その2:事件発生


 さていよいよ馬券購入だ。穴場は購入金額単位毎に分かれている。1000ドン、2000ドン、5000ドン、10,000ドン、そして最高額が20,000ドン。20,000ドンといえば街中でフォーという麺、ガイドブックなんかだとよく「ベトナム風うどん」なんて書かれているものだが、これが4杯は食える。それはともかくとして馬券だ馬券だ。穴場のおばちゃん、というかおじさんもいたし女の子もいたのだが、とにかく人の後ろに板が掛かっている。その板に馬券の束がクリップで留められている。「3−5を3枚ちょうだい」というと、その束から3枚もぎって渡してくれる。馬券は連単のみ。なお、日本では「3−5」という表記が一般的であるが、ベトナムではこれを「3×5」と表記するようである。オッズ表示なんてものはない。馬券の束は目ごとに分かれているので、その減り具合で人気かそうでないかを見分けるくらいしか手はない。

 コースは右回り小回り平坦。一応芝コースのようなのだが、直線は完全に土が剥き出しになっていた。4角までは芝なのだが、直線は土。ダートではない。土だ。スタンドの上まで登ってようやく芝コースであることを確認出来たが、下のほうで見ていたら土コースと勘違いしたままだったかもしれない。  1Rは外してしまった。さて2R。購入したプログラムに真剣に目を通す。クラス分けとかよくわからんので、参考となるのは過去の走破タイムくらい。ところがこれが凄いことになっている。日本ではよく「時計一つ違う」なんて言い方をする。時計的に1秒は違うということだ。時計一つ違えば着差にして6馬身は違う。ところが、ここベトナムでは同じレースで時計が10以上違う馬がいるのだ。たとえば1200mのレースで、速い馬は1分30秒を切るくらいのタイムで走る。しかし同じレースで1分35秒とか40秒なんて馬もいる。こうなれば自ずと勝負は見えてくる。「展開至上主義者」の私でも、10秒の差を展開で埋められるとは思えない。速い時計の馬はプログラムでも★印がついていたりして人気になると思われるのだが、これはやむを得ない。さすがにサイゴンまで来て「堅そうだからケン」と言っている場合でもない。とりあえず一度は払い戻しに並びたい。ちなみにこの2Rでは私の買い目は3=7裏表、押さえに3−2というものだった。

 買い目が決まれば馬券を買いに行こう。
 「3×7、7×3、3×2をくれ〜」
 「・・・NO!

 さて、どうして馬券購入を断られたのでしょうか。この後、私の十数年の馬券購入歴でも初めてという事態に出会う。

BACK 東南アジア周遊編メインへ HOME NEXT