私がベルマークにハマった理由

小学校の頃,委員会を決めるときには,ベルマーク委員会だけはなりたくなかった。
集計の計算がめんどくさいし,ベルマークを集めなければならない。 そしてなにより,「集めていったい何になる」という疑問がいつも心にあったような気がする。

ベルマークは1点につき1円の価値を持つ。しかし,ベルマークはいくら集めてもクーポン券のように個人のものは購入できない。
その点数とそのお金は,自分の学校の黒板や,チョークや,辺境にあってなかなか設備が整わない小学校や海外の教育設備に投資されてゆくのである。

ようするにベルマークとは,一番身近で,もっともお金もかからない,ボランティアなのである。小学校の頃,そこらへんをもう少し勉強するか,教えてもらうかしていたら,わたしはベルマーク委員になっていたかもしれない。
少しでも多くの人にベルマークの意義を知って欲しいと願い,私はこのHPを作りはじめたのである。

ところで,私が突然ベルマーク集めに目覚めたのは,ほんの些細なきっかけが始まりである。

滝田洋二郎監督の「木村家の人々」という映画を見たことがあるだろうか。 お金集めに血道をあげる家族の話なのだが,結局最後は「もうお金に執着するのはやめよう」と決意し,かわりに「ベルマーク」を集め始める…というオチで終わる映画なのだが,私はある時なんの脈絡もなく,食品についているベルマークを見てその映画を思い出したのである。

ふふふと笑いながら,そのベルマークを切り取った。 ともすれば見落としがちなベルマークだが,気をつけて探してみると,意外なところに意外な高得点でひっついていたりする。そういうささやかな発見は,けっこう楽しいものだ。

はさみを用意し,ベルマークを切り取る。 単純で,ばかばかしく,すこし気恥ずかしいような気もするが,なんだか笑える。おまけに嬉しい。
私にとって,ベルマーク集めの原点はほとんどここにあるような気がする。


「木村家の人々」滝田洋二郎監督(88年)

ひたすらお金儲けに走る家族を描いたブラックコメディ。
桃井かおり、鹿賀丈史の娘役を演じて、高い評価を得た。