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「わが罪 農薬汚染食品の輸入認可
−厚生省食品衛生調査会元委員長の告白−」
山本俊一著・石黒昌孝解説・真菜書房刊
1998年2月・1800円
一般にわが国の政治家は官僚に依存して「政治」を行っている。官僚は問題ごとに、自分たちの意にかなう学識経験者と言われる人を、審議会や諮問委員会の委員に組織し、「原案」として官僚本意の見解や方針を委員に審議させ了承させ、お墨付きを得た形にして「原案」を政治や行政の場で実現させる。御用委員制度とでも評すべきか。官僚国家と言われる所以である。
この本の著者は、1978年東大医学部衛生学教授時代に厚生省食品衛生調査会(食品衛生法第7条で規定)の委員長に任命された。著者の良心と反骨は厚生官僚としばしば衝突し、1期だけ務めてその任務を下りた。しかし、その間に、赤色40号というタール系色素を食品添加物として認めるよう追い込まれ、また、収穫後使用される農薬6品目の残留基準を作成する結果となってしまった。赤色40号も6つの農薬も安全性が問題のため日本ではそれまで使用されていなかった。だが、アメリカでは使われていた。厚生省はアメリカの政策に従い、経済の論理で日本国民の健康を犠牲に供した。著者はこの間の委員長としての責任を深く反省し、いわば内部告発的に調査会の実態を描いたのである。
この書で著者は話を戯曲風に展開しており、実名を一切出さず仮名を使っている。そのため若干わかり難い部分もある。その意味では、実名を出した論文調で書いた方が遥かに説得力を持ったと思われる。ともあれ、注目すべき良心の書である。
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