夜食を食べるべく香港でも有名らしい繼L酒店にタクシーで乗り付ける。当然ながらお釣りは運転手へのチップ。到着すると、ドアマンがタクシーのドアを開けてくれる。広東料理のお店に来たはずだが、そのドアマンはターバンを巻いていた。席に案内されると日本人の店員さん(美人のお姉さん)がメニューを持ってきてくれた。広東語のものと日本語のものと両方。この日本語メニュー、広東語のメニューに比べて品数が少ない。店員さんによると「こちらのメニューは高級な、値段が高めの料理が中心になってますので」とのこと。正直者だね。
ここでは贅の限りを尽くした。値段も見ずに、食べたいものを適当に注文する。フカヒレは当然外せないし、この店の名物であるガチョウのローストも当然いただく。その他あれやこれやと注文し、メニューにはないエビチリまで作ってもらう。エビチリって本来は四川料理なのだが、広東料理のこのお店で作ってもらってもこれがまたおいしい。締めにヤキソバにするか炒飯にするか迷ったが、面倒だったので両方とも注文。最後はマンゴープリン。もうお腹がはちきれるんじゃないかと思うくらいの満腹。全部で8品くらい食べたと思うが、すべての料理がとてもおいしい。満腹になったし、いよいよお勘定。当然ながら私が3人分の勘定を支払う。ここ香港では、お勘定をしてもらうときにはある馬の名前を呼ぶと店員がレシートを持ってきてくれる。その馬の名はマイターン。手を上げて「マイターン!」と声をかけよう。「美純残せ〜」とかそういうことまでは言わなくていいけど。ちなみにこれ、本来は「埋單(まいたん)」と発音するのだが、「マイターン」でも十分通用する。しかし、高級なお店で満腹になるまで食べたのに勘定はなぜか2万円もしない。これ、一人2万円ではなく、3人の合計で2万円しないのだ。横浜の中華街で同じことをしたらいったいいくらかかるか。一人2万円でも驚けないところだ。いつもSさん夫妻、特に奥さんには何かとお世話になっているが今回これで少しは恩返しができたかなと思うとなおさら安く感じる。ここのお店、たいていの香港ガイドブックには掲載されていると思うが本当にお勧めできる。できれば数人で行って、コースではなく単品で注文したいところ。日本人の店員さんがいるときならメニューの相談にも乗ってもらえるはずだ。後にこの店に通って研究したところ、この日本人店員はディナータイムになると出勤するようである。
翌朝、早朝に香港を出発していよいよ帰国。空港では免税店でしっかり買い物をした。せっかくなんでネクタイを一本。あとは飛行機に乗って5時間少々で成田空港に到着。到着直前に窓から空港が見えたときに、「ここが下総御料牧場の跡地なんだよなぁ」ということを脈略もなく思い出す。日本の競馬に一時代を築いた下総御料もいまは日本から世界への、世界から日本への玄関口になっている。
たった3泊4日だったが、ずいぶんと長い旅だったような気がする。マカオのドッグレースに行けなったのは心残りだが、競馬では勝ったしおいしいものはいっぱい食べたし大満足だ。日本からも比較的近いし、言葉の問題もそれほどない。片言の英語と、あとは日本語で大丈夫。最悪でも筆談すれば何とかなるし。治安は日本に比べれば良くはないが命の危険まではないだろう。それに何より、出発時より金が増えて帰って来れるなんてこんないいところはない。というわけで、これに味を占めてこの後3回も香港に行ってしまったのは私だ。