H.Hiraizumi's BirdingPage:調査研究:衛星追跡情報

title3.gif 

調査・研究 

衛星による移動追跡情報

はじめに

このページは作成途中です。

衛星による位置情報取得調査の発展と問題点
(1) 小型化

発信機を付けて衛星で追跡する方法は、標識などによる直接観察による調査と比べて効率よくデータが得られますが、発信機の小型化や衛星運用の費用がかかることが大きな問題になります。発信機の小型化に関してはNTTの協力もあって小型化が進み、いろいろな鳥類に装着されるようになっています。

一部の調査で、追跡できた個体の割合から、(真偽は不明ですが)個体の大きさに対して重目の発信機を無理して付け、(特に幼鳥に)死亡を招いているのではという話を聞いたこともあります。なお、日本で衛星追跡が始まった頃の調査では受信できなかった個体が結構多いですが、これは開発途上の発信機の不調や鳥への装着の未熟さによる部分が多かったようです。

(2) GPSの利用

最近では、上空を衛星が通る時の位置だけでなく、GPSによる位置情報をメモリしておいて、まとめて衛星に送るシステムが使われるようになっています(やや重たいのでまだ付けられる鳥は限られる)。コロニー性の鳥類については、(行動データをとることが主眼で始まったようですが)衛星を使わず、GPSデータを巣に戻ってきたときに回収する方法での調査も行われています。ただ、ウミスズメ類などについては、装着個体などへの影響報告(-->筑波大学 藤岡のアングラページ)もあるようなので、種によってはリスクについて注意が必要なのかもしれません。

日本国内なら例えば携帯局に情報を送ったほうが運用費は安上がりではとか思ったりしますが、システムを組むが大変なのでしょうね。2008年の鳥学会大会では、GPSデータを基地局からの指令で送らせるようなシステムの開発の発表などもありました(-->自然環境保護無線協会)。巣やねぐらに戻ったときにデータを受信機で受けるとかできれば、出力・期間の関係で電池が小さくてすみ、より小型の種にも対応できそうな気もします。

(3) 鳥インフルエンザ、風力発電と衛星調査
最近では鳥インフルエンザや風力発電の関係で調査費が付き、多くの種に付いて調査が行われているようで、2008年の鳥学会大会でも多数の発表がありました。これまで希少鳥類の調査が多かったのに対して、特に鳥インフルエンザ関係では普通の種についても調査が行われるようになっています。日本だけでなく、アメリカでも、アラスカで繁殖してアジアで越冬する鳥によってウィルスが運ばれる可能性があるため、日本付近に飛来する種についての調査がいくつも行われているようです。
 

(4) 情報発信

最近多くの種について調査が行われていますが、日本では(特に研究目的のもの)は、結果を一般の人がすぐ見られるようにはなっていないことが多いようですので(例外:コウノトリ)、このコーナーでは日本に関わる種についての情報を集めてみました。アメリカでは、教育・啓蒙目的でリアルタイムで情報を発信したり、結果をまとめたサイトができている例が多く、目についたものを拾いましたが、まだまだあるのかもしれません。
 

リアルタイム追跡

リアルタイムかそれに近い位置情報を提供しているサイトです。
 

アホウドリ

リアルタイムに個体の位置を示したものではありませんが、今年(2008)の最近までの確認地点を見ることができます。
 
Wake Forest Univ.

クロアシアホウドリ

多数の個体をリアルタイム追跡できる。
 
Signals of Spring - ACES (Animals in Curriculum-based Ecosystem studies)Sea Birds 

Oikonos - Ecosystem Knowledge 

 
TOPP:Tagging Of Pacific Predatiorsには以下のウィジェットあり。

 
 

ハイイロミズナギドリ

多数の個体をリアルタイム追跡できるが、日本近海に飛来しない個体の追跡記録がほとんど。Roxie (66529)が比較的日本の近く(太平洋北西部)を回遊していたが、最近電波切れ(2008.9.6調べ)。
 
Signals of Spring - ACES (Animals in Curriculum-based Ecosystem studies)Sea Birds 

コウノトリ

リアルタイムに個体の位置を表示できるようになっています。
 
兵庫県立コウノトリの郷公園 

オオハクチョウ

Google Mapによる移動記録と最新の個体位置を表示できるようになっています。
 Alaska Science Center - Avian Influenza Research

オナガガモ

Google Mapによる移動記録と最新の個体位置を表示できるようになっています。
 Alaska Science Center - Avian Influenza Research

ソデグロヅル

日本に飛来する可能性は低い種ですが、今年(2008)シベリアの東アジアを渡る個体群の繁殖地で2羽のヒナに発信機が付けられたようです。
 
Siberian Crane Wetland Projict 

オオソリハシシギ

オーストラリア・ニュージーランドで発信器を装着された個体の渡りルートを表示しています。
 
米地質研究所アラスカサイエンスセンターShorebird Researchのページ 

衛星追跡全般

このページはまだ作成途中です。
 

総合情報(多数あるのでいくつか目についたもの)

(株)キュービック・アイ 

  • アルゴスシステムの日常運用業務を行っている、フランスのCLS社の総代理店。システムの解説などあり。

山階鳥類研究所渡り鳥と足環 

生物技術者連絡会第29回セミナー 

LOTEK:発信機の会社

福田明・樋口広芳・長谷川信美(2005)電気通信普及財団研究調査報告(20):593-599

自然環境保護無線協会 
 

参考

日本バイオロギング研究会 

  • 潜り方や利用する海域環境の解析が目的で、特に鳥類については位置確認の話題はほとんどないようですが、参考に揚げておきます。 

リスク

一般に鳥に足環その他の調査用機器を装着する場合、鳥に影響を与えない重量は体重の4%以内とされています。ただ、これはあくまで一般の話で、飛行能力や採食形態などを考慮して、(特に猛禽類とか、潜水して魚を捕る種などは)できるだけ小さくすべきなのだと思います。海外では影響調査がいろいろ行われているようですが、日本語で論文紹介したものがあったので、あげておきます(データロガーのものです)。これだけですべて影響ありとは思わないで欲しいのですが、十分に配慮が必要ということでしょう。
 
筑波大学 藤岡のアングラページ文献紹介 

関連研究者のページ

熊本大学:三田教授 

東京大学:樋口教授 

東京大学:山口特任助教授