フキノトウ

−郷土秋田の花:ばっけ−

fukinoto62fukinoto50秋田仁井田
ふるさと切手フキノトウ(1990)絵入り葉書(秋田)料額印面秋田仁井田局風景印
(風景スタンプ集より)

郷土の花として秋田県民に親しまれているフキノトウを,秋田で「ばっけ」と呼んでいるが,他方「ばっきゃ」とも言う。フキの花である。フキはもともと北海道,東北地方に広く自生していたとされる記録はあるが,いまは契約栽培されているほかは群生として見ることはない。「ばっけ」または「ばっきゃ」の語源は,アイヌ語のタイキャ(春)が変じたものとも,また,房総半島の一地域では崩れた崖の面をバッキと呼んでいるのと関係があるとも言われるがはっきりはしない。
フキは漢字で蕗と書くほか,別に款冬とも書く。理由は不明であるが「款」には「よろこぶ」「親しむ」「叩く」等の意味がある。凍てついた残雪の大地を叩いて顔を出すフキノトウは,正しく冬の花と思えてならない。
さて,秋田蕗が有名になったのは江戸中期の寛延年間(1748-1751)の頃で,ときの藩主佐竹義峰公が江戸城で諸大名の間のお国自慢の話の折,秋田蕗の話をしたところ大笑いされたため,急ぎ国元から取り寄せて諸大名に披露し納得させたときからとされる。これとは別に,秋田蕗にちなむ悲しい民話もある。父の病気を治すため,どんな病にも効くが決して近づいてはならぬとされた湖に水を汲みに行き,消息を絶った娘の話である。それ以来フキノトウが生えてくるようになったという。この消息を絶った娘の名は「ふき」という。
さて,この秋田蕗は秋田県の民謡「秋田音頭」で唄われている。
”おらの国にでは雨が降っても傘など要らぬ,手頃の蕗の葉そろりとさしかけ,さっさと出て行くわぇ”
この秋田蕗はいまでは秋田県の観光資源の一つとなっており,かすりの着物に身をつつんだ乙女たちが鎌を片手に大きな蕗を刈り取っていく。この秋田蕗は肉質が粗く繊維が多いため主として砂糖漬けの菓子の材料として出荷されるほか,葉・茎は秋田蕗摺の工芸品の材料に利用されている。現在の主な栽培地区は,秋田市新井田地区および鹿角市花輪町の一地域である。

(紹介 上神谷雄二)
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ゆうペーン表紙 (東北郵政局 1990)
フキノトウ
日本各地の山野に生える多年草フキの根茎から春のはじめに生え出る花茎をフキノトウと呼ぶもので,フキノトウという独立した植物種があるわけではない。しかし,秋田県の県花に指定されているのはフキではなく,フキノトウである。長い冬が終わって雪解けとともに顔を出すフキノトウは,待ちこがれた春の到来の象徴として,秋田ではとくに親しまれている。フキは雌雄異株で,フキノトウの花の色は,雄花が白黄色,雌花が白色と識別できる。葉柄は食用で,独特の苦味がある。
秋田蕗
フキはきく科ふき属の植物で学名は Petasites japonicus。通常は長さ30〜70abである。一方,2bにも達する秋田蕗はこのフキの一変種で,学名では Petasites japonicus var. giganteasという。var.は変種のこと,giganteasは巨大なものを意味するラテン語である。






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