その2:香港の朝


翌朝目が覚めると部屋は暗い。はて、まだ夜なのか?と思って気がついた。この部屋、窓がない。いや、正確には窓はある。あるのだがその窓が外に面していない。窓の向こうには配水管らしきものがあり、ご丁寧にガムテープで目張りがしてある。おそらく窓を開けたらゴキブリやらねずみやらが部屋に入ってくることだろう。私も速やかに窓を開けるのを諦め、散歩を兼ねて朝食を食べに行く。
とりあえず新聞を買う。香港の新聞は何紙かあるが、どれもボリュームがある。日本でいえば朝日も日経もスポニチも東スポも一緒になっているような新聞だからとにかくボリュームがある。店によっては新聞買うと持ち歩き用にビニール袋をくれるくらいだ。私もとりあえず一紙買ってみた。日本でも元旦の朝刊は結構なボリュームだがあれよりも凄い。それが毎日発行されている。一面にいきなり「ベンツ大事故3人死傷」みたいな見出しが躍り、血だらけの怪我人が救急車に乗せられる写真が掲載されていたりする。こんな写真は日本ではちょっと見かけられない。もちろん、競馬欄もある。この日も「空中聖戰状態鋭」「原居民快調」みたいな見出しがあった。しかしとにかく重い。朝食を食べるお店を決めてから買えばよかったとちょっと後悔。ちなみに、この新聞は夕方になると割引されて売られる。朝だと5ドルくらいなのが夕方には3ドルとかね。節約したい方は夕方に買おう。新聞は街中の露店で買える。露店は街中を普通に歩いていればすぐに目に付くはず。新聞の隣になぜか「金田一少年の事件簿」の単行本があったりするが。

香港の庶民の朝食といえばお粥や麺あたりがポピュラーだが、私はあえて朝っぱらから飲茶をチョイス。散歩の途中に1個9ドルの安い飲茶を出すお店を発見したので入ってみる。飲茶といえば、まずはお茶のオーダーを出す。何種類かあるので好きなのを飲めばいいのだが、たいていの場合香港では「日本人はジャスミン茶を飲む」と思い込んでいるらしく何も言わないとジャスミン茶が出される。だから何か飲みたいのがあればちゃんと言おう。私の場合はプーアル茶(現地では「ポーレイ」と発音する)を頼んだ。烏龍茶は「ウーロン」で通じるようだ。あとは店によって違うがたいていはワゴンに積まれているものから好きなものを選ぶか、チェックシートみたいな紙に書いてオーダーするかのどちらかだろう。今回はワゴンから取るタイプだったのだが、ワゴンが近くにきたらとりあえず中を見せてもらおう。たいてい蓋がしてあるが、そんなのは勝手に取ればよい。もちろん見終わったら戻さなければならないが。あるいはワゴンを押しているおばちゃんが順番にふたを開けて見せてくれる。で、食べたいものがあれば「これ持ってくよ!」と声をかけて持っていく。あるいは必要に応じてタレをかけてくれたりするのでその後に持っていく。声をかけるのは日本語で大丈夫。もちろん相手は理解していないだろうが何も言わないよりはマシだろう。ちなみに香港の飲食店ではある程度以上の大きさのお店なら英語は何とか通じるし、日本語メニューが置いてある店も珍しくない。大通り沿いの店は半分以上の確率で日本語メニューがある。テーブル上になくても店員が持ってきてくれる。彼らから見れば日本人は一目でわかるようだ。
飲茶の点心は店にもよるが何十種類もあって、お好みに合わせて選べる。見た目にもおいしそうなものから見た目にも食欲を失わせるものまでさまざまだ。いや、単に日本人から見たら「これはちょっと」と思うようなものという意味であって、食べてみたらおいしいという場合も多いのでチャレンジ精神のある人や穴狙いが好きな人は積極的に挑戦して欲しい。私も見た目には気持ち悪い鶏の脚を煮たものを食べてみたらおいしかった経験がある。穴狙いでない人へのお勧めは海老蒸し餃子。透明感のある餃子の皮に海老一匹が丸ごと包まれているもの。香港は全体的に海老はおいしいものが多い。海老の身がまさにぷりぷりしている。

p.s.
このとき行ったお店の支店が東京・台場にオープンしたそうです。まだ行ったことはありませんが。お店の紹介はこちらからどうぞ。

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