関越自動車道練馬ICから走ること約3時間、三条燕ICに着く。ここから目指す弥彦村までは車で約20分。村に入ると日本一といわれる大鳥居が迎えてくれるはずだ。そして村に入った瞬間からまず驚く。村中に、「ふるさとダービー弥彦」ののぼりが立っているのだ。まさに村をあげての大イベント。だいたい、競輪場なんてどこの街でも厄介もの扱いされているところがほとんどなのだが、ここは違う。なんて言うか、一競輪客として、歓迎されているような気がして嬉しいものだ。まあ村に金を落としてくれるんだから歓迎もしようってものだろうが。しかしここで私は心を鬼にして、「弥彦村のみなさんすまんのぉ。村の金をよそ者が巻き上げていってしまうんだから」と心に誓う。
ここ弥彦までの道中では「3Rか4Rくらいから打てるかな」なんて言っていたのだが、関越をあまりにも順調に来てしまったため、予定外に1Rに間に合ってしまった。やっぱり近いわ。高速代さえあればちょくちょく来たいねぇ。さて、来てしまったからには早速打とう。というわけで、「スポーツと競輪」というイカす名前の新聞を買って早速打つ。
ここ弥彦は400バンク。比較的直線は長めだと思う。まあ、S級1班の、それも上位クラスになってしまえばそれもあまり関係ないような気もするが。最後は「強いやつは強い」ってことになる。ただ基本線として「直線が長い」という事実だけは頭においておいて損はないだろう。
この弥彦競輪場、スタンドは本当に小さい。2000人も入れば満員かな、という程度のスタンドしかない。窓口も全部で100もないくらいだ。まあ普段は1000人前後しか入場しないので特に問題はないのだろうが、この日は最終的には4566名と超満員になった。そんな弥彦で、とりあえず一度は払い戻しに並んでおきたいと、1Rではまず堅いところから買ってみた。すると、1番人気240円で決まって、早速払い戻し窓口へ。「さて、次のレースからもちょくちょく来ちゃるけんのぉ」と思うのだが、やはり競輪はそう簡単なものではない。うーん、競輪、難しいねぇ。この後、普段の買い方に戻って中穴狙いに徹するのだが、まず3Rまでは全部1番人気で決着。かと思えば4Rからは突然荒れ出して、4820円、5930円、そして12800円の万シュ〜。
「コリャいかん。飯でも食って流れを変えよう」ということで、飯を食いに行く。私は基本的にバクチ場の食べ物が大好きで、モツ煮とか串カツとかはもう「愛してる」といえるレベルなのだが、ここ弥彦には残念ながらそういうものはなかった。しかし米どころ新潟、やっぱり米がうまい!豚汁定食のご飯がめちゃくちゃうまかった。あと、おでんが安かった。卵とかこんにゃくとか、1本50円。こういう「単品もの」はおでんとヤキソバくらいしか売っていなかったが。
さて流れが変わったはずの7R、「木下〜捲れ〜!!」の私の気合いの掛け声にあわせて、木下章(長野61期)の渾身の捲りが決まる。2610円をGET。これでここまでの負け分はすべてチャラ。よしよし。さて続く8Rは軽く外して、問題の9R。このレースの小橋正義(岡山59期)のコメントによると・・・「中団取らせたら日本一の本田さんにすべて任せていきます」とのこと。で、その「中団取らせたら日本一」の本田晴美(岡山51期)にすべてを託して勝負したら・・・本田晴美、最終バック8番手(笑)。そりゃいくら何でも届かない。結果は逃げた太田真一(埼玉75期)を直線で番手恩田繁雄(東京41期)が差して、ドスジの番手差しで万シュ〜。私ね、本田晴美って結構好きな選手なんだけど、どうも本田の頭で勝負した時に限って後方に置かれるんだよなぁ。あるいはいきなり逃げたりとか。そのたびに私は目眩がする。もうクラクラ。
続く10Rには個人的に「要注意人物」としてマークしている稲村成浩(群馬69期)が登場。稲村マークは地元新潟県民の期待を一心に背負う阿部康雄(新潟68期)。その地元の期待・阿部を連れて稲村が取った戦法とは・・・イン粘り。こいつ、ホンマにクズやわぁ。小嶋敬二(石川74期)の番手で粘ってやんの。この「自分さえ良ければ」の戦法に新潟県民の怒り頂点に達す・・・と思いきや、やっぱり弥彦の皆さんはのどかだねぇ。地元の代表が勝ち目のない位置に押し込められたのに何も言わないんだもんねぇ。こんなの、京王閣あたりで恩田繁雄(東京41期)を連れてイン粘りしたら何を言われるか・・・って稲村、それもやったことあったなぁ。その時は、「てめえ稲村このクズ!!何しやがるんだこのばか野郎!!」「お前のイン粘りで小橋に勝てるわけねえだろうが!!」とまあ野次のオンパレード。しかし今回はそのイン粘りのおかげで隊列が短くなったところを岡崎孝士(熊本77期)がひと捲り。マーク豊岡弘(長崎69期)流れ込んで4040円。ばっちり取りましたよ。だから私は今回の稲村の件についてはあえて不問に付すことにした。これでもう弥彦までの交通費や宿泊費、そして翌日の種銭まですべて稼ぎ出した。
さてこれで翌日の種銭も出来たし、最終11Rは軽くお遊びで買って見ていた。すると私の本命金古将人(福島67期)が神山雄一郎(栃木61期)の番手にはまる絶好の展開。これも取って2630円。いやあ、弥彦、いいところだねぇ。もう最高!愛してる!!という感じで初日を終える。
初日の戦いを終えて、宿へ向かう。のどかな温泉の村の宿、こんなところで競輪の話をしてるのは私らだけ・・・と思いきや、なんかそこら中で「稲村」「太田」「神山」「捲り」なんていうフレーズが聞こえてくる。そう、何のことはない、よく見れば一組を除いてみんな競輪客。もう村中競輪客で埋まってるんじゃないか?と思うくらいの比率だね、コリャ。というか競輪客じゃなかった一組のお客さんは周りを見てどういう気持ちだったんだろうか? と心配になる。ところでこの「弥彦荘」という宿、6000円と安いのだが食事はうまいし満足。やっぱり米がうまいってのが最大の魅力だね。思わずおかわりしてしまった。温泉に私の好きな露天風呂がなかったのだけは残念だが・・・。
そうこうしているうちに特観席が開場になったので早速入る。弥彦の特観は先着順に好きな席を選べるタイプで、1階席と2階席があるがぜひ2階席を選ぼう。1階席は特に特徴のないごく普通の特観だが、2階席はほんの20人ほどで広いスペースを使えるようになっている。ちなみにどっちでも1000円。ジュース飲み放題。まあ10杯も飲めばジュース代だけでも元が取れる(笑)。え、私? もちろん毎レースごとに1杯ずつ飲んでました。あと、通常の特観とは別にロイヤル(3500円)もあるのだが、この日は来賓席として使われていたので入れなかった。
さていよいよ1Rが始まる。新聞は昨日と同じ「スポーツと競輪」だ。うーん、再び「競輪は難しい」モードに突入。この日は昨日と違って結構荒れていて、2Rで早くも7000円台。4Rでは23000円。そのたびに「うぉー」とか「あちゃー」とか、そんな声しか出ない。せめて昼飯代くらい出てくれれば・・・と思ったら絶好の狙い目6R。市田佳寿浩(福井76期)の先行の後ろが競りだが、ここは渡辺晴智(静岡73期)取り切って差すと見て勝負!900円の配当だが、まあもらえるものはもらっておこう・・・ってな感じだ。さてレースは、まさに私が望んだ通りの展開。晴智がきっちり番手取り切って直線で市田を交わす、そのゴールを見届けて、昼飯を食べに行く。ところが、なかなか確定しない。確かに大外から何か飛んで来ていたような気はしたが・・・。さて、カレーを注文して食べる。やっぱりバクチで勝った金で食うカレーはうまいねぇ、と思っていたら確定放送。1着は晴智で間違いなかったのだが2着が市田と上方啓次(茨城54期)で同着。まあ同着だから払い戻しはあるが、900円だったものが500円にまで減ってしまった。思わずカレーを食べる手も止まる。もちろん外れるよりはいいのだが、それにしてもねぇ。この「今日の勝負レース」がこんな結果になってしまったショックは大きかった。しかもここで今までの流れがガラッと変わって、急に堅いレースばかり。7R970円、8R330円。9Rはチョイ荒れで1910円。そして10R、倉岡慎太郎(熊本59期)を使う山根義弘(山口47期)で「頭から万シュ〜」の気合いの大穴万車券勝負は・・・買わんと来るなぁ、稲村ぁ。お前には何度泣かされてきたことか・・・。
最終は今日のメイン、伊夜日子賞。人気は神山雄一郎(栃木61期)。ところが、ここで神山なんぞ買う金はない。神山−阿部で350円。そんなの買える金は持っていないので、ここは太田真一(埼玉75期)で勝負! 「いやあ、ここは太田で鉄板でしょう」などと自分を励ましてみるが、結局それは無駄な努力だった(笑)。神山あっさりひと捲りで350円の1番人気。すべてが終わった。
再び関越道に乗って帰る。でもまあ、気持ちいい2日間だったね。負けのことさえ気にしなければ。で、道中気がついたのだが、初日に勝って2日目の種銭を稼いだはずなのだが、なぜか万札が減っている。激しく減っている。なぜだぁ?
う〜ん、どうも2日目の、特に後半にかなり熱くなって穴場にガンガン突っ込んでしまったらしい。いかんねぇ。バクチ打ちたるもの、金の計算はちゃんとしないと。何もバクチは今日だけじゃないんだから。まあこれも、弥彦の開放的な空気がそうさせてしまったのだろうか。まんまと弥彦村の戦略にのせられてしまったような気がするなぁ。しっかり弥彦村の財政に協力してしまった。ちくしょ〜、今度弥彦に行った時は必ず取り返したるけんのぉ。