
Hanzoubou
半僧坊ー建長寺の守護神鉄製の天狗像
石段をのぼっていくと、木立の中に天狗の像が見えてくる。実はこれが半僧坊の姿なのである。簡単に縁起を紹
介
しよう。
至徳元年(1384年)、方広寺(奥山半僧坊・静岡県引佐郡奥山)の開山・無文元選禅師が当地の領主奥山六郎治
郎朝藤の案内で入山したとき、白髪の老翁が現われ、禅師の弟子にしてくれと申し出た。弟子にしてくれるなら
末
永く山を守るという。
結局禅師に仕えることになり、日常身を粉にして働いてお世話をしていたが、禅師の滅後どこかに姿を消してし
まっ
た。その後、山内に不思議なことがおこった。これは翁のせいだと、京の名仏師八木氏を招いて翁の真影を
彫刻し
てもらうことにした。
仏師が斎戒沐浴し、三十七日参篭の末に夢枕に見たものは、半俗半僧、身長一丈余、面相あくまで赤く、高鼻乱
髪白衣、金色の袈裟を肩にし、木杖を手にしている老人であった。
この半僧坊がどうして鎌倉の建長寺にまつられているかというと、明治二十三年(1890)、ときの管長あおぞら
貫道
禅師が霊夢で半僧坊に会ったのをきっかけに、禅師自ら方広寺に出向き、建長寺鎮守としての分身を願い、
勧請し
たのである。
(中略)
ご利益は当病平癒、商運降昌、大漁満足、厄災消除など。三浦三崎のある信徒の家は火災寸前に半僧坊が像が
身
代わりとなって火事を免れたとか、神奈川県平塚の大火では半僧坊のお札のあった家は焼けなかったなどの霊
験
が伝えられている。
「鎌倉謎とき散歩」湯本和夫著(平成8年 廣済堂出版)より by Sue