シェルティーの眼の遺伝性疾患 (Hereditary
Eye Disorders) 
コリー眼異常
(CEA: Collie Eye Anomaly = SES: Sheltie
Eye Syndrome) 
シェルティーに見られるものをSESと称しているようです。
コリー、シェルティー以外ではボーダーコリー、オーストラリアン・シェパードで発生が見られます。
遺伝形式は単純常染色体劣性遺伝(遺伝のパターン参照)です。
イギリスではコリーで約65%、シェルティーは約70%の羅患率という驚くべき数字が報告されていて、アメリカでの発生率も高い数字が報告されています。
コリー眼異常は眼球の発生段階での分化の異常によって、脈絡膜低形成、網膜、脈絡膜、強膜、視神経乳頭などの欠損により異常が見られる眼疾患であります。
現在、小眼球症はコリー眼異常と関係があると考えられています。
コリー眼異常は高率に見られる眼疾患ですが、網膜はく離、眼内出血など重度の症状を呈する物は稀であり、明らかな視覚障害を伴うものは少ない。このため、コリー眼異常は眼底検査をして初めて異常が見つかることが多いのです。また、生後の成長過程で色素やタペタムが発達し、幼犬時には脈絡膜低形成が認められた犬の眼底が成犬になって正常に見える場合もあります。
コリー眼異常が最も正確に診断がつく時期が生後5〜6週の子犬であり、その後の再検査では正常と診断される可能性もあることから、遺伝的にコリー眼異常の疾患のない犬を繁殖しようと務めるコリー、シェルティーのブリーダーや獣医眼科専門医にとっては課題を抱える眼疾患であります。
今後、DNAプローブなどを使った遺伝子レベルの検査法の確立により、さらに正確な診断が可能となる事が期待されています。
※日本のシェルティーについては殆ど検査されていないため、罹患率などの詳しい数字は不明です。
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Flash News !!
Optigen
(アメリカ)においてCEAのDNA検査ができるようになりました。
日本からも血液を送って検査してもらうことができます。
詳しくはこちら Optigen
のページを参照してください。(英語です)
http://www.optigen.com/
ラフ&スムースコリー、ボーダーコリー、オーストラリアンシェパード、
ランカシャーヒーラー、シェットランドシープドッグ の6犬種で検査ができます。 |

中心性進行性網膜萎縮症 (CPRA:
Central Progressive Retinal Atrophy)
CPRAは網膜色素上皮細胞の機能低下が起こる遺伝性疾患で網膜色素上皮ジストロフィーとも言われています。検眼鏡で診断可能となるおおよその年齢は18ヶ月以上となります。
網膜光受容体の代謝力が低下し、網膜色素上皮細胞内への脂肪色素の集積が見られます。
CPRAは中心部の視覚が障害されますが、対光反射は多くの場合陽性で完全な盲目になることは少ない。また、GPRA(汎進行性網膜萎縮症)のように続発性白内障になることもありません。
作業犬では明るい所での作業能力に変化が起きて犬の視覚異常に気づく事が多いですが、ペットで飼育されている場合はかなり進行するまで気づかない事が多いのです。繁殖に使う犬は1歳半から毎年、眼科専門医の検診を必ず受け、異常が発見された場合は繁殖犬から除外するべきです。
アメリカでは獣医眼科専門医による診断とCERF(Canine
Eye Registration Foundation)への登録、イギリスではイギリス獣医師会(BVA)、ケネルクラブ(KC)、国際シープドッグ協会(ISDS)が協力して遺伝性眼疾患の診断およびコントロールを行なっています。
原因遺伝子が解明されていない疾患については、眼底検査や隅角鏡検査などの検査が必要です。これは、どこの動物病院でも診断ができるわけではありません。
現在、日本においても比較眼科学会(JSCVO)では、独自の獣医眼科専門医の認定を行なっており、少しずつではありますが、検査できる病院も増えていくと思われます。
参考: 犬の遺伝性眼疾患 - 小林 由佳子
(アポロ動物病院(東京都)、JSCVO)
シェルティーに見られる遺伝性疾患 − 水越 美奈 (PETS行動コンサルテーションズ)

シェルティーに多い眼疾患 
角膜ジストロフィー (CD: Corneal
Dystrophy)
角膜ジストロフィーとは、眼の表面を覆うウィンドシールドの役割をしている角膜にコレステロールやカルシウムの沈着が起こり、角膜に白濁が生じてくる病気です。
シェルティーの他何犬種かでは遺伝性の素因が疑われているようですが、現在はまだはっきりしたことは判っていないようです。
よく見られる疾患ですが、失明に至るケースは稀であります。通常、点眼薬などの治療には反応しません。角膜ジストロフィーを発症しても、視界に多少影響が出る以外、犬は痛みや不快を感じる事はありません。
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