錆 さび

腐食corrosion = 金属が環境物質と科学、電気化学反応によって損耗する現象

錆rust = 自然環境で腐食した場合に結果として生成する固相の腐食生成物

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大気中のすべての金属表面は2〜5nmの厚みの酸化物超薄膜を生成します。

薄膜は金属同士の結合を妨げ、金属本体の腐食を妨ぎます。

この酸化皮膜形成の自己保護性が破壊されることで腐食し錆びが生じるのですが

この破壊の大きな原因が温度と水です。

水の影響は皮膜を変質させます。

炭素鋼の場合は赤錆となりますが

ステンレス鋼、チタン合金、アルミ合金、白金族などは不動態皮膜と呼ばれる含水酸化物超薄膜に変質し

金属が溶液中に溶け出すことを妨害し耐食性を与えます。

銅合金、亜鉛合金、ニッケル合金、鉛合金などは自然化成皮膜と呼ばれる塩基性皮膜へ変質します

酸素の金属表面への到達を阻害することで腐食の進行を妨げます。

人工的な加工のクロム酸塩処理、りん酸塩処理による皮膜も同じ種類のものです。

銅の緑青、ニッケルの緑錆、亜鉛の白錆などです

昔は緑青は毒だと学習しましたが これは大昔の銅には化合物として砒素などが含まれていたためで

現在では毒ではないということです。

温度による皮膜破壊は金属の高温下の限界実用強度よりもスケールの生成温度の方が高いので

実用上 高温腐食と呼ばれるものは酸化物層の厚み増加ではなく 加速参加、浸炭、水素浸食といった

設計限界以下の温度で起こるトラブルということです。

鋼材 スケール生成温度℃ 強度限界温度℃
炭素鋼 0.1%C  480  〜400
クロムモリブデン鋼 1Cr-0.3Mo  620  〜500
SUS410  12Cr   760  〜550
SUS304  18Cr-8Ni   900  〜600
ニッケル基超耐熱鋼   980  〜900

ステンレス鋼などの不動態皮膜は自己修復性も強いですが

濃度の高い高温の塩化化合物には皮膜の再生が妨げられます

チタンは酸にも強いですが水分の含有量が150ppm以下の非水溶液では

耐食性を失います。

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金属同士の電食による隙間腐食は良く知られるところですが

非金属でも発生しやすいものがあります

発生しやすいもの-アスベスト、エポキシ、塩化ビニル、ブタジェンゴム

発生しにくいもの-シリコーン、天然ゴム、テフロン、セラミック繊維

ステンレス鋼の隙間腐食は40μm以下がもっとも危険で0.1mmを超えると危険がなくなります

 

電食 狭義では土壌中の配管などに見られる 迷走電流による腐食 を意味しますが

    溶液側から金属側に電流の入り込む場所(カソード側)の逆

    電流の出口になる場所(アノード側)が腐食することもさします。

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さび対策

設計の段階で考慮することが重要です

防食技術は施工して防食されてあたりまえ 事故があって初めて技術が見直されるという

性格のものです。 スパンも長く地味な技術ですが大切な技術でもあります。

表面処理-亜鉛、銅、スズ、アルミニウム、クロムといった金属は自然環境で裸使用に耐えるので

       これらの金属を表面にめっきすると防食法となります。

塗覆装-有機溶剤による皮膜で亜鉛被覆との組み合わせや電着塗装や粉体塗装など

    どんどん進歩しています。

環境処理-乾燥して湿度を下げ空気を清浄にして錆びを防ぎます。

       大気中では気化性防錆剤が有効です。

電気防食-大気暴露条件以外では電気防食が利用できます

       鋼材の電極差を-0.53V(SHE)以下に保ちます

       現実の施工は困難なので環境条件に合わせて管理されます。    

       電池回路の絶縁-アノードとカノードを分離し絶縁する

       低い電位の金属を合わせて組み込み そこを腐食させて

       重要部位は腐食させない。

自然化成皮膜材料の防食-特殊な条件下で必要な処理ですが

                 腐食抑制剤を利用します。

不動態皮膜材料の防食-より耐食性のある材料への変更、不動態皮膜の強化

 

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参考  さびのおはなし   増子 昇 著   日本規格協会 発行 1990.03

 


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