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| 楽器を気にする必要がなくア・カペラでも演奏できるので、小規模な合唱団にはおなじみの曲です。演奏時間は短いですが、音楽は充実しています。 モテットという言葉は時代によりさまざまな意味で使われますが、バッハにおいては「独立した器楽パートを持たず、宗教的な内容を持つ声楽曲」ということになるでしょうか。実際には声のパートに楽器が重ねられることもあったようで、必ずしも無伴奏ではありませんでした。ほとんどが8声の2重合唱で、「イエスよ、我が喜び」BWV227だけが5声です。声部構成からするとやや古めかしい印象を受けますが、単純な4声合唱よりは高度な技巧が要求され演奏効果も高い作品です。 ライプツィヒ時代のバッハは、通常の礼拝職務にはカンタータや受難曲を提供していましたが、当時でもすでに時代遅れの感があったモテットに関しては、トマス教会にすでに揃っていたコレクションから選んで演奏することでよしとしていました。新しいモテットが準備されるのは、名士の葬儀や祝祭など特別な機会で、それによる臨時収入が期待される場合に限られていました。 録音は、さすがに世界の有名声楽アンサンブルによる名盤が揃っており、よりどりみどりの状況です。パターンとしては、ルネッサンスの作品を得意とする団体が規模を拡大して取り組む場合(ヒリヤード・アンサンブルやザ・シックスティーン)と、バロックの作品を得意とする団体がメンバーを絞って取り組む場合(クイケンやユングヘーネル)があり、演奏自体はどちらも素晴らしいのですが好みによって評価が大きく分かれます。ご想像の通り、ルネッサンス系は流れるような演奏と美しいハーモニーが、バロック系は楽節の対比や言葉を重視したアーティキュレーションなどが特徴で、アンサンブルクライスと明治学院バッハ・アカデミーの両方で歌っている私としてはどちらのアプローチも好きなのですが、クライスでモテットを取り上げているときには前者を、明治学院で取り上げているときには後者をつい聴いてしまいます。 |
| 最終更新 2003.5.18 |
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