瘡蓋(かさぶた)


結局何も言えなかったあの日
想いをこの身から剥ぎ取った

代償は
風化しつつある傷口の
ささやかな痛み

傷口は語る
いつの間にか自分は
こんなところまで来てしまったのだと

傷口は語る
あの時の想いは
嘘ではなかったのだと

時の向こうに置き去りにした
記憶の意外な美しさに

瘡蓋をそっと掻きながら
満足している自分が いた




つぶやきの裏側
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