萌え萌えですぅ

「たのもぉッ!!!」
「お、まえ、は」
「あの時の!」
風もないのに白衣をたなびかせ、メガネをきらりっと輝かせた男は、明らかに嫌そうな顔をしている教授と助手を見ながら、
「ふッ!!!計画を実行に移すぞッ!!!」
と高らかに宣言した。
「・・・って」
「・・・また勝手に・・・・」
「ふッ!!!我が野望にまた一歩近づいたぞッ!!!諸君ッ!!!」
高笑いする男の隣で、嘆息する二人であった。

「よっこらせ」
と助手は手にもっていたアタッシュケースを放り投げる。
アタッシュケースはごみ袋にうずもれるように、ごみ捨て場に横たわった。
「ふぅ〜〜〜〜〜〜〜〜」
と息を吐き、助手は首を左右に振って、肩をもむ。
「しっかし、なんで俺がこんな目にあわなきゃならんのだ?」
助手は肩を落としてつぶやいた。
「あ〜あ、やっぱり西にきたのがまちがいだったのかなぁ。やっぱり東か、悪くても北に行くべきだった。給料も悪いしなぁ・・・・」
ぶつぶつとつぶやきながら、研究室に戻っていく助手。
その反対側から、ふらふらとした足取りの人影がごみ捨て場に近づいてきたのを、彼は気がつかなかった。
たとえ振り向いても、街灯の間隔も長い、夜の道で人影を見つけることは困難だったが。
「あははははははははははは・・・」
人影は明らかに千鳥足とわかる歩調で、右へ左へふらふらとしながら歩いていき、
「あやや・・・・」
とごみ袋に足をとられ、ごみ袋に顔面から突っ込むように派手に転んだ。
ばふっ、とごみ袋が宙に舞う。
「あははははは、失敗失敗・・・」
とごみ捨て場に横たわって一人笑った後、よっこいせと両腕で体を支え、体を起こそうとする。
そのとき、片手がアタッシュケースにかかり、
ばしゅッ!!!
と派手な白煙と音をたてて、アタッシュケースが開いた。
「あらあら、なにかしら?」
アタッシュケースの中身を見て、その人はほくそえんだ。
「あらあら、まあまあ♪」
翌日、そのごみ捨て場に回収者がきたとき、アタッシュケースの代わりに、人の形にへこんだごみ袋の塊だけが残されていた。





第2話ッ!「ブルマは由緒正しき履き物なの!?」






「はうぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
うららかな日差しとは裏腹に、萌子のため息は重かった。
小さな弁当箱の中身もほとんど減っていない。
「・・・もえピー?どしたの?」
と萌子の隣で箸を動かしていた由子が、箸をくわえたまま言った。
ちなみに萌子の3倍の容量はあろうかという弁当箱の中身は、半分ほどなくなっている。
「・・・・・・・え?何か言ったゆっちゃん?」
「も〜、もえピーってば、いつも以上にぼぉーとしちゃって。聞いてるのはこっち!どうしたの?」
「う、うん・・・・」
と歯切れが悪い萌子。
「実はぁ・・・・・」
と切り出してはみたものの、
(実は・・・・この間、ニーソックスを強奪するコレクターさんに出会って・・・)
「あ、もえピー。そのから揚げ、おいしそう!もらっていい?」
(それで・・・・あわびのひとが襲ってきて・・・)
「その卵焼きもおいしそうだね!も〜〜〜〜らい!」
(だから・・・・そのあわびのひとを倒すために、萌え萌えモエリーナになっちゃったんだよぉ・・・)
「う〜ん、おいしい!相変わらず、お料理上手だ!」
「って、そんなこといえるわけないよぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
と涙を滝のように流して叫ぶ萌子。
「んぐっ・・・・ど、どしたの?」
「どうした、って・・・・お弁当がないよぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
みればほとんど中身の減っていなかった弁当箱の中身は、きれいさっぱりなくなっていた。
そんな萌子の隣で、頬をシマリスのように膨らませながら、
「ごめんごめん、返事しないからいいのかなぁって」
と由子が、口をもごもごとさせながら言った。
「はうぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
涙がつきない萌子であった。
「んぐっ・・・で、ほんとにどうしたの?もえピー。今日、変だよ」
「うう・・・・・・・」
ようやく口の中のものを飲み込んだ由子が再び萌子に尋ねるが、涙で目を赤くした萌子は言いよどむばかりで何も言えなかった。
そんな目を潤ませた萌子を見て、はっとする由子。
(も、もしかして!)

〜〜〜由子の解釈(妄想)〜〜〜
「じ、実は・・・」
萌子が私の顔を見ている。
その目は、涙でうるんで真っ赤だった。
「う、うん」
私はつばを飲み込んだ。
緊張で手のひらに汗がにじむ。
「・・・ゆっちゃんのこと、好きなの・・・」
萌子はそう言うと、うつむいてしまった。
「女の子同士ってことは・・・わかってる。でも・・・この気持ちはとめられないよ。ゆっちゃんのこと見てるとどきどきしちゃって・・・胸が苦しい・・・」
私はつぶやくように告白する萌子の手を取る。
「あっ・・・・」
萌子が顔を上げた。
「大丈夫よ、もえピー・・・いや、萌子」
「ゆっちゃん・・・いいえ、由子お姉さま・・・・」
「私も・・・同じ気持ちよ・・・」
「お、お姉さま♪」
萌子のまぶたがゆっくりとさがり、瞳が閉じられる。
私は萌子の薄紅色の唇に、そっと自分の唇を重ねた。
ほんのわずかな時間、私たちの唇は重なった。
私が名残惜しく唇を離すと、瞳に涙をためた萌子の顔があった。
「由子・・・お姉さま・・・・」
「萌子・・・愛してる」
「由子お姉さま〜〜〜〜〜〜♪」
抱きついてくる萌子。
そして二人の唇は再び重ねられ・・・・。

「ね、ねぇ?ゆっちゃん、どうしたの?」
「し、舌が・・・・・・・・・・って、え?あら?こ、ここはどこかしら?」
「どうしたの、ゆっちゃん?」
萌子が不思議そうに首をかしげて由子を見ている。
由子は、こほんっと咳払いをして、
「あ、あはははははは、な、なんでもないから」
と顔を赤らめて言った。
「そう?ゆっちゃんって、時々、そうなるよね?」
「そ、そうかしら。気のせいじゃないかなぁ、あははははっ」
萌子に顔を覗き込まれ、ますます顔を赤らめる由子だった。
「?まぁ、いいんだけど、なんでもないなら・・・ってあれ?」
と萌子が見つめる先には、見慣れたツインテールの小さな影。
「芹ちゃんだ!お〜い、芹ちゃ〜〜〜〜〜ん」
と大きく手をふる萌子。
芹は、しばらくきょろきょろとあたりを見回していたが、
「こっちだよぉ〜〜。芹ちゃ〜〜〜〜〜〜〜ん」
と萌子が再び声をかけると、萌子たちに気づいたらしく、萌子たちのところに歩いてきた。
「こんにちわぁ〜、芹ちゃん♪」
「ええ、こんにちわ。萌子」
「やっほ〜、せりぴょん♪」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
芹は苦い表情で由子を見る。
「・・・由子さん。その呼び方、やめてほしいんですけど?」
「ええ〜〜〜〜〜、かわいいじゃん!せりぴょん、うさぴょんみたいで!」
「・・・・・・・そんなことありません。普通によんでくれれば結構です」
と冷静にいう芹。
「芹ちゃん、どうしたの?こんなところで?」
と萌子が二人の会話に割り込むように言うと、
「ちょっとした案内役よ」
と芹が言った。
「案内役?」
と萌子がいうと、芹は後ろを振り返り、
「ええ、彼の」
と言った。
由子と萌子が芹の後ろをみると、芹と同じくらいの背丈の男の子が、慌てて頭を下げた。
明るめの茶色の髪と、綺麗なブルーの瞳の少年。
「わぁ〜〜〜〜〜〜〜」
「へぇ〜〜〜〜〜〜〜」
とよくわからない感心の声をあげる萌子と由子。
少年は芹に手招きされると、二人の前まできた。
「こ、こんにちわ」
「こんにちわぁ〜〜〜〜〜」
「やっほ〜♪」
おどおどする少年に対して、まったく初対面らしからぬ二人。
「えっと・・・アルベルト・フォーリットです」
「あたしは由子。よろしく♪」
「私は萌子です。よろしくね♪・・・でもちょっと・・・アルベルトくんっていうのも・・・」
と萌子は頬に手を当てて、う〜んと唸った。
「えと・・・ぼくの名前・・変ですか?」
「ううん、素敵な名前だよ〜。でもちょっと、アルベルトくん♪じゃ、長いし・・・そうだ!」
と萌子は両手を打ち、
「ねぇ、アルくんって呼んでいいかな?」
と言った。
「え?」
「うん、いいね!さすがもえピー。よし、君は今からアルくんだ!」
「よろしくねぇ〜。アルくん」
と言って萌子は右手を差し出した。
「あ、あの・・・」
「あ、もしかして・・・迷惑?」
とアルの顔を覗き込む萌子。
アルは萌子の顔が近づくと、頬を真っ赤に染めて、
「い、いいえ!迷惑なんかじゃないです!」
と首を、ぶんぶんと左右に振った。
「えへへ、じゃ、よろしく!」
「は、はい。よろしく・・・お願いします」
と萌子の差し出された右手に、自分の右手を差し出しつつ萌子に近づくアル。
そのとき、アルの足が道の段差に引っかかり、
「あ!」
「え・・・・きゃあ!」
とアルは萌子の胸元におもいっきりダイブしてしまった。
「あいたた・・・」
「いつつ・・・」
顔をしかめる二人。
(あれ・・・なんだろ。とってもいい匂い・・・それにやわらかい・・・)
とぼぉとした頭で、アルが考えていると、
「いたた。ア、アルくん、大丈夫?」
「って、もえピー!アルくん!」
となぜか絶叫する由子。
その声にアルは我に返った。
「アルくん、大丈夫?」
と萌子の声が間近に聞こえる。
アルは視線を上にずらしていくと、萌子の顔が頭の上にあった。
そして視線を正面に戻す。
女子の白いYシャツのボタン、そして頬に感じる柔らかな感触・・・。
「・・・・!あ、あ、あ」
とアルは慌てて立ち上がった。
「アルくん?大丈夫?怪我、なかった?」
と萌子が聞いてくるが、アルは顔から湯気を出して、
「あ、あ、あの・・・ごめんなさいでした〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
とあっという間に萌子たちの前からきびつを返し、ダッシュして走っていった。
「・・・・?どうしたんだろ?」
「萌子・・・鈍いわ・・・」
と芹がぼそっと一言。
「も、もえピー!へ、変なとこ触られなかった。っていうか、まさぐられなかった!いいえ、それよりも! へ、変なとこに手をぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
「は、はうぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜、ゆっちゃん、ど、どうしたの?」
由子にがっしりと肩をつかまれ、ぐらぐら頭を揺らしながら言われて、萌子は目を白黒させている。
そんな二人を見ながら、
「・・・・私の周りって・・・・」
と芹が一人、深いため息をつくのだった。

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ」
アルは萌子たちから大分離れた木陰まできて、ようやく足を止めた。
木を背に寄りかかり、胸を上下させる。
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ」
胸に手を置いて、息を整える。
が、なかなか息は落ち着いてくれず、むしろ時間がたつごとに心臓の鼓動がますます高鳴っていくのを感じた。
先刻の少女の顔が思い浮かぶ。
「・・・萌子・・・さん、かぁ・・・・」
と言って萌子の名前を口にするアル。
頬の上気した赤みはなかなか取れなかった。
アルはかすかな笑みを浮かべて、空を見上げる。
「・・・や、やわらかかったなぁ・・・」
・・・いや、少し顔が崩れて、ニコリからニヤリになった。
とそこへ、
「むっ!ここにいたのか!探したぞっ!弟よっ!」
ともたれかかっていた木の葉の隙間から声が聞こえた。
「?その声は・・・」
「とぉ〜〜〜〜〜〜〜う」
と掛け声を掛け、声の主が降りてきた。
・・・いや降りてこようとしたのだが。
バキッ!バキッ!バキッ!バキッ!バキッ!バキッ!ボギッ!!!
ズッド〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!!
盛大に途中の枝に引っかかり、さらには太い枝に衝突し、体を一回転させて、地面にたたきつけられた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
数秒、二人の間に空白の時が流れたが、声の主はすくっと何事もなかったように立ち上がり、体についた枝をはらった。
そして、
「むっ!ここにいたのか!探したぞっ!弟よっ!」
と言い直した。
もはや枝に引っかかり見る影もないマント、そして少しひびが入ってしまった仮面。
コレクター元帥、その人だった。
「に、兄さん。どうしたんです?こんなところで?」
アルが言うと、コレクター元帥はうなずき、
「無論!おまえを探していたにきまっているではないか!おまえの学園生活が安穏と過ごしていられるか心配だったのだよ!」
「大丈夫です。特に問題・・・ありませんから」
といいつつも、先ほどの萌子のことを思い出し、再び頬を赤くするアル。
「?ほんとに大丈夫か?頬が赤いが?」
「え、ええ!だ、大丈夫、です!」
声が上ずるアルだった。
「?ならよいんだが・・・。そう、それにそれだけではないぞ!計画を実行するためでもある!」
とコレクター元帥が言うと、アルは眉をひそめ、
「ほんとうに・・・やるんですか?」
と言った。
「うむっ!これこそは我が悲願でもあり、我が家の宿命!この世に「萌え萌えレジャーランド」を建設することこそっ! 我が一族が何代も前から願っている宿願なのだよ!」
「・・・やな宿命ですね・・・」
つぶやきため息をつくアル。
「そのためにはおまえにも協力してもらわなければならん!」
「まぁ、ええ・・・・しょうがないですね・・・」
と再びため息をつくアルだった。
「くっ!前回はPXとモエリーナにやられたが、今回はそうはいかんぞっ!」
不敵な笑みを浮かべるコレクター元帥。
その影で、
「ぎょぎょぎょ(笑)」
と怪しい笑い声が重なるように聞こえるのだった。

「はうぅ〜〜〜〜〜〜〜、まだ目が回るよぉ〜〜〜〜〜〜〜〜」
と頭をふらふらとさせる萌子。
「あはは、ごめんね。もえピー」
と由子が両手を合わせて謝った。
「ううん、いいよぉ。それより、アルくん、どうしちゃったのかなぁ」
「・・・・許すまじ!私に断りもなく、もえピーの胸に顔をうずめて。いいえ、私に断ったってやらせはしなけど!」
「うん?なにか言った?ゆっちゃん?」
「なんでもないわよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
と目を笑わせて、由子は萌子に言った。
額に青筋が浮かんでいたが。
「それより、アルくん、どうしちゃったのかなぁ?ねぇ、芹ちゃん?」
「・・・鈍いわね」
「ん?何が?」
「・・・なんでもないわ。まぁ、あと案内するところなんてほとんどなかったし、別にいいんじゃないかしら」
「そういえばなんで案内してたの?」
「転校生よ、だから私が案内してたの?」
「そっかぁ〜、芹ちゃん、クラス委員だもんねぇ」
とうなずく萌子。
「でもさぁ、こんなところで転校生なんてめずらしいよねぇ。こんな海のど真ん中でわざわざ越してきたってこと?」
と由子が言った。
萌子たちが通う「水中学園」では太平洋上を回遊している都市ということで、人の出入りがあるのは通常どこかの港街へ寄港しているときに限られる。
次の寄港地はずいぶん先で、学園都市は見渡す限り海に囲まれていた。
「ええ、なんでも事情があるらしいわ」
「事情って?」
と萌子が聞くと、
「あまり人のプライベートのことに立ち入らないほうがいいわ」
とぴしゃりっと言われてしまい、
「うう、そうだねぇ」
と萌子はしょぼんっと肩を落とした。
「・・・あやしいわね。もしかして最近の事件の犯人だったりして?」
「え?最近の事件の犯人って?」
萌子が言うと、由子は、
「ほら、ついこの前まであったじゃない!ニーソックス強奪事件!」
と言った。
「!」
「・・・・・・・・・」
萌子は息を止め、芹はいつもどおり無表情だ。
「最近、出てないって話だけどねぇ」
「・・・・そ、そうなんだぁ」
「・・・・もう出ないとおもうけど」
「え?な、なんで?」
と由子が言った言葉に、芹は口を開こうとするが、
「あ、あははははははははははははははは、も、もうつかまったってはなしだよぉ〜〜〜〜〜〜〜〜」
とあせり顔の萌子が二人の会話に割って入った。
「?そうなんだ?知らなかった?」
「あ、あははははははははははははは」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
後頭部に汗マークが大量に浮かぶ萌子だった。
「ふ〜〜〜〜〜ん、じゃああの事件の犯人は違うやつなんだ」
「え?事件って、ほかに?」
と萌子が言う。
「うん?しらないの、もえピー。ほら、うちの学園って基本的に女子は体育の時、短パンじゃない?」
「うん、そうだね?」
「それでね、なんでも体育の時間のときに変なやつが現れて・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「短パンをブルマーに履き替えさせるんだって」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
なぜか無言になる二人だった。
「そ、それで、犯人さんは?」
「う〜〜〜〜ん、なんかねぇ、マント羽織って、妙な仮面をつけた若い男らしいわ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
なぜか頭を抱える萌子と、眉をひそめる芹だった。
「どうしたの?二人とも?」
と由子が言ったとき、
「・・・・例の奴がでたんだってよ!」
「・・・・いってみようぜ」
とばたばたと走る男子の一団があった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
顔を見合わせた三人は、
「いってみよう!もえピー。せりぴょん」
という由子の声で走り出していた。

「きゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお おおおおおおおおっ!!!!!」
女子生徒の悲鳴と男子生徒の歓声。
「うう〜〜〜〜〜〜〜」
とブルマーを履かされてぺったんこ座りをしながら涙目になっている女の子を見てコレクター元帥はふっと笑った。
「ふっ!婦女子たるもの、体育時にはブルマーでたうぜんっ!古くはオランダ商人、ロドリゴ2世によって日本にもたらされっ! 新しくは明治の女学館が運動時に正装としたところから始まる伝統を壊すとは言語道断っ! ブルマー数百年の歴史を「Hぽいからぁ〜やですぅ」などとあまっちょろい理論で短パンにするとはっ!文化省が許しても、この私がゆるさんっ!」
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」
なぜか歓声する男子生徒だちだった。
「みんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!ブルマーは好きかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
「おお〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!」
「ハミパンは浪漫かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
「おお〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!」
「ブルマーのお尻の丸みに胸をときめかせたことがあるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
「おお〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!」
完全シンクロする男子生徒だった。
「うう、生きているうちにブルマーを見れるとは!」
「俺たちはあんたに一生ついていくぜ!」
感涙する男子生徒たちであった。
もちろんこの演説をしてグランドに仁王立ちしているのは、コレクター元帥その人だった。
「な、なんだかすごいことにぃ」
「あれが犯人ねぇ」
「・・・・・・あいかわらず馬鹿なこといってるわ」
三人が駆けつけると、グランドはブルマーに履き替えさせられた女子生徒とグランドを囲む男子女子生徒たちでごった返していた。
そしてグランドの真中で高笑いする男。
「はうぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「またあの変態ね」
「ん?二人とも、あれ、しってるの?」
「ううん!ううん!し、しらないよ〜〜〜〜〜、ぜ〜〜〜んぜんしらないよ〜〜〜〜〜〜、あはははははは」
首をものすごい勢いで振って否定する萌子だった。
とそのとき、
「さぁ、でてこいっ!PX!そしてモエリーナよ!」
とどこから取り出したのか、拡声器で言うコレクター元帥。
「・・・・・・・萌子、よんでるわよ」
「はうぅ、聞こえない、聞こえないよ〜〜〜〜」
と芹の言葉に、耳を押さえて首を振る萌子だった。
「二人ともなにさっきからぼそぼそいってるの?」
「ううん、なんでもない!そ、それより、もうここからはなれよ!」
「え?もう少しみてこうよ、なんか面白そうだし」
「はうぅ〜〜〜〜〜、おもしろくなんかないよ〜〜〜〜〜〜〜」
と涙目になる萌子。
とそのとき、
「ふふふッ!これは私に対する挑戦であるなッ!!!」
と萌子たちの隣に立つ、白衣をたなびかせる男。
「って、はうぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜、お、お兄ちゃん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「うむッ!!!これは我らに対する挑戦だッ!!!断固として受けなければ、萌え道に反するというものだッ!!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・じゃあ、私はこれで・・・・・・・・・・・・・・」
と萌子はこそこそと場を離れようとしたが、萌子兄ことPXはがっちりと萌子の首根っこをつかみ、
「どこへいくのだッ!妹よッ!」
とメガネをきらりんっとさせて言った。
「はうぅ〜〜〜〜〜、も、もう次の授業はじまるし〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「ふッ!そんな些細な問題は気にするなッ!今は奴との対決のことだけを考えればよいのだッ!」
「って、そんなものかんがえたくないよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「さぁ、ゆくぞッ!!!萌子よッ!!!」
と首をつかんだまま、グランドへ向けてダッシュする萌子兄ことPX。
「はうぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
萌子の悲鳴がドップラー効果を起こしつつ、グランドの方へ消えていった。
「・・・・・・・・・・あれ、なに?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・みてればわかります」
目を丸くした由子と、哀れみの目をもった芹を置き去りにして・・・。

「ぬはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははッ!!!」
「むっ!きたか!」
コレクター元帥が笑い声が聞こえる方を見ると、土煙を上げて疾走する白衣の男と・・・。
「はうぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
とそれに引きずられる女子生徒。
「くくくっ、まっておったぞっ!PX、そしてモエリーナよっ!」
「うう、私は関係ないのにぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「ぬはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははッ!!!」
「今日こそ、貴様を倒しっ!我が野望を果たすっ!」
「は、はうぅ〜〜〜〜〜〜〜〜、離してぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「ぬはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははッ!!!」
「そしてっ!この私こそがっ!この世界に君臨するに足るものなのだっ!」
「わ、私は関係ないしぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「ぬはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははッ!!!」
「って、人の話を聞けぇっ!!!!!!」
笑いつづけるPXに怒鳴りつけるコレクター元帥だった。
「このくらいで怒鳴るとは心の狭い奴だッ!!!」
「怒鳴るわぁっ!!!!」
「はうぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「まぁ、そんなことはどうでもよいッ!!!」
「勝手に話を切るなぁっ!!!」
「はうぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
怒鳴りすぎでハァハァと息をつくコレクター元帥。
「ハァハァ・・・、く、今日こそ決着をつけてやるわぁっ!!!こい、我が軍団が誇る海底獣よっ!!!」
と右手をぱちんっと鳴らした。
「ぎょぎょぎょ・・・」
とコレクター元帥の影から現れる影。
「って、そんなに近くにいるなら、わざわざ鳴らさなくてもよかったんじゃないんですか?」
珍しく突っ込む萌子だった。
「くくくっ!!!これぞ我が軍団が誇る・・・」
「鯖(さば)かッ!!!!」
「ちがうわっ!!!!」
「なら鯵(あじ)かッ!!!」
「それもちがうっ!!!」
「ならば鰈(かれい)かッ!!!」
「はうぅ、お兄ちゃん、鰈(かれい)はもっと平べったいよぉ」
「むぅ・・・ならばいったいッ!」
コレクター元帥は、くくくっと笑い、
「貴様らのような貧乏人には一生縁のない鮪(まぐろ)だっ!しかも本鮪(まぐろ)だっ!」
「が〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん」
なぜかショックを受ける萌子だった。
黒光りする鮪の体に細い手足をつけている二足歩行する鮪は、
「ぎょぎょぎょ(笑)」
と魚の口を器用に曲げて笑った。
「こいつこそわが軍団最速を誇る鮪、マグロンだっ!」
「・・・・・・・あいかわらずなんのひねりもないわね」
「ねぇ、あれって解体したら何人前ぐらいになるのかなぁ」
「はうぅ、芹ちゃん、ゆっちゃん。どうしてここにぃ」
萌子が首根っこをつかまれたまま声のするほうを見ると、芹と由子がそろって萌子のとなりにいた。
「・・・あなたたちだけじゃ心配だから」
「はうぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜、ありがと、芹ちゃん」
「な〜〜〜〜〜〜〜〜〜んか、おもしろそうだし!」
「はうぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜、ゆ、ゆっちゃん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
やはり涙を流す萌子だった。
「ふッ!!いたいけな女子生徒に無理やりブルマーを履かせるとは許せんなッ!!!」
「あら、意外にまともなこというのね」
と芹が言うと、萌子も首を縦にふる。
「そもそもブルマーがロドリゴ2世によってもたらされたなどとは真っ赤な嘘ッ!!! 真実はフランシスコ・ザビエルの付き人、クルルコ・ロドリケスの履物がルーツだといわれておるッ!!!」
「・・・・・そんなことは聞いてないわ」
「はうぅ、いったいどこでそんなことを」
「そうなんだぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
と三人三様の反応の娘たち。
と、コレクター元帥はくくくっと笑い、
「ふっ!PXやぶれたりっ!」
と指を突き刺した。
「ブルマーに情熱をもてんとはっ!!!萌え道を追求するものにとって致命的な欠陥だっ!!!」
「・・・・・・萌え道ってなに?」
と芹がぼそっとつぶやく。
その隣でPXはメガネをずりあげて、
「ふッ!!!だから貴様は坊やだというのだッ!!!」
と指を突き返した。
「なにぃ!」
「そもそもッ!!!無理やり履かせたブルマーに何の価値があるッ!!! ブルマーとはッ!!!健康元気美少女萌えの代表格ッ!!!見よッ!!! あの娘たちの暗い顔をッ!!!あのような顔でブルマーを履かれても萌えが半減するのは明確ッ!!!」
「くっ!」
「太陽の下でこそ映えるブルマーの輝きッ!!!それこそがブルマー萌えの目指すものだッ!!!」
「・・・し、しかし、この学園は短パン指定ではないかっ!」
「だから貴様は坊やなのだッ!!!短パン指定なら、なぜブルマー指定にしようと努力せんのだッ!!! 貴様の萌えは公権力に負けてしまう程度のものなのかッ!!!正式な手順を踏みッ!!! はつらつとした女子生徒たちが履くブルマーを見たときこそッ!!!本当の萌えだというのがなぜわからんのだッ!!!」
「ぐうっ・・・・・・・・・・」
唸り声を上げるコレクター元帥。
そのときグランドを取り巻いてる男子生徒たちから声がした。
「あ、あんたは!」
「もしや、北校舎の女子体育服装をブルマーに指定させた伝説の男!」
その声に、PXはふっと笑い、
「・・・・昔のことだ・・・・」
と言った。
「お、お兄ちゃん・・・・」
「・・・・いったいなにをやってるのかしら、この男は」
呆れ顔の萌子と芹だった。
「ぐぐぐ・・・・うるさいわっ!我が野望の道に立ちふさがるものは、排除するのみっ!」
「で、どうしようというのだッ!!!貴様ッ!!!」
「ふっ、知れたことっ!貴様たちの必殺技「妹の履きかけニーソックス、お兄ちゃん、部屋に入るときはノックしてよぉ♪」をやぶるのだっ!」
「くくくッ!!!その心意気は誉めてやろうッ!!!」
といってまだつかんでいた萌子を見る。
「さぁ、いまだ萌子ッ!」
「って、私は何にもしらないよぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「え、なになに?もえピー。なんかするの?」
「・・・・・・・・・くだらないことですよ」
由子の問いに答える芹。
とPXは萌子の耳元に口をよせる。
「な、なにぃ。お兄ちゃん?」
「・・・・・・これはなんだと思う?」
と白衣の内側から一冊のノートの表紙を見せる。
「はうぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜、私の日記〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「これがどうなってもいいのかなぁ?」
「きょ、脅迫だよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
涙が滝のように流れる萌子だった。
「さぁッ!!!萌子ッ!!!いくのだッ!!!」
「ううぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜、萌子、萌え萌えですぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「ほんとに泣けるわ。萌子」
芹が言った。

説明せねばなるまいッ!!!
萌子の「萌子、萌え萌えですぅ」は、数千分の何秒で宅配便屋にダイレクトコールし、 宅配便屋が誇る一級ドライバー富士原巧のスーパードライビングテクニックによって、 一秒以内で萌子のもとにMBUF(萌えばーじょんあっぷふぃーるど)と超科学の結晶であるニーソックスを届けるのだッ!!!

「毎度〜〜〜〜〜〜、富士原豆腐店です」
「ふッ!!!ご苦労ッ!!!・・・・時に親父さんはどうしたッ!!!」
「さぁ?俺はただこれを届けろって言われただけですから・・・」
「・・・・なるほど・・・・、すべてわかったよ・・・・」
「はうぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜、なにがわかったのぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
萌子の叫びを無視して、MBUFとニーソックスの入ったアタッシュケースを置いて、ハチロクは去っていった。
「はうぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜、こないだと違うしぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「さぁ、行け、萌子よッ!!!」
とまだつかんでいた首根っこで萌子を持ち上げ、MBUFに思いっきり萌子を投げつけた。
「はうぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜、めちゃめちゃだよぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
カーテンが揺れ、カーテンの中に消える萌子。
「これを忘れるなッ!!!萌子ッ!!!」
とアタッシュケースを投げつけるPX。
アタッシュケースがカーテンの内側に消えると同時に、
ごすっ!!!
と何かにあたった音と、
「はうぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜、い、いたいよぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
という萌子のうめき声が聞こえた。
「は!そうだ。は、早く履かないと」
「萌子よッ!!!言い忘れていたがッ!!!」
「うう、は、早くしないとぉ〜〜〜〜〜〜〜」
「今回は五秒で落着するようにしてあるぞッ!!!」
「え?」
と萌子が言ったとたん、
ばさっ!
とカーテンが落ちて、
「はうぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜、またこれなのぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
と今回は両足とも素足で、両方いっぺんにニーソックスをあげようとしている萌子の姿が。
「はあぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜、 あ、あれは「もえピーの履きかけニーソックス、ゆっちゃん、みちゃはずかしいよぉ♪」ね! あうぅ、もう・・・あたし・・・だめ♪」
といって倒れる由子。
「・・・・これってそんなにメジャーな技なのかしら?」
と冷静に突っ込む芹だった。
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」
グランドを取り巻いていた男子生徒たちも、なぜか前かがみで倒れていく。
「くくくっ!!!」
そのとき、コレクター元帥が不敵に笑い、
「モエリーナ敗れたりっ!!!セイントに同じ技が二度通じないように、萌えの闘士たるこのコレクター元帥に同じ萌えは二度と通じないのだっ!!!」
「むッ!!!しかし、そいつははじめてみる技のはずッ!!!」
とPXはマグロンを指差す。
「ぎょぎょぎょ(笑)」
「ふっ!!!貴様ともあろうものが、重大な欠点を見逃しているなっ!!!」
「なにぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「マグロンは、お姉様属性なのだっ!!!」
「な、なにぃ、そ、そうかッ!!!しまったッ!!!この天才としたことがッ!!!」
「・・・・・・・・・で、それはなに?」
芹があきれた顔で突っ込む。
「うむッ!!!属性とはッ!!!そのものの萌えを示すものッ!!!セイントで言えば己が星座そのものッ!!! 属性が強ければ強いほど、己が萌えには弱くなるッ!!!が、しかしッ!!!それ以外の萌えには逆に強くなるのだッ!!!」
「ふッ!!!そのとおりだ!」
「しかも、奴の萌え属性はお姉様萌え、いわば萌子の発するロリ属性萌えとは対極に位置する萌えだッ!!!」
「そのとおりっ!その小娘のような、背なし、胸なし、色気なし、の三なしロリ属性では、マグロンはぴくりとも食指はうごかさんわっ!!!」
「が〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん、ま、まぐろにも相手にされない私ってぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「・・・・相手にされたいの?萌子?」
と落ち込む萌子に、突っ込む芹。
「さぁ、行け!マグロンっ!」
とコレクター元帥がいうと、
「ぎょ」
とマグロンは返事をして、その身を走らせる。
「・・・・え?」
萌子があっけにとられてる間に、
「ぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょ!!!」
とすごい勢いで掛けてくるマグロン。
両手にはブルマーを握り締めて。
「は、はうぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜、変態〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「ぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょ!!!」
ぎりぎりでマグロンの体をかわした萌子だったが・・・、
びりっ
といやな音を立てて、ニーソックスの一部が破ける。
「はうぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「ぎょぎょぎょ(笑)」
涙目になる萌子を見て、再びにやりっと笑うマグロンだった。
「ふっ!どうだ、我が軍団、最速の海底獣はっ!本鮪といえば、海の弾丸っ! そのスピードを生かし、鋭いひれで短パンを切り裂き、手に持つブルマーを一瞬で履きかえさせることができるのだっ!!!この間、わずか0.01秒っ!!!」
「・・・・・・・・・・・・・・その能力をほかに生かすとか考えなかったのかしら?」
「くッ!!!どうするッ!!!今のままではッ!!!」
のんびり状況を見守る芹に、あせり顔のPX。
グランドでは萌子とマグロンの追いかけっこが続いていた。

そのころ、校舎の影にて。
「ああ、あのままじゃ・・・」
とつぶやく影があった。
「・・・・仕方ないわ」
そう影はつぶやくと、静かに手にもっていたアタッシュケースを地面に置く。
手を開閉スイッチに掛けると、スイッチを押した。
ばしゅっと派手な音を立てて、開くアタッシュケース。
中からは・・・。
「・・・・こんなに早く、これを使う日がくるなんて・・・・」
と影はつぶやいた。

「はぁはぁはぁ・・・・も、もう、走れないよぉ〜〜〜〜〜〜〜〜」
と地面にぺったりと座り込む萌子。
「ぎょぎょぎょ(笑)」
その姿を見て、マグロンはにやにや笑いながら近づいてきた。
「うう、鮪に慰み者にされて人生終わるなんてぇ〜〜〜〜〜〜」
「ふふふっ!!これで我らの勝利だっ!!!」
「くッ!!!」
「・・・・・・・・・・・慰みものって・・・・・・・・・・」
芹があきれた顔でつぶやいたとき、
「そこまでよ!」
と凛とした声があたりに響きわたった。
「誰だッ!!!」
「何者っ!!!」
「・・・・・・・あなたたちの関係者じゃないの?」
「はうぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜、あそこだよぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
と萌子が指差す先、朝礼に使う朝礼台の上にたつ影。
「あ、あれは・・・・・・・・・・・・」
「も、もしや・・・・・・・・・・・・」
「黒のニーソックスッ!!!」
コレクター元帥とPXの声が重なった。
「って、注目するところはそこじゃないよぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「・・・・最悪な奴らね」
そこには長い髪をなびかせ、タイトスカートに黒のニーソックス、そして舞踏会で使うような仮面をつけた女性が立っていた。
「なにものだっ!貴様っ!」
とコレクター元帥がいうと、女性はふっと赤い紅のひかれた唇に笑みを浮かべ、
「私はそうね・・・・華麗なる黒薔薇・・・とでも呼んでもらいましょうか」
と言った。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・頭痛くなってきたわ」
芹が額を押さえる。
「むッ!!!華麗なる黒薔薇とやらッ!!!その黒のニーソックスをどこで手にいれたのだッ!!!それは私が製造途中で破棄したもののはずッ!!!」
とPXの突っ込みに、
「え?これごみ捨て場で拾って、もってかえってきちゃった♪」
と明るく突っ込み返す華麗なる黒薔薇だった。
「・・・ごみ捨て場にあったニーソックス履かないほうが」
「大丈夫よ♪アタッシュケースに入れてあったから♪」
「そういう問題じゃないんじゃ・・・」
と芹が顔をしかめていると、
「ぎょ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜(嬉)」
という叫び声がした。
見ると、萌子の前にいたマグロンが黒薔薇に向かって突進してくる。
「くっ!!!しまったっ!!!あまりの色香に惑わされたかっ!!!」
「・・・いや、色香って」
「ふふっ、いらっしゃい。坊や♪」
「ぎょ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜(嬉)」
と目をハートマークにしたマグロンに立ちふさがる黒薔薇。
「はうぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜、あぶないよぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
と萌子が叫んだ瞬間、
「必殺!「女王様キィィィィィィック!!!坊や、おいたはだめよ♪」よ!」
と黒薔薇はマグロンの鼻面(?)を思いっきり蹴り上げた。
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!」
なぜか履きかけニーソックスで耐えていた男子生徒が、前かがみで倒れていく。
「く、黒の・・・・・・・パンティ・・・・ナ、ナイスっす」
親指をぐっとたてながら・・・・。
マグロンはけられた衝撃で地面を転がり、
「ぎょぎょぎょ(足蹴萌)」
と目をあらぬ方向に向けて、やがて光の結晶につつまれ消えていった。
「くっ!!!ま、まさかマグロンが萌え尽きるとはっ!!!」
「さぁ、あとはあなただけよ!」
とコレクタ元帥ににじり寄る黒薔薇。
そのとき、空中に複雑な魔方陣が現れ、
「兄さん・・・・」
と光が形をかえて、やがて一人の少年を形作った。
コレクター元帥と同じようなマントと、仮面をかぶった明るい茶色の髪の少年。
「今回は僕たちの負けですよ」
「くっ、仕方あるまいっ!ここはいったん引くしかないかっ!」
その言葉に少年はうなずくと、再び空中に魔方陣が映し出される。
「まちなさい!」
と駆け寄ろうとする黒薔薇。
が、そこへ、
「さっさといきな。コレクター元帥!」
と男子生徒たちが大量に黒薔薇の前に立ちふさがった。
「あ、あなたたち!」
「お、おまえたちっ!なぜだっ!」
コレクター元帥の言葉に、男子生徒たちはふっと笑い、
「・・・たとえ間違っていたにせよ」
「・・・俺たちにブルマーという幻想を見せてくれた」
「・・・これはその礼さ!」
と言った。
コレクター元帥の目から涙がこぼれる。
「!・・・この恩、わすれんぞっ!」
「兄さん、はやく」
少年の手をとり、魔方陣の光の中へ消えていくコレクター元帥。
「!?まちなさい!」
と黒薔薇が駆け寄ろうとするが、
「黒薔薇さ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん」
「お、おれも蹴ってくれぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
という男子生徒の厚い壁に阻まれて、近づくことができなかった。
「・・・・・・・・・・・・・・っていうか、ただ単に蹴られたい変態たちじゃないの?」
つぎつぎと蹴り倒されていく男子生徒の幸せそうな顔を見ながら、あきれた顔でつぶやく芹。
「はうぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「・・・・萌子。大丈夫?」
とようやく立ち上がり歩いてきた萌子に、芹が言うと、
「・・・・・・・・・ぜんぜん大丈夫じゃないよぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
という萌子の絶叫がグランドに響き渡った。

大苦戦の結果ッ!!!
萌子たちはからくも勝利を収めたッ!!!
だがしかし、必殺の履きかけニーソックスを失った萌子ッ!!!
そして華麗なる黒薔薇とはッ!!!
萌子たちの未来に希望はあるのかッ!!!
がんばれッ!!!萌子ッ!!!未来は君のニーソックスにかかっているぞッ!!!







<あとがきです♪>

・・・・おはようございます〜〜〜〜♪
・・・・いまは・・・・
朝の4時半です(爆死)
というか・・・・
なんで第2話かいてるんでしょうか?私は(笑)
とりあえず、黒のニーソックスを出せねばならなかったようなのでだしました(笑)
っていうか、新キャラ出過ぎ(笑)
ちなみに・・・・
この中で一番の常識人は、無論、芹です(笑)
まぁ、もう眠くなってきたので・・・
そろそろ終わりましょうか・・・・
では常套句を残してっと
いつもどおり、ご感想、萌えなどをらくがき帳の方へ書いていただきますと、作者、原作者とも満足するかもしれません(笑)
それではではぁ



次回予告(え?まだなんかあるのか!?)・・・・

履きかけニーソックスが破れた萌子ッ!!!
「特訓だッ!!!特訓しかないぞッ!!!」
「はうぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「・・・萌子、不憫ね・・・」
「もえピーがいくなら私も行くよぉ〜」
一同は夏の海へッ!!!
「・・・綺麗ですね」
「はうぅ、綺麗だね♪」
夕日に照らされる男女ッ!!!
「お兄様は渡さないわ!」
暗躍する怪しい人影ッ!!!
「ふ、藤野先生?」
「な、なんでこんなところに?」
「あらあら、まあまあ♪どうしてでしょう♪」
呼ばれてもいないのにくる、家庭科の教師ッ!!!
「今回はこれだっ!!!」
「はうぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「・・・だんだん卑猥になるわね・・・」
謎の芹のつぶやきッ!!!
そしてッ!!!
「・・・ご主人様・・・お呼びですか?」
ついにベールを脱ぐ最終兵器ッ!!!

次回ッ!!!
「あちちな海は、スクール水着でウハウハなの!?」
に君も着足せよッ!!!

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