エピローグ
「戦い済んで日が暮れて」

すべての戦いは終わった。最終日の朝、ホテルでゆっくりと朝食を食べる。目の前で焼いてくれたオムレツとコーヒーがオケラになった私の心を慰めてくれる。ミルクの豊潤な香りが私を包む。ホテルのラウンジでの朝食は、時間がゆったりと流れていく。高いホテルだったが、こうやって痛んだ心をいたわってくれるなら安いのかもしれない。それがサービスというものだ。

さて、いよいよ帰るときが来たようだ。荷物をまとめ、博多駅へ向かう。帰りは新幹線だ。荷物を網棚にのせ、ゆったりとシートに身を沈める。今までの戦いが頭を過ぎる。たった六日間だったが、さまざまな戦いをしたものだ。気がつくと列車は発車していた。ここで敗因を分析する。やっぱりここ一発の勝負を賭けたレースですべて負けたのが痛かったなぁ。一つでいいから取っていればこんな負け犬にならずに済んだのに。・・・まあいい。終わったことをとやかく言っても仕方がない。六日間、一日も休まずに打ち続けた自分を誉めてやろう。途中で投げ出さなかった自分を。

博多駅で買った本を読む。気がつくとすっかり眠ってしまっていた。やはり毎日が戦いの連続だったので、思った以上に疲れていたのだろう。このままずっと眠っていたい、そんな感じだった。

こう書くと、旅打ちなんてつらいだけのように思えるかもしれない。しかし決してそんなことはないです。つらい思いをしたのは単に私のバクチ下手が原因なだけであって、旅そのものは非常に面白いんですよ。日頃見ている同じ公営競技でも、そこには新たな発見がある。今回のシリーズを読んだ読者の方々が、一人でも「俺も旅打ちに行ってみよう」と思って頂けたら幸いです。身銭を切った甲斐があるってもんです。

九州旅打ち紀行メインへ

バクチ打ち養成所メインへ