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12月の季語

 羽子板市

   森 高幸

 師走17日から19日まで浅草寺境内で開
かれる羽子板市が有名である。ではなぜ年の
暮れの迫ったこの時期に開催されるのか。
 起源は江戸時代に遡る。浅草寺の一年の締
括りの縁日が18日で、当時正月用品を売買
する市として賑わったという。明治中期、毎
年歳末に行われていた浅草寺「歳の市」の主
な商品として羽子板も販売されていたのが始
めで、昭和25年頃には「羽子板市」の名が
定着し、今では毎年約50店が集まり、凡そ
30万人の人出があるそうだ。
 午前中から午後11頃まで開いているが、
日が暮れてからの方がより趣があるように思
う。
 羽子板はそもそも邪気を跳ね返す板として、
女児の成長を願う風習からきているという。
売られている羽子板は、小さなものから両手
でも抱えきれないほど大きいものまで揃えら
れている。鮮やかな布地で飾った押絵羽子板
が中心である。江戸末期に歌舞伎の役者絵を
描き、以来江戸を中心として現在に続いてい
る。毎年の世相を映した変り羽子板を見るの
も楽しみである。今年はどんな人物が画題と
なるのか想像してみるのも良い。