかる。

 行方不明になった15歳の少年アンディが湖で死体となって発見される。現場には削った木の枝や穴を開けた葉など、子供が遊んだような跡が残されていた。少し離れたところでは子供向けの恐竜の本が見つかり、それがマリオンの娘のものだったことから一連の事件は同じ犯人によるものだと思われた。
 数々の証拠は犯人が同一人物であることを示していたが、プロファイルによる犯人の人格はそれぞれに異なるものだった。そこで犯人はある種の供依存関係にある二人組で、そのうち一人の精神年齢は12歳程度ではないかとトニーは予測する。

 その後、2か月前から行方不明になっていたケネス・グレイの死体が浜辺で発見される。彼は顔を石で殴られ、頭には一発の銃創があった。その殺害方法に見覚えがあったトニーは、それがあるアクション映画のシーンと同じだということを思い出す。ビデオショップの店員に尋ねると、一連の事件の手口はいずれもホラーやアクション映画に出てきた暴力シーンと同じだということがわかる。


++ みどころ ++

 ヒル先生とキャロル、それぞれに新しい出会いがあります。キャロルの方は相手に奥さんがいたことでアッサリ終わっちゃいますが、ヒル先生のお相手パトリシアがこれまた曲者。(まあ毛染め女と同じ名前だしなぁ…笑) ブラッドフィールドまで追っかけてきて、どこで調べたのか自宅に電話してきたり、警察署に妻と名乗って電話したり、ディナーの約束をすっぽかされた(というかキャロルと一緒に捜査に加わってただけなんだけど)ことに腹を立ててキャロルの家を荒らしたり(怖!)
 実はパトリシアはDe Clerambault's Syndrome(精神自働症。ある種の妄想癖らしい)という病気で、ヒル先生はもちろん彼女の言動からそれを見抜くんですね。それでも勝手に家に入られたからと警察に通報したり、無理矢理治療を受けさせるなんてことはせず、さりげなく診療の予約を入れてあげてディナーにもお付き合い。優しいですね〜〜♪


++ヒル先生に注目++

 パトリシアに優しいのは彼女が患者になりうるとわかったからであって、その他の場面では相変わらず周囲が見えず、久しぶりに変人なヒル先生を見ることができて満足です。今回はいかにもヒル先生らしいシーンに注目(笑)

 パトリシアとの出会いは飛行機の中。エコノミーってとこがいかにもヒル先生らしいです(笑)
 コーヒークリームの蓋が開かなくて鉛筆でブチッと穴を開け、そこらじゅうにクリームを飛び散らせてしまいます。パトリシアも迷惑そうな顔(笑)

 本の宣伝のためラジオに出演中。しかしおバカなDJは話の途中で音楽を入れさっさと番組を次へ進めようとします。おまけに編集者からは「もっと明るく話せ」と言われる始末。
 殺人者の話をするのにどう明るくしろっていうんだ?

 その後いじけて(いじけてるわけじゃないけどそう見える。笑)パブで一人寂しくワインを飲むヒル先生。ピーナツを一直線に並べ、どれを食べようか選んでます。モンクさんじゃないんだから(笑)

 警察署にヒル先生宛の電話がかかってくることでキャロルにたしなめられてしまいます。

"Tony, this is a police station. not a personal message survice."

 この後、パトリシアは妄想癖のある女性だと説明しますがキャロルには軽く受け流されてしまいます。そこまで必死に言い訳しなくてもいいのに(笑)

"Screw you... Screw you..."

って言ってたらそこにケヴィンが入ってきて気まずい雰囲気に……
今回のエピの笑いどころのひとつで、ポーラも思わず笑っちゃってます。
てゆーかヒル先生、鞄おろせばいいのに(笑)

 でも、やっぱりイチオシはこれ!

 葉っぱの穴から覗いた瞳が美しすぎます♪


++その他の人々にも注目++

カメラ目線のキャロル

 このドラマってこういう演出はありえないと思っていたのでとても意外でした。一瞬「華麗なるペテン師たち」かと思った(笑)
 ヨーク警察との合同捜査会議に出席してるけどここの警視がレポートに書かれたことを読み上げるだけでほとんど会議の意味なし。「午前10時半にコーヒーを買うために職場を出て以来行方不明云々…」との報告に辟易としながら「それで砂糖は何杯入れたのかしらね」とイーデン次長に冗談を言います。そう、これはカメラではなく次長を見つめているのです(笑)

 このエピのキャロルはスーツ姿が多くてかっこいいですよ。

ちょっと女っぽくなったポーラ♪

 心なしかメイクもちょっと濃くなったような気が(笑)

 しかし相変わらずしっかり者っていうか、キャロルにもきちんと意見を言えるし、かといってちょっとした心配りも忘れない。この先どんな刑事に成長していくのか先が楽しみですね〜。

褒められちゃったケヴィン!

 ショッピングセンターの駐車場の監視カメラに写っていた容疑者の車を発見!

"Kevin Geoffries, you're a genius"

 キャロルに褒められるのはおそらくこれが最後ですので(苦笑)このシーンはしっかり見てあげてくださいね。

ちょっとだけイーデン次長

 この階級の人にしてはめずらしくスーツ姿でも登場します。でも制服の方がやっぱりいいな〜(笑)

 事件の解決のめどが立たないと「いつでも他の警部と変えるぞ」とキャロルを脅します。人間味のあるブランドン次長と違って官僚的な面あり。刑事ドラマにはよく出てくるタイプです。


++ポチたま in the Wire++

殊勝わんこ♪

 犯人の捜索のためブラッドフィールド〜ヨーク間すべての警官に協力を要請。森の中で容疑者のバンを発見したのはDog Section(警察犬担当)の車でした。そこでこの2頭のワンコが女性を殺そうとしている容疑者ににじり寄っていきます。 犯人は犬が苦手なのか? マリオンの家にあった文字ブロックの「DOG」に始まりワンコの活躍で幕を閉じた事件でした。

囚われのネルソン

 久しぶりに登場したネルソン君♪
 毎度のことながら事件解決に一役買ってくれるなんてことはありませんが、彼はあくまでキャロルの癒し役なのでそれでいいのです。

 でも今回は彼にも災難が。嫉妬に駆られたパトリシアがキャロルの部屋を荒らしたため一時避難。ネルソン君はケージに入れられてしまいました。

ペットショップでも

ビデオショップでも

警察署でも

常にケージに入れられっぱなし。とんだとばっちりを受け「ナ〜〜」と抗議の声をあげてます。
ネルソン君の鳴き声って実はけっこうダミ声であんまりかわいくないんだよね(笑)
ところで原作のネルソンは黒猫なのになぜドラマ版ではトラ猫なのかな?


++感想++

 精神面に問題のある容疑者や恋愛妄想症のパトリシアなど、メインストーリーとサブストーリーが同じテーマでうまく描かれたエピだなと思いました。ヒル先生の専門分野で本領発揮ですね。
 しかし殺された人たちは本当にお気の毒。それにかわいそうなのは彼等と同居していた(ほとんど監禁されてた)リアという女の子。日本でも若い女の子の長期監禁事件が多くありますが、みんな仕事をしたり学校へ行ったりして逃げようと思えば逃げられるのに、って思うんだけど、それができない精神状態にまで追い込まれてしまうのだと聞いたことがあります。リアもまさにそうでした。
 ラストの“He killed a part of me”という言葉が監禁生活の悲惨さを物語っています。彼女が立ち直れることを願ってやみません。

 ヒル先生らしい行動も楽しめました。旅行用のキャリーバッグの車輪が壊れてガタガタしてたりとか、飛行機のチェックインの時も周囲に気を配らない。そしてなんと! ヒル先生は今までペットを飼ったことがないんだそうな! うーん、でも意外ってほどでもないかな? ヒル先生がワンコと遊んでる姿なんてあんまり想像できないもんねー。今でも唯一の友達がララ・クロフトですから(笑)

 秋のイングランド北部の風景がとてもきれい。「こんな美しい場所で悲惨な事件が起きるなんて…」とキャロルも言っておりました。紅葉した公園のベンチに佇むヒル先生を見て、あ〜隣に座りたいなぁ〜〜〜と妄想モード。私の中のパトリシアな一面が顔を出しました(笑)


あなたのご感想もぜひお聞かせ下さい! →BBSはコチラ

<< BACK